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秋の読書日記
(冬?)
自分のペースで読書進められてる
記録
悪意
人気作家が殺されたミステリー
「今まで読んだん何やったん?」ってなるくらいのどんでん返し
印象操作というかなんというか、最初の猫の話が伏線になってるな~と感じた
妬み嫉み、劣等感、コンプレックス、そういったどちらかといえばマイナスの感情って誰しもが持つけど、それをぶつける矛先はあるべきじゃないなあと
Whydunit、という感じの作品
悪意が本当に悪意だな!
殺人の門
あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ。殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何なのだろうか?人が人を殺すという行為はいかなることなのか。
「倉持修を殺そう」という感情、殺意をこれだけ長い間キープ(?)できるのはすごい
まあそういう憎むべき相手への怒りや殺意が原動力となることってあるんだろうなあという学び
ようやく殺すのか?と思う場面でなんだかんだモチベーションを失ったりやる気が削がれたり気分が萎えたり、殺意が萎んではまた膨らんでいく描写が見事だった
田島が不幸というか報われなさすぎて読んでて切なくなったし、どうあがいても敵わない強運?要領のいい?人っているよなーとぼんやり思う
二人は腐れ縁なのね
「殺す」と口にすることや「あいつ殺してやりたい」と思うくらい激しい感情を抱くことはあったとしても、その一線を越えられるのはやっぱり普通は無理。少なくとも私は無理
よくできてると思いつつもやっぱり胸糞悪い展開
OUT
深夜の弁当工場で働く主婦たちは。それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから抜け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へ導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点!
ストーリー設定がとても私好み
けど経済的に苦しい、お金に飢えている感じがずーっと伝わってきてこっちまでしんどくなっちゃった。特にヨシエの環境。持ち前の共感能力全力発揮
スーパーのお弁当のラベルとかをふと見た時に思い出す本
人の弱さの描写がよくできて読みやすい
ひたすら雅子がかっこいい(って言ったら語弊かも)けど、めちゃくちゃ優秀!っていう描写が足りない気はする
弥生に対してイラついたり邦子に対して絶望したり、入り込みながら読めた
「寂しすぎます。可哀想」
「でも」雅子は首を振り、膝を抱えた。「私は可哀想じゃない。私は自由になりたかったから。これでいい」
「そうですか」
「たとえ死んでも、これでいい。あたしは絶望してたから」
カズオの顔がさっと曇った。
「何に」
「生きることに」
カズオはまた泣きだした。雅子は自分の言葉に涙を流してくれる若い異国の男を見守っている。カズオの嗚咽はなかなか止まらなかった。
「どうしてあんたが泣くの」
「僕にそんな大事な話、してくれたから。あなたは遠い存在だった」
最初「拾うなよ!」ってカズオに対してムカついたけど、このシーンとハグのシーンぐっと来た。カズオに幸あれ
佐竹あたおか
不穏なストーリーではあるけどぐいぐい引き込まれてノンストップで読めた。数年後にまた読みたい。どうせ憂鬱になるんだけど
ハサミ男
連続美少女殺人鬼、通称・ハサミ男の正体は
鋭利に磨かれたハサミを死体の首につきたてる殺人鬼。通称・ハサミ男がねらった美少女が殺された。しかも、ハサミ男の手口で――。圧倒的知力に満ちた傑作長編。
ミステリー系で調べるとどこにでも名前があがったこの本、やっと読んだ
面白い!!!!
