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そろそろ昇進昇格アセスメントのシーズンかな?

今回の記事ですが、5月18日の記事、「アタマ良い人が、毎度、不合格になる訳」で書かせていただいた細かなところについての解説となります。

「協調性が高い」をプレゼンテーションすると、一般論として「主導性が低く映る」

「決断力が高い」をプレゼンテーションすると、一般論として「計画性が低く映る」

「分析力が高い」をプレゼンテーションすると、一般論として「創造性が低く映る」

もともと私たちアセッサーは、このような一般論に陥ってはダメよといわれ続けて仕事を進めていますが、「いつもアタマ良いよね~っていわれているんだ私」が染み付いた受講者の方を担当すると、「きっと対人面にマイナスがあるはず」「きっとスタンス面はイケてないはず」と先入観を持ってアセスメントを行ってしまう面があるのかもしれません(この構造的な問題の原因については次々回で)。

さて、上記は5月18日の記事にある、その細かなところの引用ですが、中で特に焦点を当てるところとしては「私、アタマいいんだよね~を前面に出すとアセッサーは『対人面は弱いに決まってる』『スタンス的に問題があるはず』といった先入観を持ちやすい」となります。

この先入観への対応方法については当該記事で明らかにしてありますが、その背景について今回は簡単に…。

さて、私たちアセッサーの仕事は受講者の皆さんの各演習のアウトプットを評価することです。

グループディスカッションの発言などから主に対人面と資質面のコンピテンシーを評価、方針立案演習の報告書から改革系の思考のコンピテンシーを評価、インバスケットの指示内容から改善系の思考のコンピテンシーを評価、部下面談演習の対応などから対人面と資質面のコンピテンシーを評価します。

そして、私たちアセッサーも仕事の中でアウトプットしなければならないものがあります。

それは受講者の皆さんの、各コンピテンシーの評価スコアと特徴(強みと弱み)、そして特徴(強みと弱み)をベースに作成するフィードバックレポートです。

この、特徴(強みと弱み)はそれぞれ個数が事前に決められており、各2点であったり、各1点であったり、各3点であったり、受講者の皆さんのレベル感に関係なく、大した強みがなくても特に弱みがなくても無理に選ばなくてはならないといった事情があります。

また、評価会議の席上、受講者の皆さんの評価を行う場合、議論の中心となるものが、この特徴(強みと弱み)であり、特徴を掴むことがヘタなアセッサーは評価会議が針の筵となります。

こういった事情もあり、最近の昇進昇格アセスメントは、受講者の皆さんのアウトプットを平に捉えて各コンピテンシーのレベルを評価することよりも、「特徴(強みと弱み)を探すこと」に熱心になっている感があります。

このような傾向に関してですが、コンサルティングファームによって温度差があったり、担当するアセッサーによってスキル差があったり、いい悪いを簡単に論じることも相応しくありませんが、受講者の皆さんが昇進昇格アセスメントを受講する際の、大人の事情として頭に入れておいても不都合ないのかな~と考えます。

アセッサーの先入観や偏見への対応は前回の記事を参考にしていただくこととして、このような大人の事情を背景に昇進昇格アセスメントで、どう振る舞うべきか????

一般論であれば、「ご自身の凸凹を事前に把握、凸を目立つように、凹を目立たぬように行動を調整する」となるのですが、特徴(凸凹)を掴むことがヘタなアセッサーに当たってしまった場合、皆さんとアセッサーがシンクロせず、凸凹が凸凹するといった不幸に直撃する可能性も捨てきれません。

また、最近の昇進昇格アセスメントはオンライン開催が標準なので、ライブ開催と比較してグループディスカッションや部下面談演習では凸凹が把握しがたいといった問題もあります…。

ということで、最終的なまとめになりますが、受講者の皆さんが考える以上にグループディスカッションや部下面談演習では大袈裟に凸凹をプレゼンテーションする必要がありそうですね。

また、グループディスカッションや部下面談演習で評価の差をつけ辛いことの副反応として、方針立案演習やインバスケットで大袈裟に評価に差をつけるといったことにも注意する必要があります。

と、ここまで記事を書いてきましたが、「あなたたちが実施している昇進昇格アセスメントではどうなのよ?」といった疑問、お叱りも当然あることと考えますが、反省を踏まえ、改善を前提にこのような記事をまとめさせていただいております。この反省、改善を踏まえ、受講者の皆さんには運営側の事情をご案内することで、次回のご受講で最善を尽くしていただければと思っておりますのでよろしくお願いします。

ということで、本日の記事はここまでとなります。またまた狭いニーズに対応する記事でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。今後もよろしくお願いします。


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