miniguchi

「日記に書く」以外の選択肢として

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  • スコットランド留学の記録

    2024年9月~25年6月までの、スコットランド・エディンバラ大学への留学の記録

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想像力の押しつけ

みんな、自分の人生以外は生きられないから 本当の意味で他者に共感できることは本当に少ない その隙間を埋めるのが「想像力」 個人間の人間関係でも、ジェンダー問題でも、その他諸々の社会問題でも、 完璧に同期することが無理なのは知ってる それでも、自分じゃない「誰か」の辛さ・しんどさ・嬉しさ・悲しさを少しでも理解しようとする姿勢には「想像力」が欠かせない その想像力をひねり出すモチベーションにも色々あって ・その人を大事にしたいから ・自分にはその責任があると思うから

    • Name Surname was here

      この街に合う曲が無いんじゃなくて ただ、僕が前と上を向いていなかっただけだった ただ、靴と道を眺め過ぎていただけだった 見上げた先には 気分次第でどんな曲も当てはまる景色が広がっていた そんなことに気が付けたことは喜ばしいことなんだけど 「気分次第」ってのが少しやっかいな要素なのだ 朝は、小さいトンネルから太陽の下に出てくるタイミングで、 「ルージュの伝言」の始まりに笑顔が溢れたのに 気分は身体の状態に大きく依拠する 人に挟まれ、痰の絡んだ咳に囲まれて

      • エディンバラ留学#2能動的に「落ち着く」こと

        エディンバラに着いてから、5日が経った。 え、まだ5日なん、マジか。 5日なんて、夏休み中だったら体感2日くらいで溶かせるじゃん。「着いてから、はや〇日が過ぎた」的な雰囲気で書くつもりだったんだけど。まだ5日か、少し無理あるな。 って書いてから色々してたら、もう6日目の夜になっちゃった。 あれ、もう慣れちゃったかも。いやそんなはずは・・・? この街は本当にすごい。建物や石畳の道など美しい街並みを歩くだけで、街に満ちた「歴史」に自分も包み込まれていくような感覚が得られ

        • エディンバラ留学#1到着、エディンバラ!

          9月6日10時 日本出発 両親やパートナーが見送ってくれた成田空港。 両親は僕の荷物の預けが済むと、そそくさと帰った。これから二人で温泉に行くらしい。20年以上ぶりの、「二人暮らし」は二人にとっても楽しみなものなんだろうな。見ていてなんだか嬉しい気持ちになった。 「楽しみ」と「ワクワク」と「怖さ」と「不安」と「寂しさ」が0.5秒間隔で心の中をローテーションしてくる。何とも忙しい心と共に、とりあえず最後の一緒の時間をできるだけ「いつも通り」に過ごす。 「もう会わない」

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        想像力の押しつけ

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          エディンバラ留学#0え~、緊張するかも。わからん。

          今は2024年9月5日の夜中。 いや、上の写真設定してるうちにもう6日になった。 パッキングは結局今日のギリギリにようやっと完了した。キャリーバッグはもう破裂寸前。寮に着くまで絶対に開けれない。 ちなみにこの写真の時から何も減らしていない。ぬいぐるみは多分別人になって出てくる。そしてウクレレは多分折れている。 硬い素材のキャリーバッグのはずなのに、横から見れば丸みを帯びている。こわ。 僕は明日から約9か月間、スコットランドのエディンバラ大学に留学をする。主専攻の政治

          エディンバラ留学#0え~、緊張するかも。わからん。

          人間関係における、感情の行き所

          あと3日で出国らしい。 その事実に対して、自分はこんな感じである。 未来への想像力と先を見越す力を落として生まれてきたので、多分そのせいなのだろう。 多分、向こうに着いて1週間してからようやっと、心臓バクバクで生きて、自分を責め続けて、自分の種々の文脈における「足りなさ」を呪うのだろう。 と、俯瞰して「そうは言っても準備できている」感のみを演出して済ませてしまうのも、何かもったいない気もする。 なので、留学の記録を定期的にこうして言語化して残しておきたいという目標

          人間関係における、感情の行き所

          おばあちゃんとスイカと虐殺と

          皮だけを残したスイカは 時間のあっけなさを伝えてくるようだけど、 笑顔に刻まれたしわが、温かく、優しく、そして冷酷に 時間の鈍い重みを教えてくれる。 しわの間にあるものと、そこから奪われたもの。 その線は、笑顔の通り道なのか、それとも僕らが付けた傷なのか。 その境目は思ったより曖昧なのかもしれない。 境目の揺らめきがスイカの模様みたいで 美しくて、恐ろしくて。 目を背けたくて、もっと見たくて。 ーーーーーーーーーー 何か新しいことを学んで考えるという行為

          おばあちゃんとスイカと虐殺と

          ただの整理整頓

          人の誕生日を覚えるのはとても苦手だ 自分のと、その五日前の姉のと、ハロウィンに生まれたやつのしか、この人類で誕生日を覚えていない。 だから、その3人以外は全く覚えてない。 でもふと見たら、LINEのアイコンが三角帽子を被っていた。 ということはつまり、今からちょうど一年前に、バカ山にカラスの羽が落ちていたということだ。 今からちょうど一年前、宗教社会学のテストがあったということだ。 ちょうど一年前の今日、唐突なチルの誘いに胸躍らせて適当にそのテストを終わらせて教室

