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[プチ読書] 世界史の構造的理解 / 長沼伸一郎 著 ~第一章 まで読了~
経済学や数学の名著でも有名な物理学者の長沼さんが、世界史の本を出したとなると、これはもう読まないわけにはいかない。
まだ、その「経済学の名著」の方、「現代経済学の直感的方法」を読み終えていないけども、並行して読み始めたのがこちら。「世界史の構造的理解」。
まだ第1章を読み終えたばかりなのだけども、
過去の思想の古典のなかから、現代の大衆社会を正確に予言していたものを選び出し、それを物理の視点で抽象化してさらに未来に延長する
というアプローチからして刺激的だし、信頼がおける。
加えて、各国の組織の力について言及するパートにおいても、
戦略の原則では一般的に、組織の力を「戦闘力と戦略力の積」として考える(中略)「戦闘力」とは図体の大きさや兵力・練度など、純然たる体力面での力を指し、一方後者の「戦略力」というのは、優れた戦略によって優位なポジションを得るなどの知的な力を指す
というように、論拠を根本から丁寧に組み上げていて美しい。
第一章を読んだだけでも既に、国難の折に「理数系武士団」が国を先導したという仮説で、わたしの中高生で習ったような世界史観(あるいは世界史における日本観)は吹き飛ばされ、アップデートされた。
第二章以降も、読み進めるのが楽しみだ。
出典
Cover photo by Dan Cristian Pădureț on Unsplash
参考
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