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かたまりだったなまけ者

先月「なまけ者のさとり方」の抜粋コピーを発見したのが気になり、Amazonで本を購入した。


悩みまくってドロドロだった若き日の私に、今泉郁子さんという方が貸してくれた本。当時は読んでもまったくわからず興味が持てなくて「読めなかったのでお返しします」と返しに行ったら、「大事な部分だけコピーするので、ちょっと待ってて」とコピーを渡してくださった。その紙が掃除してたら出てきたのだ。

そのコピー用紙を見て、今泉さんが私に伝えようとしてくれたことを感じたくて本を取り寄せた。地湧社。見たことない出版社。本の中に出版物リストが書かれてた。


地湧社の本リスト

シャーリー・マクレーン著、パウロ・コエーリョ著、山川紘矢・山川亜希子訳。わかる人にはわかるラインナップ。その系統だなぁというだけでスピリチュアルが悪い訳ではない。

それはさておき「なまけ者のさとり方」を読んでみた。

コレは当時の私では理解できないだろう。読んでみたけどわけわからんくて投げ出した気持ちもわかる。だけど今の私には内容がスラスラと入ってくるし、よく理解できた。この本をどう説明したらいいかわからないけど「なまけ者のさとり方」というタイトルは秀逸だと思った。

スピリチュアルというと、本来の意味から離れてふわふわした感じがするので「霊性」と書こう。人間は霊長類であり、霊性というものに長けている。動物にも霊性はあると思うが、たぶん人間の霊性は突出してると思う。言葉や科学では説明できない力があるし、偶然では片付けられない出来事が起こったりもする。「なまけ者のさとり方」は、この霊性に興味がある人は読むと面白いかも知れない。そこに興味がなければまったく意味がわからない本だろう。

例えばこんな感じ。

一つひとつの生きものの基本的な営みは、拡張することと収縮することです。広がることと縮むこと、と言ってもよいでしょう。拡張した生き物は「スペース」となって四方に浸透してゆきます。収縮した生き物は濃縮し、「かたまり」になります。私達は個人としてもグループとしても「スペース」「エネルギー」「かたまり」のうちのどれかになって見えます。そしてそれは、私達が自分で選んだ拡張と収縮の割合によって決まってきます。また、その時にどんなバイブレーション(振動波)を私達が出しているかによっても決まってくるのです。それぞれの生き物は自らバイブレーションを、自分でコントロールできるのです

「なまけ者のさとり方」P14

今の私はコレを読んで「わかるわかる!」って思った。でも、これは伝わらない人にはまったく伝わらんやつ。理解できる私が偉いとか賢いとかではない。私はこの「エネルギー」「かたまり」状態を経験したからよくわかったのだ。「スペース」状態はあるようなないような。ハッキリした感覚ではないけど、謎のスイッチON状態の私は「スペース」に当たる気もした。

「かたまり」状態だった期間が長くて、今は抜け出せてきてるのでよく理解できるんじゃないかな? 逆に「かたまり」状態を体験してないとこの内容の真意が理解できない気もする。

人は収縮しきっていると、かたまりとなり、完全に内にこもってしまいます。収縮すればするほど、彼は他の人と同じスペースを共有することができなくなります。そして、恐れ、痛み、無感動、憎しみ、悪意、その他ありとあらゆる否定的な感情を経験するのです。極端な場合は、完全に気が狂ったように感じ、あらゆる人、あらゆるものに抵抗し、自分の意識をまったくコントロールできないような気持になってしまいます。もちろん、こうした感情はかたまりレベルのバイブレーション特有のもので、彼がそこから広がり、自分の考えや、見たり感じたりしていることにさからうのをやめさえすれば、いつでもその状態から抜け出せるのです。

