坂ノ途中で5年半出荷し続けた振り返り
2017年1月に坂ノ途中で働くために東京から京都に来ました。
「とりあえずみんな出荷からはじめるから〜」とおのさんに言われて出荷チームヘ。会社の一番の商品なのでそれを知るのは当たり前か〜と思い、いつの間にか5年半経ってました。
坂ノ途中は、新規就農かつ有機のお野菜をセットにしてお届けしています。
入社時はそのセットを1日5人で、180箱出荷していました。
5年半経ったいまは、1日25人で、1000箱出荷してます。
定期会員数も900件だったのが、8300件にも増えました。
これらの件数とは別で、法人のお客さんや出荷日も増えていますし、商品数も増えているので(単品で買えるやさいや、加工品など)売上としては、数倍数十倍になっています。この5年半で、会社も、一緒に働く人も、扱う野菜の数も目に見えて増えてきました。その過程をずっと見てきました。ずっと手を動かして出荷してきました。
件数が増えるのも、オフィスの引越しも、コロナ禍でも、出荷は「現場」であるので、なにかがあっても最後はマンパワーでやるしかありません。
完全にIT化したら件数が増えても人間の数は増やさなくてもいいかもしれませんが、どんなに効率化しても人がいなければ出荷できません。
オフィスの引っ越しも、デスクと回線だけ整えば仕事ができる他のチームとはちがって、出荷場の広さも大きくなるし、モノを置く場所も、全てのオペレーションを変えなくてはいけません。
コロナ禍でも、家でリモートはできないので、出社しなくてはなりません。
野菜が凍って届いたり、全部とろけて届いたり、台風のせいで届かなかったり、農家さんが島根から車で届けてくれたり、出勤人数に対して出荷量多すぎるけど出荷しなくてはならなかったり、いろいろとありました(笑)
そういう意味でも、つらくて大変な時期もあったし、180箱だったのが1000箱になったというのも自分でも疑ってしまうぐらい成長したな〜って思います。
数字だけみると「ふーん」って感じですが、それなりに5年半がんばってきたので、その振り返りをしてみたいと思います。
出荷の一日
一日がかりで、野菜の袋詰め、検品、仕分け、箱詰めの作業をしています。
①袋詰め
貯蔵できるものはバラで農家さんから買って、出荷場で袋詰めをしています。一部、果菜類もバラで農家さんから送ってもらい、1人分用に袋詰めをしています。
②検品
むずかしくも、心が痛むのが検品。葉物、果菜類、根物ほぼ全ての野菜を検品します。輸送中や、気温の変化で傷んでしまったもの、病気が出てしまっているもの、大きくなりすぎてしまったものなど、「お客さんに出して大丈夫かな」「自分が受け取ったときに嫌な気持ちにならないかな」「きれいな荷姿ではなくても、ちゃんとお客さんに説明できるかな」ということを考えながらの作業です。
虫食いや規格なども実際に調整したり、生産者窓口チームとやりとりをして農家さんへの連絡を依頼します。
傷んだやさいは農家さんにもフィードバックをしているので、出荷チームのカメラロールにはお客さんに出せなくなってしまった写真がたまりがち(笑)
でも、農家さんのところへ行くと「丁寧に写真を送ってくれるから、気をつけるポイントがわかるよ」と言ってもらえるので、ちゃんと伝えるのも農家さんのためになって大切なことだなって思ったりしました。
③仕分け
売上の多くは個人向けの「お野菜セット」です。お野菜セットも隔週、毎週、それぞれS,M,Lサイズがあります。そして、隔週Sサイズの中にもグループが別れているため、その細かいグループごとに仕分けをします。また、法人のお客さんへの卸もしているので、お客さんごとの仕分けをします。
④箱詰め、出荷
そして最後にそれらのやさいを段ボールに箱詰めして、それぞれのお野菜説明書、納品書を入れて出荷していきます
5年半の道のり
1年目(1日180件)
すべてがはじめて、すべてのやさいにワクワク。
オフィスは九条にあった。
1日200件ぐらいで、「出荷場せますぎる」となり、オフィスを五条に引っ越し。
出荷場が4,5倍の広さになって、めちゃくちゃ歩く歩く・・・
引っ越し後は思ってたオペレーションが非効率になって、いろんなやり方にチャレンジしてみる。
2年目(1日250ぐらい?)
