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ドイツ兵がきたのよ

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皆が集まるのは木曜日

もう目が悪かったり、腕が動かなくって織物を織れないお婆さんも中にはいる。

それでも週に一度 ここ織物小屋にやって来る。

人が集まると昔の話に花が咲く。

私はそんな話を聞きながら 想像をふくらます。


たまたま戦争の話になった。

スウェーデンは第二次世界対戦に参加せず中立国だった事は有名な話だ。だから私はてっきり世界が戦争でも、この国は平和に生活していたのだと思っていた。

しかし話を聞いているとそうでもなさそうだ。

"私の母が私を妊娠しているときに、近くの農場を手伝っていたのだけど、ドイツ兵が来てはミルクや食料を奪っていったそう。母達は怖くてなにもできず、ただ見ているしかなかったと"

"わたしの父は当時なぜか兵役で南に駆り出されていたらしいわ。かわりに南の兵役の人が北に訓練しにきてたし。良くわからない制度よね"

"私の家の向こう側に 連なった家々があるでしょ。あれは昔 兵隊さん達をかくまっていた場所なの。 今は難民施設になってるけどね。"

"今と違って貧しかったから、飼っていたウサギが帽子になってた時は流石に親を恨んだよ あ、もちろん当時は食用だったのよね。ウサギはすぐ増えるから。。"

お婆さん達の記憶の扉

私の知らない世界

こういう話は聞けるうちに沢山聞いておきたい。

だから今日は。聞いたことを忘れないうちに書き留めておこう。







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