「なまけ者のさとり方」 P16

他の人があなたに何をしようと、あなたに起こることは、あなたの責任です。外部のいかなる事柄も、あなたの感情や体験を左右することは絶対にありません。あなたの人生の体験は、あなたのバイブレーションに百パーセント支配されているのです。バイブレーションが送ってくる情報と、その情報に対する反応の仕方によって、あなたの人生は決まります。
あなたのバイブレーションが低ければ低いほど、あなたの人生は不愉快なものになります。人と対立し、イライラし、苦痛に満ちた人生になってしまうでしょう。そして、すべての物事は突然、何の前触れもなく起こってくるように見えて、あなたにはどうにも手のほどこしようがなく感じられるのです。そのくせ、どこにも出口が見つけられないので、時間は耐え難いほど長く感じられるでしょう。
しかし、もし、あなたが自分のバイブレーションを高めさえすれば、いつでも問題(精神的にも肉体的にも)を上手に避けられるようになって、世界が文字通り、よい方向へと変わってくるのです。愛は最も強力な魔法なのです。
地獄さえも愛することができるようになれば、あなたはもう、天国に住んでいるのです

「なまけ者のさとり方」 P80-81

まさかのバイブス!! でもバイブレーションだとわかりにくいかも? その人が発してるもの、波長とか、そんな感じがわかりやすいかな。波長が合う人、合わない人っているやないですか。「この人、いい人なんだろうけど、何か合わない感じがする」とか。たぶんバイブスがもっとも低いのが自分を愛してない状態なんだと思う。自分を責めたり卑下したりして自己嫌悪ばかりしてるとか、我慢して不満を溜めまくってる状態がバイブレーション低い「かたまり」なんだろうな。そう理解すると納得できる。

私は10代から「かたまり」の状態に居ることが多かった。ずっとという訳でもないけど長いこと「かたまり」でいた。本に書かれていたように収縮すればするほど否定的な感情を味わった。逆にそこから抜け出せるようにアクシデントに合うことがあるのかもしれない。

ある時私は尊敬して信用していた30歳上の男性に襲われた。驚きと恐怖で抵抗ができなくて受け入れてしまった。本当は悲しみや嫌悪感があったはずなのに、感じないようにして「お世話になっていたし…」などとと言い聞かせて過ごしていた。すると不思議なことが起こった。

職場の住み込み部屋で寝てたら知らない男性が部屋のドアを開けてこちらを見ていた。浜辺に女子だけでテント張って寝てたら、突然知らない男性がテントに入ってきて私の隣で寝出した。イベント出店のテントで寝てたら、気がつくとテントの中に知らない男性が立ってた。すべて事なきを得たが、これはさすがにおかしいと思った。私が、というか私が封じている感情や潜在意識みたいなものが呼び寄せてる気がした。そこからやっと私は自分の感情や意識に注意を向けるようになれた。感情を感じるということがわからないところから始めた。感情を揺さぶる出来事がある度に逃げたくなりがらひたすら感じた。自分が思っている以上に感情は出ていても、私の頭が理解できずに受け入れられないこともあった。どんな感情も否定しない。怒りや恐れも感じ切る。感情はまだまだ丁寧に受け入れているところだけど、それを書けるところまでこれた。

本当はこんなことは書かない方がいいのかもしれない。だけど誰かの役に立つなら生きてる内に全出ししたい。それで救われる人が居るなら経験は価値に変わる。「かたまり」の極地から、ここまでこれたのだから。

今泉さんは私が「かたまり」状態なのを気づいて、この本を貸してくれたんだと思う。そして今泉さんが私に伝えたかったのはコレだったんだと理解できた。

まず、あなたのネガティブな感情を愛してあげるところから始めて下さい。退屈だったり、鈍感だったり、絶望的だったりする自分を愛するのです。信じ難いかもしれませんが、あなたの頭の中を変えても、あなたのバイブレーションには何の変化も起こりません。
考え方や、信仰や信条や、行いや住所や友達を変えても、意識を広げるためには、すべて無駄なことです。あなたが現在のような状況にいるのは、偶然でも気まぐれでもありません。だから、そんなものを変える前に、あなたの態度を正すべきなのです。そうでないと、いつまでたっても、あなたはうまくゆく場所を追い求めてばかりいて、至福の大海原の真っ只中にいても、それに気づくことができないのです。

「なまけ者のさとり方」 P49-50



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よしだみねこ
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