ミネルヴァ書房   学問の街・京都から教養をひらく

1948(昭和23)年創業、今年で77年目。読書人のために時代を超えた教養と好奇心を届ける出版社。ローマ神話の女神・ミネルヴァに寄りそうフクロウがトレードマークです。いろいろな情報を発信していきます。

ミネルヴァ書房   学問の街・京都から教養をひらく

1948(昭和23)年創業、今年で77年目。読書人のために時代を超えた教養と好奇心を届ける出版社。ローマ神話の女神・ミネルヴァに寄りそうフクロウがトレードマークです。いろいろな情報を発信していきます。

最近の記事

蘇我氏四代の復権と再評価   遠山美都男

◆蘇我氏が「悪臣」とされた理由 蘇我氏が稀代の「悪臣」「逆臣」とのレッテルを貼られ、それがこれまで殆ど疑われてこなかったのは一体どうしてだろう。それは、二代目の馬子が崇峻天皇を暗殺し、厩戸皇子(聖徳太子)と敵対したとされることもさりながら、やはり蝦夷・入鹿父子が天皇家を乗っ取ろうとしたと言われることがその主因をなしていると思われる。  六四五年六月十二日、入鹿は飛鳥板蓋宮で殺害されたが、その時に彼が発したとされる言葉が「臣、罪を知らず」だ。これが本当に入鹿の口から発せられ

    • 【イベント出展情報】11月23日(土)・24日(日)京都ブックサミットに出展します

      京都ブックサミットにミネルヴァ書房も出展いたします。 新刊書籍やこども向けの本など、2日間限り謝恩価格で販売する本のお祭り。 読み聞かせやビブリオバトルなどのステージイベントや移動図書館、出店、キッチンカーなど親子が一日中楽しめるイベントです。 出展日は11月23日(土)・24日(日) 京都駅そばの梅小路公園七条入口広場で500点以上の書籍を展示します。 当日は特別謝恩価格にて販売いたします。 ぜひお立ち寄りください。

      • 今月のフクロウ 2024年11月のおすすめ書籍(本文一部公開)

        ビートルズ vs. ストーンズ 60年代ロックの政治文化史』ジョン・ミクミライアン 著 梅崎 透 訳 ロックの黄金時代とされる60年代において双璧をなしたビートルズとローリング・ストーンズ。両者は良き友人だったのか、それとも油断ならぬライバルだったのか。本書は気鋭の歴史学者がこれまで注目されることの少なかったアングラ新聞や大衆誌を含む膨大な史料を渉猟し、同時代の政治文化や勃興しつつあるポピュラー音楽業界のなかで両者の関係がいかに変容していったかを、確かな実証に基づき生き生き

        • 【学会出展情報】11月9日(土)10日(日)第97回日本社会学会@京都産業大学に出展します

          第97回日本社会学会大会にミネルヴァ書房も出展いたします。 出展日は11月9日(土)10日(日) 会場の京都産業大学 雄飛館3Fラーニングコモンズにて、 9日は9時から18時まで、10日は9時から15時まで販売いたします。 当日は、シリーズ完結にあわせテーマセッションも行われる金子勇・吉原直樹代表編者「シリーズ・現代社会学の継承と発展」全6巻、ナン・リン/カレン・クック/ロナルド・S・バート編著 渡辺深訳『ネットワークとしてのソーシャル・キャピタル』など、書店に並ぶ前の新

          若き日の井伏鱒二に焦点をあてる   滝口明祥

          ♦「タイパ」の時代に抗して  近年、「タイパ」ということがよく言われるようだ。タイムパフォーマンスの略であり、時間を効率よく使うことを重視する際に使われる言葉であるらしい。短い時間で大きな成果があげられれば「タイパ」がいい、というわけだ。現代とは、より早く、より多くのことをこなすことが求められる時代ということなのだろう。おそらく「タイパ」を重視する人々にとっては、「二年間うつかり」していたために岩屋に閉じ込められてしまった山椒魚のような存在は、嘲笑の対象でしかないに違いない

