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【第3回】なぜサッカー日本代表はベスト8へ進めなかったのか?メンタル面からの考察。
この記事は、多くのアスリートをサポートしてきたメンタルトレーナーが心という視点から「なぜサッカー日本代表がベスト8に進めなかったのか?」の考察にチャレンジしています。
興味のある方は【第1回】【第2回】からお読みください。
【第1回】【第2回】なぜサッカー日本代表はベスト8へ進めなかったのか?メンタル面からの考察。はこちら
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日本代表はメンタル面の課題が大きい
サッカー日本代表がワールドカップでベスト8以上を狙うのであれば戦術や采配、技術やフィジカルなどサッカーの質以外に、メンタル面を強化する必要があります。
日本代表選手のメンタルは強豪国と比べると強いようには見えません。
コスタリカ戦やクロアチア戦ではリスクを回避するプレーが目立ちました。
もちろんリスクを回避するのは悪いことではありません。時間帯や状況によってリスクを回避しなければいけない場面は必ずあります。
しかし日本代表の選手達は、リスクを回避しなければいけない場面とリスクを取ってでも攻める場面があいまいだったように見えました。
そこをクリアにするには恐怖に囚われない、恐怖に打ち勝つメンタルが必要です。
恐怖に囚われてしまうと思考力や判断力は低下し、その時の状況を読むことが難しくなります。まずは囚われない力を養わないといけません。
囚われない力は一流選手には必ず備わっています。一流選手はサッカーが上手いだけではないのです。そして強いチームほどそういう選手を多く揃えているものです。
強い時のドイツなんかそうでした。残念ながら今大会のドイツはリスクを怖がり、横パスが目立ちましたが。
哲学があるとメンタルは強くなる?
メンタルを強くするにはどうすればいいのか?
緊張や不安、恐怖に囚われない、囚われてもすぐに手放す能力の訓練はもちろん必要ですが、もっと本質的な部分にも切り込まないといけません。
それは「なぜサッカーをするのか?」「サッカーとは何か?」といった哲学的な部分を追求することです。
日本代表の選手達のプレーを見る限り、哲学がないように感じます。あったとしても突き詰めて考えていないのではないでしょうか?
これは教育にも関係することで、ジュニア年代からサッカーの技術的なことだけなく、より本質的な部分を考える習慣を身に着ける必要があります。
メンタルの強さは土台となる「サッカーとは?」の哲学の上にくるものです。
土台が小さければ、どれだけメンタルトレーニングに取り組んでも残念ながら伸びしろは知れています。
考えが空回りする
日本代表はドイツ戦やスペイン戦のように型通りにやるべきことが決まっていれば、力を発揮する傾向にあります。
しかしコスタリカ戦やクロアチア戦のように、その場の状況に応じて自分達で切り開いていかないといけない場面に置かれると、考えが空回りして囚わることが多々あります。
もちろん展開を考えることは必要ですが、考えが空回りすると囚われを生み、パフォーマンスを大きく低下させます。日本代表の選手は以前から考え過ぎの囚われにハマることがとても多いのです。
この視点で見ても、ドイツやスペイン、クロアチアとはまだまだ差があるように感じます。彼らは考えが空回りすることなく、囚われを生じさせることもあまりありません。
特にスペインの選手の思考や判断はシンプルです。それは何も考えていないのではなく、考えを突き詰めた結果の末、シンプルになったということです。
そこには哲学的な土台があることが考えられますが、もしかしたら彼らに宗教があることも関係しているかもしれません。
サッカーに限らず、試合前に祈ったり瞑想する海外の選手は珍しくありません。祈りや瞑想は心を落ち着かせて自信を高める効果もあるからです。
スキルではなくメンタルの差
サッカーのスキルに関して言えば、日本と強豪国を比べてもそれほどの差はないでしょう。これは海外経験のある選手からも聞いたことがある話です。
今大会のドイツ代表やスペイン代表のパスのスピードやそれを止めるトラップは、日本よりもはるかに質が高いように見えました。
彼らは日本選手よりもスキルが高いんじゃないか?と思う人もいるでしょう。
しかし日本の選手も練習やプレッシャーのないところではあれくらいは出来るのですが、試合になると持てるスキルを発揮することが難しくなるのです。
これは技術ではなくメンタルの問題です。
日本代表の選手はプレスをかけられると、バタバタして落ち着きがないように見えませんか?
そこには「ミスしたらどうしよう」「奪われたらヤバい」という囚われが生じているからです。何度もお伝えしていますが、囚われはパフォーマンスを大きく低下させます。
思考力や判断力は低下し、身体も固くなります。その結果、持てる力をほとんど発揮できなくなるのです。サッカーに限らず真剣にスポーツに取り組んだことがある人であれば、このことがよくわかると思います。
違う意見を認めるとメンタルは強くなる
ここまで3回に渡って「心」という視点から今大会の日本代表の戦いぶりをを見てきましたが、一つの視点や見方として解釈してもらえるとありがたいです。
これが絶対に正しいというものではありません。というよりも絶対に正しいものはこの世にないでしょう。
同じ事象でも見る人によって感じることや思うことが違います。自分と違う意見や考えを目にした時に、自分が否定された気になる人がいますが、実はそれ自体が自分を変えるチャンスでもあるのです。
これはアスリートのメンタルトレーニングにも通じていて、自分と違う意見や考えを認めることが出来る選手ほど、メンタルが強くなっていきます。
もちろんこれはアスリートではない私たちも同じです。
自分の考えや物の見方に囚われているうちは、今の自分を超えることは不可能ですから。
プロフィール
西山 純一
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/
メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。
指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。
20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。
同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。
プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。
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