またこのやさいの季節がきたね、季節が巡ってきたね、を感じる。
出荷日はまだ週4日しかなかった。
年の後半あたりから、出荷のことはほぼ任されるようになる。
3年目(1日3,400ぐらい?)
いちばん落ち着いていたかもしれない。
当日のやさいのデータの変更もするようになる。
出荷日が週5日に増えた?
4年目(1日400件ぐらい?→一気に700件)
コロナ元年。いちばんがんばった。
3月後半から忙しくなる。毎日の出荷増の量がハンパない・・・
出荷のせいで注文止めるのはしたくない、でもいろいろ整ってなさすぎる、の間でいろいろ苦しかった。
ダンボール置き場を別途作ってもらったり、新しい冷蔵庫レンタルしたり、毎日面接して、毎日採用して、毎日新しい人が入ってくる、で心折れて泣いた。
5年目〜(1日1000件)
五条に引っ越してきたときはとても広かったのに、いつの間にか出荷場が手狭に。オフィス引っ越しで十条へ。
五条の出荷場の4,5倍ぐらい?めちゃくちゃ歩く歩く・・・
レーン導入、せいかんき導入。
引っ越し後オペレーション整ってない時期に、お客さんも増えて大変だった。。。
さまざまな業務を他の人にも引き継ぐようになる。
やってきたこと
・毎日の出荷作業
野菜のことをたくさん見る、検品、調整、農家さんに依頼したいことを生産者窓口チームに依頼。個人、法人の箱詰め。入庫、棚卸し。全部!
・オペレーション改善、効率化
ここの棚はここに置いた方がいい。というような、出荷場の配置の細々したこと。仕分け表は、こうしたほうが見やすいし、間違いも起きづらい。というようなITチームとの連携。急激に件数が上がったとき、引っ越し後などの大きなオペレーション変えることから、毎日の細々した改善まで、全部!
・教育、採用、シフト作る、みんなと仲良くする
いちばんテキトウで、あまり得意でなかった気がする。とはいえ、100人以上の人と出荷場で働いてきたので、最低限の関わり方とか、一緒に働くということはやってきた。
・他部署とのやりとり、相談、連携
他のチームとのやりとり、こちらからお願いすることもあるし、お願いされることもある。全て、いいよ、と受け入れるのは違うので、コストになることは、要相談。わがままたくさん聞いてもらいました。でもその分、できることも引き受けた!
・他部署のタスク巻きとり
出荷チームだけ見てたらやらなくてもいいし、出荷チームの仕事しか理解してなかったらできないこと。だけど、会社全体を見た時にやったほうがいいだろうなあ〜ということを提案してやってきた。
(でもこういうのって、かえって自分たちのチームのためにもなっていたりする)
ex)出荷→経理→出荷だったタスクを「出荷」だけで完結させるようにする
ex)前日に出荷事務さんが半日以上かけて準備にしていた業務を、引っ越し後の改善によって1,2時間にした
考えていたいこと
直近5年半のやさいは、ほぼ見てきました。
坂ノ途中では、2,300件以上の取引農家さんの3,400種類のやさいを扱っています。農家さんも多いし、やさいの種類もとにかく多い!!!
いまの季節なら「なす」だけで一日に10件前後の農家さんから買っているし、「なす」って言っても、「長ナス」「白ナス」「翡翠ナス」「水ナス」・・・といろんなナスがあります。
でもずっといると、やさいの荷姿を見て、これは〇〇さんのナスだ、とか、このキクナは立派で肉厚だから〇〇さんだ、となんとなくわかってきます。(だれのお野菜か当てるゲームを社内でしたら一番になる自信ある!やりたい!)