          若き日の井伏鱒二に焦点をあてる   滝口明祥

          【学会出展情報】10月27日 日本社会福祉学会@日本福祉大学に出展します

          第72回日本社会福祉学会秋季大会にミネルヴァ書房も出展いたします。 出展日は10月27日。 会場の日本福祉大学 東海キャンパスの2Fラウンジにて、 9時頃から15時半まで販売いたします。 当日は、『新しい地域福祉の「かたち」をつくる』や『文化としての保護司制度』など、書店に並ぶ前の新刊を含めて100点以上の書籍を展示・販売をいたします。 ぜひお立ち寄りください。

          【学会出展情報】10月27日 日本社会福祉学会@日本福祉大学に出展します

          明智光秀と一族家臣の謎に迫る   小和田哲男

          ◆最近の信長研究の動向を踏まえて  明智光秀については、出生地だけでなく、生年、父親の名前も諸説があり、歴史的に有名な武将の割に謎が多い。室町時代、美濃国の守護だった土岐氏の分かれの明智氏であることは確実とされているが、その明智氏のどこに位置づけられるかについては不明な部分が多い。  しかし、そのような光秀が、織田信長に仕えるようになってから、みるみる頭角を現わしたことは事実で、信長の、譜代門閥主義でない、能力本位の人材抜擢のおかげで世に出ることになった。その点は、同じよ

          明智光秀と一族家臣の謎に迫る   小和田哲男

          【イベント報告】『安部公房』刊行記念トークセッション 鳥羽耕史×石井岳龍(10月1日@ジュンク堂書店池袋本店)

          『安部公房 消しゴムで書く』刊行記念 安部公房生誕100年企画 3回連続トークセッション ABE工房(KOBO)への誘い 第一弾「映画篇」 10月1日ジュンク堂書店池袋本店にて、『安部公房 消しゴムで書く』の刊行を記念いたしまして、著者の鳥羽耕史先生と、映画「箱男」の監督である石井岳龍監督のトークセッションが行われました。 『ABE工房(KOBO)への誘い 第一弾「映画篇」』ということで、安部公房が関わった映画やTVドラマについて振り返りながら、石井岳龍監督の最新作『箱男

          【イベント報告】『安部公房』刊行記念トークセッション 鳥羽耕史×石井岳龍(10月1日@ジュンク堂書店池袋本店)

          今月のフクロウ 2024年10月のおすすめ書籍(本文一部公開)

          『九楊自伝 未知への歩行』 石川九楊 著 書家・評論家、石川九楊。その生涯はいかなるものだったのか。幼少期の書との触れあい、上京し大学で出会った社会との終わりなき闘い。そのなかでの恋愛・結婚、そして会社員と書家との二重生活……。書家としての表現の模索と更新、そして〈書く〉ことを〈筆蝕〉の芸術と位置付けた思想家としての苦悩と葛藤、そして多くの人たちとの出会い・触れあい・分かれ。狂瀾怒濤の時代を生き今なお歩み続けるその人生を余すところなく描き切る。 【本文一部公開】第一章 い

          今月のフクロウ 2024年10月のおすすめ書籍(本文一部公開)

          「消しゴム」の跡をたどって   鳥羽耕史

            ◆生の痕跡  私が安部公房作品と出会ったのは中学生の頃だと思う。紀伊國屋書店新宿本店で、なぜか新刊でもない『壁』が面陳になっていたように記憶している。それまで愛読していた小松左京などのSFとも違う世界にはまり、『終りし道の標べに』などの新潮文庫を次々と読んでいった。『方舟さくら丸』が出たのが高校一年の一一月で、やはり紀伊國屋書店で開かれたサイン会のために学校をサボるか真剣に悩んだ末サイン会を断念したことを覚えている。北海道大学に進学し、卒業論文では公房のノート形式の小説

          「消しゴム」の跡をたどって   鳥羽耕史

          こんにちは、ミネルヴァ書房です。 今日からnoteをはじめます

          こんにちは、ミネルヴァ書房と申します。大学と学問の街・京都にある人文・社会科学の学術書の出版社です。創業は 1948(昭和23)年、今年で77年目です。 社名の由来は、ローマ神話に登場する知恵や教養の女神・ミネルヴァ。そのかたわらにいるフクロウがトレードマークです。 これから月に何度か、わたしたちの本への思いをお伝えしていきます。本が紡ぎ出すちょっと知的な生活——昨日と違うちょっと豊かな明日をつくるお手伝いができればと願っています。 また、毎月刊行しているPR誌『ミネルヴ

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