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マインドフルネス瞑想における集中とは?

マインドフルネスの瞑想は一つのこと(対象)に没頭することではありません。

「呼吸以外は気になりませんでした」「呼吸に没頭することができました」これはマインドフルネスの瞑想としては間違いです。

マインドフルネスの瞑想は、「今ここ」で起きていること全てに気づくことです。「没頭」ではありません。

マインドフルネスの瞑想の基本は呼吸に集中します。

没頭ではなく正しく呼吸に集中していると次第にその集中が広がっていき、音や思考、身体の感覚にも自然に気づいていくのです。

その全てに同時に集中する、気づくことが、マインドフルネスの瞑想における集中です。

多くの人が考えている集中は「没頭」することを指していると思われます。

「一つのことに没頭すると他のことは気にならない」は「囚われているだけ」に過ぎないと見ることも出来ます。

もちろんこれが悪いということではありません。没頭することで仕事や勉強の効率や生産性が上がることもあるでしょう。没頭しなければいけない場面も多々あります。

しかしこれはマインドフルな状態ではありません。


セミナーなどで、参加者にマインドフルネスの瞑想をしてもらうと「呼吸にだけ集中できました」とドヤ顔で言う人がけっこういます。

残念ながらこれはマインドフルネスの瞑想がまったく出来ておらず、何かに囚われていただけなのです。気づきもありません。

導入段階では、対象にだけ集中することを行いますが、これは「没頭」とは違います。

ここで「集中」と「没頭」を混同してしまうと永遠にマインドフルネスの瞑想を実践することが不可能になります。

せいぜいリラックスする程度です。何度もお伝えしているようにマインドフルネスの瞑想はリラクゼーションではありません。リラックスしても心も脳も変わりません。

マインドフルネスの瞑想中に雑念が沸いてこないのは集中していない証拠です。雑念が沸いてこないのではなく、雑念に気づかなかったのです。雑念が湧いてこないのは悟っている人以外はありえません。

マインドフルネスの瞑想中に雑念が湧いてこないという人は、間違った取り組みをしていると認識してください。ヴィッパサナー瞑想も。

気づかなかったのは集中していなかったということです。思考やイメージなど、何かに囚われていたのです。

逆に言えば、対象に意識を向けることがあまり出来なくても、雑念がたくさん沸いていることに「その瞬間」に気づいているのであれば、マインドフルネスの瞑想が出来ていると言えます。


プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。

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