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心の動きに気づいて観察する
マインドフルネスは「心の動きに気づいて観察すること」を実践します。
「気づき(集中)」と「観察」を別々に取り組んだ方が良い(サマタを行ってからヴィッパサナーへ)と言う人もいますが、これまでの指導経験から「気づき」と「観察」は同時に取り組んだ方が良いと考えています。
どちらにしても「自分の心を観る」ことに変わりはありません。自分の心を観ることがマインドフルネスの実践なのです。
自分の内(心)ではなく外ばかりに意識を向けるのが現代人の悪いクセです。まずは自分の内側を観てしっかりと向き合うことです。
そこに取り組まないと今の自分を変えることは難しいでしょう。外側の情報に触れることがきっかけで変わることはありますが、変化は内側からしか起こりません。
自分の心の動きに気づかないまま放置すると、心はいつのまにか自分の意思とは無関係にあらゆるところに展開していきます。
お腹が空いたときは「お腹が空いた」とは考えず自動的に頭に「お腹が空いた」と浮かびます。
そして次に「何を食べようか?」と続くと思います。「カレーを食べようか」と浮かんだら
「どこで食べようか?」「誰と食べようか?」「それとも自分で作ろうか?」「冷蔵庫の中には何が残っていたかな?」とどんどん頭の中で膨らんでいきます。
これらの心の動きは自分の意思とは無関係に起こります。多くの場合は建設的に思考を重ねた結果ではありません。
こんな感じで私たちの頭の中は常にあっちに行ったり、こっちに来たりを繰り返しているのです。
「私は今、何を考えているのか?」と意識したり、何かの拍子で我に返らない限りはずっとこの状態です。
「お腹が空いた」の「連想」ならば別に問題はないでしょう。もちろん仕事や勉強してる時に「これ」が起きると集中力が下がりミスが起きやすくなるのでダメです。
ネガティブな連想ではどうでしょうか?
不安や怒り、恐れ、後悔や自己嫌悪など・・・これらに関する思考や言葉、イメージが自分の意思とは関係なく頭の中に湧き上がり、グルグルと展開し堂々巡り・・・
精神医学ではこれを反芻(はんすう)思考と呼んでいます。私は囚われと表現していますが。
ネガティブな反芻思考が起きているときは精神的にも気分的にもしんどいし、疲弊します。身体も。
必要以上の反芻思考がうつ病や不安障害の原因であることもわかっています。反芻思考が強いほどうつ病も重度になると言われています。
反芻思考は辞めようと思って辞めれるものではありません。
辞めようと思って辞めれるくらいなら誰もうつ病などになりません。逆に辞めようと思うほど反芻思考が強くなる傾向にあります。
反芻思考(囚われ)を辞める方法は、反芻思考を行っている「今ここ」の自分の心の動きに気づき観察することです。
心の動きに気づき反芻思考を否定せず、ありのままに観察することで、反芻思考は自然に収まっていきそのうちに消えていきます。
もちろんこれは簡単なことではありません。
「心の動きに気づき観察する」と文字で読むとすぐに出来そうな感覚ですが、実践するのは簡単ではありません。やったことがある人であればわかるはずです。
気づくだけ、観察する(観る)だけであれば、まだ出来るかもしれませんが「否定せずにありのままに」という条件が付くと一気に困難になります。
それでもマインドフルネスの瞑想や実践をコツコツ継続していくと「否定せずにありのままに」を体現できるようになります。
「心の動きに気づき観察する」は概念ではなく、身に着けるものです。繰り返し実践して身体で覚えるものなのです。
プロフィール
西山 純一
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/
メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。
指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。
20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。
同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。
プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。