自分の頭がなかなかついていかず、というか理解したつもりでも「え?どういうこと?」ってなって数ページ戻って読み返す、を繰り返した
騙された~~~これ気付く人いるの?ハサミ男じゃん。だって、ハサミ男じゃん、って。性的被害がなくても、ハサミをそれに見立てる心理もあるとか、もしかしたら犯人はそういうことには興味がないのかもとか、そういう描写もしれっと紛れ込んで見事
よくできてるなあと感心しつつ、「いや誰やねん」って混乱しつつ
グロすぎずよかった。名作傑作と言われる理由が分かる
連続殺人鬼カエル男
ハサミ男に続いて読んだ本がカエル男は引っ張られすぎて我ながら笑っちゃう
グ…グロすぎ…けど好き
ただグロいだけではなくメッセージ性や社会への警鐘的なものも感じた
残酷な事件とかニュースでもたまに頭がおかしいフリをして(ドラえもんが~とか悪魔が~とか)心神喪失を装って無罪を狙う犯人はいるし、言い方悪いけどまれに本物もいるし
条文 心神喪失者の行為は、罰しない。 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
ちょっとした事件ならネットでミーム化したり、面白半分でいらんことする部外者も出てくるけど、残酷すぎるかつ自分もターゲットになり得るとなると不安や恐怖に飲み込まれちゃうよね
この人とこの人が同一人物なんだろうな、とは思っていたけど、まさかの展開というか…どんでん返しの一言で片づけていいのか?と思うくらい
面白かった
連続殺人鬼カエル男ふたたび
続編
当たり前だけどカエル男の正体を既に知ってるから、前作ほどの衝撃はないけどそれでも面白い
グロ耐性はある方だと思ってたけどお腹いっぱいの時に「破砕する」の章を読んだらつられて気持ち悪くなりかけた
トリックは毎度毎度見破れない~~~
そしてグロい~~~
そことそこが繋がるかー、って感心しながら読んだ
いうなれば無敵の人だよね…心神喪失で過去にも色々記録?があって、って
色々考えさせられる本
渡瀬さんがひたすらクールで博識で頭が切れてかっこいい
何気に好きだったシーン
「職員の給料が少なくて人が集まらないのなら給料上げてやれよ。施設の警備体制が不充分なら最新式の防犯設備を導入しろよ。何のために国民から税金吸い取ってやがんだ」
助手席でしばらく腕組みをしていた渡瀬は、やがてぼそりと言った。
「小手川」
「何ですか」
「うるさい」
「あの、班長。さっきは」
「話し掛けるな。急いでる」
「何に対して怒っているんですか。管理官に対してですか。有働さゆりへの俺の質問の仕方に対してですか」
「怒っているだと。誰がだ」
渡瀬はぎろりとこちらを見る。
どう好意的に解釈しても睨まれているようにしか思えない。小手川は罵倒か鉄拳が飛んでくるのを覚悟した。
だが返ってきたのは意外な言葉だった。
「聞いていなかったのか、馬鹿。あの管理官は途轍もなく素晴らしい示唆を与えてくれたんだ。この事件が解決したら、その一番の功労者は間違いなく鶴崎管理官だ」
「皮肉……ですよね」
「お前は皮肉と賞賛の違いも分からんのか」
尊敬する上司には違いないが、たまに小手川にも理解できない時がある。ちょうどこの時の渡瀬がそうだった。
渡瀬についての感想やん
嗤う淑女
中学時代、いじめと病に絶望した野々宮恭子は従姉妹の蒲生美智留に命を救われる。美貌と明晰な頭脳を持つ彼女へ強烈な憧れを抱いてしまう恭子だが、それが地獄の始まりだった―。名誉、金、性的衝動…美しく成長した美智留は老若男女の欲望を残酷に操り、運命を次々に狂わせる。連続する悲劇の先に待つものは?史上最恐の悪女ミステリー!
もはや美智留そのものにぞわぞわする
クズ男になぜか惚れ込んでしまったりヴィランのキャラクターにハマってしまったり、自分の軸というか芯があって自信がある人って魅力的に映るよね。サイコパスもか
巧みな会話術とずば抜けた美貌を持つなら大手や外資の営業職でバリバリできるやんって社会人的感覚を持ちながら読んだ。プロ詐欺師
周囲の人は可哀想に
もう絶望の底、奈落の底も底、どん底にいる時に甘い言葉で励まされたら藁にも縋る思いになるわな
騙された人たちの最期が切なくて読んでてちょっとつらかった。悪いこと考えてる人ならまだあれだけど
そして「いつの間に!?」っていう展開
面白かった!時間を忘れて読み進めたしなんなら眠いけどまだ眠たくないから本持ったまま寝落ちした
本を取って眼鏡を外してくれた優しさありがとう
ふたたび笑う淑女
続編
今回も美智留こと恭子こと○○○が絶好調
金額が大きい事件が多いけど、お金に興味がない、あくまでも自分の手を汚さず人を殺したり絶望の淵に追いやって地獄を味わっているのを見るのが好きっていうのがもう
側近ポジションにずっといた亜香里がやたら賢くて頭切れるなと思ってたら、そういうことか~~~~
年を取ったからだけではなく、容姿や美貌を表現する言葉が前作と違ったのがよくできていて面白い
絶対に出会いたくない女No.1
嗤う淑女二人
続編
美智留とさゆり、悪女のタッグ
カエル男面白かったし、読んだ割とすぐに笑う淑女シリーズを読み始めたからよかった
後半ハラハラしつつも内心どこかで「美智留には誰も勝てない」と思ってた。というかなんなら二人でめちゃくちゃにバトルして欲しかった
指を噛み切るって実際可能なのかな。答えは知りたくないけど
シリーズ面白かったけどやっぱり一作目が色んな意味で最強
正体
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は?その逃避行の日々とは? 映像化で話題沸騰の注目作!
