養魚秘録『海を拓く安戸池』(33)~種苗~
野網 和三郎 著
(33)~種苗~
ハマチの種苗について、昭和初年より今日に至る歴史をふり返ってみると、試験養魚の段階では、大謀にて漁獲されるものをこれに当てたが、こと事業ともなれば、数量を纒めねばならず、志摩の学校当時に見覚ていたのを思い出し、浜島を探り当てたので、ここを第一の種場として定め昭和七、八年頃より高知県甲浦を基地として、小形双手回しの施網で藻ジャコ採捕を始めてより、この両基地を種場として、稚魚の確保をしてきたので、今日のような競合もなくごく平隠裡に、必要量