読んだ
とても好き
大好きなゴッホのお友達、ゴーギャンがモデル
全然関係ないけど読んでて思ったこと、やっぱり女性ってちょっと荒々しいというか奔放?強引?というか、いわゆるクズな雰囲気(言葉悪くてごめん)を漂わせる男性に惹かれること多いよね、自信がある人って輝いて見えるからなのか
ここの文章めちゃくちゃ好き
サテュロスとニンフはギリシャ神話で絵画にもある、解説を見つけた
で
ストーリーなんだけど、平凡な株式仲介人だったストリックランドが、職も家族も捨てて画家になることを決める
彼はもともと本当に平凡で、最初は「つまらない男」「世渡りが下手そうな男」として描かれてる
恋愛に振り切った物語でもないし、特別キュンとくることがあるわけでもないし、かといってミステリーとかサスペンスみたいな要素が強いわけでもないし、だけどとっても面白くて読み耽った
「好きな本は?」って聞かれたらもう多分「月と六ペンス」って答えると思う。好きな本は他にも沢山あるけど、群を抜いて好き
ロマンスとかラブストーリーとかがメインではないとはいえ人間関係の中で恋愛や結婚、夫婦の話は出てくるの。ストルーヴェの価値観とストリックランドやわたし(書き手)の価値観の違いが面白い
ネタバレだけど(今更)、ストルーヴェの妻ブランチは、夫を捨ててストリックランドについて行く
なんかみんな捨てがち
最初は直感からか危機感からか、嫌いだったはずのストリックランドを選ぶ
そんな状況でもストルーヴェは純粋
後半は大反対だけど、でも確かに妻は夫を受け入れる、海のような心の寛大さを持ち合わせた女性であるべきで、どんな夫も受け入れるべき、みたいな、男尊女卑とまでは言わなくてもこういう考え方強かったんだろうなあ。特に当時1900年代のイギリスとか
ここまで真っ直ぐに人を愛せるのはすごいけど、愛は自己犠牲って言うよね。自己愛から来る他人への愛と、自己犠牲から来る他人への愛、似てるようで違うよね
対照的なストリックランド
「愛などいらん」な考え方で、人生に意味はないって信じてるストリックランドは、優雅な暮らしも居心地の良いソファも他人の死も何もかも興味がなくて。ただ「今」を生きて、「自分がしたいこと」に忠実で、そのために誰かが悲しもうと何かを捨てることになろうとかまわないような人
ストルーヴェは快適な家も優しい妻も暖かい家庭もお気に入りの服も何もかも大切にして、「今」に繋がる「未来」も大切に考えていて、自分自身も他人も悲しませたくないし喜ばせたいような、博愛主義的な感じがある人
正反対
あとここに共感
(巨大化するから横)
で、ブランチは結局正反対の荒々しいような、自分を大切にしてくれないストリックランドに惹かれてついていって、最期は何を思ったんだろう
「これで良かった」と思えるのか、わたしなら
(ストリックランドから感じるふたご座み)
(破壊本能)
愛は自己犠牲だよね~~とか呑気に書いたけど、押し付ける愛は違うよね。って冷静な時はわかっていても、相手への愛が強すぎて、与えるものと受け取るものを比べた時は理性よりも理論よりも感情が勝つ
作中一番好きな部分はここ。問答無用
ストルーヴェの「ただのいいやつ」感も好きだった。読んでいて頭の中に浮かぶの、肌がツヤツヤでニコニコしてて、ちょっとぷっくりした頬で、周りがついついいじりたくなっちゃうみたいな、本人はとっても前向きで純粋で、っていう愛されキャラ
「他人のことならじつにいい働きをするくせに、自分のこととなるととたんに不器用になる。」ってちょっと耳が痛いというか目が痛い
ストルーヴェはどうか幸せになって欲しい、もっと単純で温和な世界で生きて欲しいって読みながら思ってた
自己犠牲
わりとずっとストリックランドは人間性に欠ける、何かが欠けている、みたいな「サイテーなダメ男だけど素晴らしい(?)芸術家」みたいな描き方をされてる
でも芸術家ってちょっと変わった人多い気がする、よくも悪くも
ゴッホとかゴッホとか、あとゴッホとか
芸術とか美とかについても、読みながら自分の価値観とか感覚とかと向き合えるような気がしてた
何でもかんでも「かわいい~!」って言う人(主にわたし)いるけど、乱用すると効果薄れるのはわかる
常に何に対しても「かわいい」って簡単に言ってたら、本当にかわいいと思ったときに「いつも言ってるじゃん」「本当に思ってるの?」なんて思わせちゃうかもしれない
けどかわいいもんはかわいいから仕方ない。暴論
好き
好き
共感とか感服とかもそうなんだけど、読書の好きなところって、こうやって比喩とかを使った語彙力で「なるほど~~~」ってしっくりくるから好き。すとんって入ってくるというか、腑に落ちる?っていうか、言葉にできないけど
わたしも語彙力上げたい
作中二番目に好きな部分はここ
なんかいろいろ書いて迷子になりかけたけど、本当に好き。芸術とか人間性とかわたしが好きな分野っていうのもあったけど、言葉の選び方とか例えの仕方とかがどれもこれも好きだった
登場人物にも感情移入できる
定期的に読み返したい本