ずっと気になってたけどドラマ化、映画化と続いてるから逆に避けてた本
結果、大好きになって読み終わった翌日ドラマ一気見して映画も駆け込みでレイトショーで観てきた。大好き
せっかくなので全部の感想残す
原作、切なすぎた~~~
冤罪や警察の闇というか無理やり犯人に仕立てあげようとしたり、証拠を隠滅したりすること、普通にあるんだろうなあ
さーやのことをずっと「好きな人」って呼んでたのが報われない気持ちになって悲しくなった
さーやの無邪気な優しさ素敵だった
ワイングラスを優しくぶつけると、コーンという軽やかな音色が食卓に響き、「こんな音が鳴るんですね」と那須がいたく関心を示した。きっとこうしてワイングラスで乾杯するのも初めてのことなのだろう。今ではもう驚かなくなった。この青年は大人びているようで、同世代の若者に比べても幼い部分がある。欠落といっても差し支えないほど知らないことがあるのだ。
「でもね、ワイングラスって本来はぶつけたらダメなんだって」
「そうなんですか」
「フォーマルな場ではマナー違反に当たるそうよ。目線の高さに上げるのが正しい乾杯なんだとか」
「素敵な音色なのにもったいないですね」
「ね。だからわたしたちは毎回ぶつけましょ」
ストーリーの構成、順番、変装の描写、登場人物の心理描写、とてもとても面白かった
死刑についても何度もぼんやり考えたことはあるし、大学のプレゼンテーションもしたけど(Death Penaltyはあるべき派)、実際に自分が関わらないと平和ボケした発言やきれいごとしか出てこないよね
ドラマは原作に忠実で、自分が読んで頭の中で想像していたものが映像となった感覚があった。入り込んだし演技に圧倒された
映画はやっぱり時間に限りがあるからいろいろ削られているところがあったし、「怪我するのそっちか~」「四方田さん既婚者なんだ~(花火大会に誘うシーンが削られてるのね)」、「パンじゃなくて魚か~(廃棄のパン大量に目の前に置いてるシーンがないのね)」、「そこに隠れるんだ~(さすがに現実的に無理か)」などなど違いを発見して面白かった
冒頭とラストのシーンの構造が似ていたのが好きだった。横顔の
俳優疎すぎて横浜流星さん名前しか存じ上げなかったけど演技すごくて感情移入しまくってラストめちゃくちゃ泣いた。というか顔が綺麗
電話しようとしてた和也の後ろからベンゾー(っていうあだ名も出なかったね)が出てくるシーン、音楽と効果音も相まってもはやホラー
焼き鳥も、ワインも、お酒も、なんにも知らないのがすごく切ない。未成年の時からずっと人生潰されてきたようなものだし、初めてを経験する時の輝いた気持ちをたくさん消されてしまった悲しさ
個人的な意見だけど原作と映画の舞ちゃんのイメージが違った。映画の舞ちゃん結構今時のギャルだった
SNSにあげる気持ちわかるよ…友達に相談したくなる気持ちわかるよ…でもあかんあかんってヒヤヒヤしながら観た
Netflixにあがったらもう一回観たいしこれからもお勧めの本として名前をあげ続けると思う。それくらい好き
死刑にいたる病
名前をずっと知っていたけど読む機会がなかった。やっと
鬱屈した大学生活を送る雅也は、連続殺人犯の大和から冤罪の証明を頼まれる。戸惑いつつ調査する雅也が辿りついた驚愕の真実とは。
サイコパスだな~~~
個人的な意見だけど、サイコパス=魅力的に映る、という一般論は大前提として、そこまで人が榛村に心酔していく気持ちがあまり伝わらなかった
ちょっと綺麗な見た目と、人がいい感じと、それだけ?
ここで父親説か!と思ったら違ったのも読者も一緒に振り回されてる感じがして面白かった。けど、父親説が浮上してすぐに「俺にもできるのか。同じことが」と考え始めて小さい子を眺めてちょっとムラッとしちゃうの、単純か???と
「不幸な生まれなら、人殺しになってもいいんですか?違うでしょ。孤児だろうと施設育ちだろうと、犯罪とは無縁に立派に生きている子たちが世の中にはたくさんいるんです。生まれ育ちがよくないから犯罪に走ったなんて言い訳は、そういった子たちに対する冒瀆ですよ。そうじゃありませんか?」
知性も凶器だな
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