ミニひまわりのこと
ミニひまわりが、5月からベランダにいる。
ミニのほうが、大きくなり過ぎないから良いや、と思って、
特に何も考えずに、「ミニ」の方の種を買った。
「ミニって、なんかかわいいし」
「ミニモニ、ミニモニ。」
「なんだっけそれ、」
種をまいて、一週間ぐらいで芽が出て、すくすく育っていた。
30cmくらいの背丈になって、成長が止まった。
「なるほど、だからミニか」
新しい葉っぱが出てくるのも、抑制されているみたいだ。
だから、成長せず、彼は、こどもサイズのままだ。
こどもサイズのまま、枯れていくのだろう。
人間って、わるいやつなのかもしれない。
ひまわりは勝手にこどもサイズにするし、
こども牛の牛乳は横取りするし、
犬はくさりにつなげるし。
「わたしたちの牛乳を返してください」
「ごめんなさい(1日1ℓの牛乳を飲みながら)」
でも、ひまわりを育てようと思うのも、きっと人間だけだ。
「いや、虫や動物たちも、みんなでひまわりを育てている」
「でもあいつら、むしゃむしゃ食べるし」
「え?」
「食べられると痛いんですよね」
「ごめんなさい、ピー」
そう考えると、人間ってば、ちょっと、かわいいのかもしれない。
こどものひまわりが欲しいから、こどものひまわりを作っちゃうなんて、きみたちにも、ちょっとかわいいところ、あるじゃないか。
人間のわるさを忘れず、ひともひまわりも、かわいいと思えたらいい。
(花が、さきました)
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