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いまさら「源氏物語」
いまさらですが、「源氏物語」を原文で読んでいます。円地文子訳は読んだことがあるのですが、昨年の大河ドラマ「光る君へ」の影響もあり、原文に挑戦してみようと思い立ちました。黙読では内容が頭に入って来づらくなったので、一文一文、声に出して読みながら。
主語のない文が多いため、敬語から主語を考えなければならず、古文の授業でも難物とされますが、声に出して読んでみると心地よいリズムが感じられ、内容が自然と頭に入ってきます。
季節や色彩、宮中のしきたりなどの描写が細やかで美しく、品詞分解に辟易して遠ざけてしまうには、あまりにももったいない。
そこであらためて感じたのは、大和和紀さんの「あさきゆめみし」の素晴らしさ。何度読んだか分からないほどお気に入りのマンガで、主要なセリフは覚えているくらいなのですが、セリフや情景描写が原文にかなり忠実だったことに驚きました。しかも現代の私たちにも理解できる言葉で原作の行間が埋められており、これはもう「大和源氏」という一つの文学作品です。
また、「光る君へ」もよくぞ制作して下さった。贅を尽くして再現された宮中文化や装束は、これから古典を学ぶ人にとって貴重な資料になるんじゃないかな。
「源氏物語」の世界を二次元化してくれた「あさきゆめみし」と、三次元化してくれた「光る君へ」。「源氏物語」を分かりやすく親しみやすくしてくれた2作品の功績は、計り知れない気がします。私はこの2作品のおかげで、原文に帰ることができたのですから。
まだ「賢木」なので、読破には時間がかかりそうですが、ゆっくりゆっくり時間をかけて、味わいたいと思います。
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