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風邪は体内を通り過ぎる台風

久しぶりに風邪をひいた。

木曜日の仕事帰りから怪しかった。帰ってから風治散を飲んで寝たので大丈夫かなと思ってた。

本格化したのは金曜日。朝は平気だったのに、仕事が終わる頃には咳が出だして家に着いたらすぐ横になって、食事の前には漢方の金羚感冒錠を飲んで様子を見た。インフルエンザみたいに高熱は出ないけど完全に風邪。職場で嘔吐発熱した利用者さんがいたし、少し寝不足が続いて私の免疫力が落ちてたからだろう。完全に風邪をひいた時はすぐ分かる。風邪の菌? ウイルスが体内に居る感覚が分かるのだ。体内にいる風邪は私の体内に居場所を変えて駆け巡る。

最初に寒気や扁桃腺の腫れ、次に頭痛や咳がくる。その後に発熱や胃腸の不調、最後に鼻水や痰が出るのが私のよくある風邪パターン。今回は主に頭痛と倦怠感が強かった。風邪をひくと、いつも風邪は体内を通り過ぎる台風みたいだなと思う。

本当はこの土日、淡路島に行くつもりだった。

お世話になった淡路島のゲストハウス花野が3月いっぱいで営業終了するので最後に泊まりに行く予定で、私のギターの先生Isa Guitarraさんのライブも淡路島のカフェバイオリンであった。

殴り書きの私の手帳

当日の早朝ギリギリまで迷ったけど、容態が悪化した場合に迷惑がかかるのは宿。恩返しどころか恩を仇で返すことになる。それに宿の女将は妊娠中。「風邪を移したらアカンやろ」とキャンセルを決めて予約していた各々に連絡を取り、「3月9日、有給とったのになぁ…」と思いながら寝た。

そうして有給を使った連休は身体を休める養生デーになった。日曜日にはだいぶよくなって、新しく買ったカーペットを敷いてみたり古い敷物を干したり掃除したりした。

新しいカーペット。めちゃくちゃお買い得で手に入った。

土曜日に届いた新しいスマホカバーに取り替えたりもした。

気に入ってたのでボロボロになるまで使った。
気にいるものを見つけないと買い換えらないタイプ。
新しいスマホケース。気に入ってる。

カーペットは気に入るものがなかなかなくて、冬場もずっとゴザっぽい敷物を何年も敷いていた。ギャッベとか素敵やなぁと思ったけど高価で買えないし、かと言って適当な安価なものを毎日見るのも嫌。そんな感じで敷物もスマホケースもずっと変えられなかったのを、たまたまときめくものが見つかってやっと変えたタイミング。旅から帰ってやるか…と思ってたけど、必然的に変えられた。

あと読みかけの本も読めた。

そろそろ返さないといけなかったし

ずいぶん前、たぶん去年の夏頃に図書館で予約した本が届いた。自分が予約してたことも忘れてたけど、読んだら今の自分にピッタリの本だった。

坂口さんが起承転結を決めずに思ったことをしゃべっているような本だった。「こうじゃないといけない」と思い込んでることを軽々とぶっ壊してくる。だけど書いてることは奇抜な訳ではなくて、とても自然。むしろ私は坂口さんのタイプに近いと思う。

「思った時に思ったことを書きたいからそうする」「原稿を依頼されると上手く書けない。こういうことを書いてくださいと言われると、まったく書けなくなる」「こう書かなくちゃいけないとルールを作ってしまうと全然書けない」「嫌なことからただ逃げたくなるとスランプにならずに鬱になる」「伝えたいこと、それがつまり今、この瞬間作りたいもの」「作品の良し悪しなど、ほとんどの人には理解できない」

本の中に書かれていたそれらの言葉に励まされた。ずっとダメなんだと思っていたような部分が肯定されて、私はこれでいいんだと思えた。私は評価や判断、競い合うとか勝ち負けとか、そういうのが昔から嫌いで、そういうのがあると一気にヤル気が無くなる。悔しいと思わせて頑張らせるみたいなやり方は本当にやめてほしい。一度そういうやり方の上司に面と向かって「あなたの時代は悔しいと思わせて頑張るのが主流だったかも知れないですけど、今は違うし、まして女の子はそういうやり方では伸びません。あなたのその言い方でどんだけ人が辞めてると思ってるんですか?」と言ったことがある。

そういう私は社会不適合な感じで一般社会でうまくいく訳がなく、若い頃は「なるべく人目に晒されないように息を潜めて生きなくては!」と思ったものだ。でも、どんなに世の中をうまく渡り合えない社会不適合の私でも「そんな私でいいんだ」と思うと安心して幸せな気持ちになる。

結局のところ、自分が幸せな気持ちで居るということが大事で、誰かに認められたり評価される以上に自分が心から楽しんで喜べることをやり続けられることが最上級の幸せなんだと思う。人からの評価や収益は、その渦中のおまけくらいのものなんだろうな。もちろんとってもありがたいことではあるけど、そこは目指さなくていいんだ。

養生して眠っていた時、夢うつつでこんなことが頭に浮かんだ。

現実は自分で作ってる。自分が思い込んだものが現実として見えてしまう。この風邪は、私の現実の置き換え期間。
どんなに人から思い込まされたことも信じたくないことは捨てていい。自分に都合よく信じたい未来、信じたいことを信じて世界を見る。信じて願って素直に生きる。

2024.3.10 夢うつつのメッセージ

淡路島に行けなかったのは残念だったけど、きっと必然。後回しにしようとしてたことも全部できた。気になっていた支払いも旅行後にしようとしてたんだけど、そういう小狡いことももうしちゃダメなんだな。

身体の中も、頭の中も、台風みたいにいろいろ吹き飛ばされて刷新されたような風邪。渦中は静かに過ごすしかできないけど、通り過ぎた後は少しずつ変わって馴染んでいく。

きっとそんな台風みたいな風邪だったんだと、自分に都合よく信じていよう。


気づいたら庭のユキヤナギがだいぶ開いてた

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