          ただの整理整頓

          『残し方』 とか

          『残し方』 写真を壁に貼るのは あの日をここに留めておくためじゃなくて 壁から剥がれ落ちるのを見るため 続くことを心の底から願って ほんとにそうなる気がしてたその時間も 結局は過去でしかあり得なくて そんな当たり前のことに気付けるのは 帰ってきてふと 壁から落ちたその写真を見た時だけだから こうして言葉を並べるのも 表現するためじゃなくて 現在地を過去にするため 時間も、身体も、この心も有限であることを 忘れないために ーーー 『その人』 声

          『残し方』 とか

          自由意志は無いという信仰

          まずはそもそも自由意志って何だろう? これを考えるにはまず、「自由」とは何なのかを考えなくてはいけない。 自由とは、これまた抽象的な概念である。 そもそも日本語の「自由」には意味が二つあり、それを曖昧に我々は使い分けている。 1:何にも囚われていない状態の「自由」 freedom, liberty, ショーシャンクで主人公が雨の中噛み締めたアレ。 2:「おばあちゃんは体が不自由で腕が動かせない」という時の(不)自由 ここでの「自由」はどちらも包摂している気がする

          自由意志は無いという信仰

          「ここでは無いどこか」への眼差し

          「ここでは無いどこか」を見つめる眼差しには絶望と希望が入り交じる 今自分がいる場所への絶望と これから自分が目指す場所への希望 (ついでに、絶望できる・希望できるその特権性も) ここじゃない、「どこか」を 今じゃない、「いつか」を この人じゃない、「誰か」を これじゃない、「何か」を 孤独じゃない、「満たされ」を 変化じゃない、「これまで通り」を いつも通りじゃない、「新しさ」を 生じゃない、「死」を そんなの叶ってどうする 欲望は結局のところ誰かの

          「ここでは無いどこか」への眼差し

          花びら

          春が来たことを教えてくれるその花が 風にもがれて時の儚さの中に踊る 意外と規則的だな これなら掴めそう そうして高を括りながら手を伸ばしてみると、 風の流れと共に するりと花びらが手から逃げ落ちていく なんだかこの一連が人間臭くて 浅ましくて、恥ずかしいような 可愛らしくて、心地良いような そんな人間臭さが なんか好きだし、なんか嫌い 暖かく、もろくて、少し汚い人間らしさと 刺激的で、美しくて、効率的な何か 「ポストヒューマン」 とか呼ぶらしいそ

          人間とドーナツ

          霧と小雨の間にいる水滴たちを顔で押し分けて歩く いつなんでしょうか この、体のちょうど真ん中に空いた穴が埋まるのは もう、そこら辺の粘土で適当に埋めることはしたくないし 穴が開いてないフリも、もう出来ない もう一人が斜め後ろから囁くには、 いつなんでしょうか 人間は元からそういう形なんだと、心で理解できるようになるのは もしそれが答えなら、その答えはゴールじゃなくて長い道のりの開始地点 答えさえ分かればそれで良かった段階を、とうの昔に通り過ぎたことを今更思い

          人間とドーナツ

          寝てる

          最近はずっと寝ている バイトがある日はその時間ギリギリまで。 金が無いから、外に出る用事も殆ど作らない だから、ずっと寝ている 喫煙可の喫茶店に行くと絶対に喉と鼻が荒れる 今回もご多分に漏れず それに、イヤホンをつけ過ぎていたせいで プチ外耳炎になって常に耳の奥が痛い こうして、自分の部屋には寝るしかない理由だけが転がっているから寝ている 10時頃に起きた後ご飯を自分で作って食べて、 その後寝ている 起きたら大体16時~19時の間 そっからまた寝て、一日は終

          『モノの失くし方』

          みしまは、おとなで賢い男の子でした ある時から、みしまは泣くことを止めました 泣くなんて 何だか子供っぽくて意味のないことだし、 何よりカッコ悪いことだと思ったからです もちろん、泣くのを止めたからと言って 悲しかったり嫌なことが 起きない訳ではありません でも、そんな時でもみしまは泣きませんでした そしてその代わりに、みしまは考えました 何か泣きたくなるような事が起こるたびに、 みしまはたくさんあれこれ考えて 納得することを覚えました 友達とケンカし、絶交され

          『モノの失くし方』

          心に生まれる「何か」をどうにか消化するために 別の何かに昇華させることをある時覚えた。 そうしてふと気が付いたら 感情の、ぐにゃぐにゃ毛むくじゃらな「原型」そのまんまの姿を見つめて、向き合って、抱きしめて、共に生きて行く方法はすっかり忘れていた。 なんたる貧しさだろう

          心に生まれる「何か」をどうにか消化するために 別の何かに昇華させることをある時覚えた。 そうしてふと気が付いたら 感情の、ぐにゃぐにゃ毛むくじゃらな「原型」そのまんまの姿を見つめて、向き合って、抱きしめて、共に生きて行く方法はすっかり忘れていた。 なんたる貧しさだろう