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なぜあなたの優しい気持ちはウザいのか?

「優しくしよう」という気持ちは邪魔になることがあります。

なぜならその「優しくしよう」はあなたの押し付けだからです。

「優しく」の定義は人それぞれ違います。あなたが思う「優しく」は隣の人からすれば「ウザい」ことかもしれません。

「優しくしよう」という気持ちが強い人、自分勝手な「優しく」に強く囚われている人は間違いなく嫌われます。

本人は「優しい気持ちで接しているのになぜ嫌われるの?」と理由がわからず・・・「恩を仇で返された」「優しくしてあげたのに」と怒りが生じます。

「○○してあげたのに」と愚痴を言う人があなたの周りにも1人はいませんか?

自分勝手な「優しく」に強く囚われている人です。世間一般ではそういう人を偽善者と呼びます。

そこで生じた怒りは恨みや憎しみに変わりやすい傾向があります。見返りを求める卑しい気持ちも拍車をかけ、陰でありもしない噂を流して貶めたり、SNSで悪口を書いたり、逆恨みするのです。


あなたの行動や言動が「優しいかどうか?」はあなたではなく相手が決めることです。

「優しくしよう」という気持ちに強く囚われるから、行動や言動が結果的に押し付けとなり相手が嫌がり、あなたも嫌な気持ちになるのです。見返りを求めるのもダメです。

必要なのは「優しくしよう」という気持ちではありません。(優しくしようという気持ちを持ってはいけないのではなく、囚われてはいけないということ)

「今ここ」で何が起きているのか?相手はどういう状態なのか?何を求めているのか?に気づいて見極め、それに相応しい行動や言動が必要なのです。
 
自分のことは置いといて相手のことだけを考えることです。もちろんこれを実践するのは簡単ではありません。私たちは常に何かに囚われているからです。

相手のことを考えているつもりでも、自分のことしか考えていないことが多々あります。そんな自分にも気づけるかどうか?

囚われが強くなるほど思考や物の見方が自分中心になります。視野が狭くなります。相手のことが意識に上がらず「どういう状態なのか?」も見えなくなるのです。

空気が読めない人や相手の気持ちがわからない人は、性格の問題ではなく囚われが強すぎることが原因かもしれません。

これでは良好な人間関係を築くことは無理でしょう。人間関係を良くしたいと望むのであれば、まずは自分自身と向き合って囚われていることに気づき、囚われを小さくするようにしなければいけません。

囚われが強い状態で傾聴やコミュニケーションを学ぶのは逆効果です。囚われを違う囚われで上書きしても、囚われがさらに強くなるだけです。よりウザい人になるのがオチでしょう。そんな人をいっぱい知っています。

中途半端に傾聴やカウンセリングテクニックを学んだ人の話し方や聴き方ががウザいのは、これが理由なのです。


「優しくしよう」という気持ちの囚われを小さくしていくと、人との接し方が良い意味で大きく変わります。特に何かを意識しなくても。

囚われが小さくなれば、相手の状態をクリアに認識することが出来るようになるため、その場に応じた行動や言動が無意識レベルで可能になります。

それは結果的に傾聴力やコミュニケーション力が上がることを意味し、きちんと目の前の相手と向き合えるようになるのです。

これを体系的にトレーニングしていくのがマインドフルネスをコミュニケーションに応用したワークです。

コロナ過前は、年に2回ほどマインドフル・コミュニケーションのワークショップを行っていました。

しかしコロナ過で密になってはいけないということ、難易度が高いため多くの人が理解できないことなどの要因がいくつか重なり、ここ数年は実施していませんでした。

なぜマインドフルネスが人間関係やコミュニケーションに応用できるのか?

理由は簡単です。

何度もお伝えしているように、人間関係やコミュニケーションを邪魔しているのが囚われだからです。囚われが強くなるほど人間関係のトラブルが生じやすくなります。

上辺だけの傾聴やコミュニケーションテクニックを学ぶことが、人間関係を良くする方法ではありません。

コミュニケーションのセミナーに参加しても、多くの人が人間関係を改善することが出来ないのは囚われを手放すトレーニングをしていないからです。

囚われを手放していく、囚われを小さくしていくことが人間関係を良くする第一歩となります。

マインドフルネスの瞑想や実践は、囚われを手放す訓練です。本気で取り組めば人間関係が良くなることなんて当たり前に起こります。

もちろん世間一般に広がっているリラックスや現実逃避を目的とした瞑想ではダメです。

プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。

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