同じように、この時期の果菜類は尻ぐされに注意するとか、きゅうりと四葉きゅうりは、いぼいぼ加減が違うから注意するとか、そろそろここの地域のこのお野菜、取引終えたほうがいいんじゃない?みたいなことも分かるようになったり。
農家さんのことを考えたら出荷したいけど、でもお客さんの気持ちになったらこの野菜はうれしくないな、とか。
もっと大きな農家さんから一気に買ってしまえば出荷もめちゃくちゃラクなのに、こんなに細々細々買って・・・いや、でもそれをしたらうちのやりたいことではないな、とか。
去年よりも、野菜の品質良くなってる!去年より出荷量増えてる!ちゃんと買えててうれしい!とか、そんなことを考えていたりしました。
でもやさいだけを見てるだけが仕事じゃないので、それをどうやって出荷するか、どうやって効率的にしていくかも常に考えていました。
件数が増えてもいまの人数でできるためにはどうしたらいいのか。
このスペースを最大限に活用するにはどうしたらいいのか。
お客さんへのサービスとしてはやったほうがいいのかもしれないけど、本当にそれってやるべきこと?これを共有したら農家さんはうれしいかな。など。
生産者さんと、お客さんの間にいるからこその葛藤はあったし、会社の役割の中でもいちばん商品を見れる=責任あるポジションだったかなと思います。表立ってわかりやすい言葉で何かをした!っていう説明はむずかしいけれど、5年半縁の下の力持ちとして、会社の成長を支え続けてきたと思っています。
関わってきた全てのみなさん
たくさんの人に関わってもらいました!
一緒に出荷で働いてくれたみなさん
お世話もしたけど、たくさんお世話してもらったし、いろいろやりずいことがあってごめんなさい!
一緒にお野菜を届けてくれてありがとうございます。
会社のみんな
他のチームの成長があったからこそ、前に進んだこともたくさんあります。いろいろとわがままも聞いてもらったと思ってます、ごめんなさい。
入社当時はチームなんてものはなかったけど、だんだんと人が増えるにしたがってチームっぽくなってきました。
「これを改善してほしい。農家さんに連絡してほしい」と言って投げたボールもスルーされがちでしたが(笑)
今では全て受け止めてくれる体制だからこそ、やさいの品質も上がったし、出荷からの細々な依頼も激減したなと感じています。
会社のみんなすごい!ありがとうございます。
農家さんも、本当にいつもお野菜ありがとうございます!
直接のやりとりはできていませんでしたが、毎日責任を持ってお野菜出荷してました。挑戦的な農家さんも多いので、ずっといても、いつもいつも見たことない野菜が出てきたり、品質も量も増えてるなあ〜って目に見えてみれるのがうれしかったです。
ダンボールに絵を書いてくれたり、おまけを入れてくれるのも、1番に見つけ出すのは出荷の仕事なのでうれしかったです(笑)出荷の特権!
がんばってgogreen休暇取るので、畑に遊びに行かせてください!
お客さんも、本当にいつもご注文いただきありがとうございます!
検品不足で不具合なお野菜が届いてしまったらすみません。
一つ一つ検品しているのですが、どうしても見逃してしまったり、輸送中に傷んでしまったものもあるかもしれません。すみません。
けれど、やさいは生き物なので、ブレがあるので、それらも頭の片隅に置いておいてもらえたらうれしいです。農家さんも、出荷のみんなも不具合な野菜を届けたいとは思っていません。
引き続き検品強化はします。
なによりも、坂ノ途中を選んでもらって、お野菜をたのしんでもらえてとてもうれしく思ってます。直接のやりとりはできていませんが、SNSを見て届いた野菜を見る度に、ちゃんと届いているんだな、今日もがんばって、ていねいに出荷しよう!って思えてました。
そんな感じで、会社のみんなにも感謝できるし
農家さんへも毎日お野菜ありがとうございますって思ったり
お客さんのSNSを見て、ありがとうございますって思ったり、みんなの感謝溢れる立ち位置にいれた5年半だったなと思っています。
次は、はんそくチームへ
割と頑張りました。結構がんばった!
よい会社っぽく言われがちですが、やっぱり中にいれば大変です。直近の数年はまだ会社としても整ってきましたが、はじめの頃はよくあんな体制でやっていたな〜(遠い目)と思います。
1年目は、上司というかそんな人がいたけれど、2年目の半分あたり〜5年目ぐらいまではほぼ1人で仕切ってやってました。4年目半分、5年目ぐらいからやっと出荷もチームぽくなってきました。
そして、そんな出荷を終えて、8月からはんそくチームになっています。
業務を全部わかっていた状態から、全部わからない状態になっているので、なんだか新鮮な気持ちで、仕事にもまだ慣れず、言われたことやらずに怒られたりしてます(笑)新鮮!
まあそれも仕方ないので、ぼちぼち頑張って早く即戦力になります(笑)
ちなみに!加工品や日配品をめちゃくちゃ探してます!わたし選びます!わたし売ります!ので、なにかいいモノあればご連絡いただけたらうれしいです!(笑)
これから気持ち新たにしてがんばります〜
出荷で働けて楽しかったです!
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