見出し画像

人生で何を経験したいだろう?

「DIE WITH ZERO」という本を読んでいる。

「今しかできないことに、惜しみなく金を使え」という章がある。
少し簡潔にまとめてみると、例えば多額の貯金を持っていたとしても、その時に90歳など高齢であった場合、”長年「お金が貯まったらやろう」と思っていた”スキーや旅行などは、体力的にできなくなってしまっている。だからつまり「お金の価値を最大限に引き出せるピークの年齢の時に使わずに(貯金し)老後にお金を豊かに持っていたとしても、それはお金を一番良い使い方で使っているとはいえない。」という主旨のことが書かれてあった。

さらに、人はいつ命が尽きるのか分かりもしないものだから、頑張って”将来”のために貯金して”今”楽しむことを先送りしてしまったら、もしも突然命のおわりが来てしまったとしたら、「それまでに貯めてきたお金は使いもしないお金であった、ということ。つまりは実質使わないお金のためにタダ働きしていたことになる」ということが書かれており、それを読んで「たしかに!」と思った。
この本は「若いうちにはした金を貯めるな、今しかできないことに惜しみなくお金を使うことが大事だ。(なぜならお金による楽しみや経験などの価値を一番引き出せるのは若いときだから。)と述べているが、それは極論ではなく、「もちろん将来のためにお金を貯めることも大事。だけれどあまりにも今を犠牲にしすぎて”将来”のためにお金を使わなすぎることも、人生の満足度から見ると残念なことだ」という風に書かれている。



「人生で一番大事なことは、思い出をつくることだ。」
たしかにそう思う。本書では思い出は『記憶の配当』になり、例えば高齢になって思うように自由に新たな経験ができない体になったとしても、過去の思い出を思い出すことにより、思い出の追体験ができる、それが「記憶の配当」というものだと書いてあった。たしかに人は思い出を大切にしているものだろう、私も幼い頃から、楽しい経験があるたびに「この思い出はずっと忘れませんように。」と思って日記に書き綴ってきたりしたものだ。

また、一度真剣に考えて、もし家が火事になったりした場合、「私は何を持って逃げるだろうか」と考えてみると、思いつくのは「自分の思い出が詰まったもの」である。一度失くしてしまうと、替えが効かないもの。
写真のアルバムだったり友達にもらった手紙だったり、気に入っていてもう手に入らない宝物だったり、自分が書いた日記帳であるかもしれない。

そう考えると本当に大事なものは形のあるものではなく、自分の中に残っている「思い出」であると思える。


さて、本の1章を読み終えた後、こんな質問があった。


人生で何を経験したいのかを真剣に考えよう。どれくらいの回数、それを味わいたいだろうか?些細なものでも壮大なものでもいい。タダでも高価でも、チャリティでも快楽主義的なものでもかまわない。
とにかく、有意義で思い出に残るものという観点から、一度きりの人生で本当に何がしたいのかを考えてみよう。


これを読んでサラっと次の章に行くこともできるが、これはとても良い質問だなぁと思って、考えてみることにした。

「有意義で思い出に残るもの」というところが、ミソである。


そう考えると、一人じゃできないことかなぁ。。。
考えて書き出してみた結果、私は、「今より理想の体型になった状態で、着物かドレスを着て友達と写真撮影をしたい。」「面白い友達、美意識が高まる友達をもっと作りたい。」「宝石採取や天然の良さがあるモノを採取するような体験がしたい。」「文章の楽しさを分かち合える友達か環境が欲しい。」「アートを楽しみたい。」「”頭を使うこと”を仕事にしたい。」などということが挙がってきた。
(現時点での私の思い出としてやりたいことはこんなことなんだなという意味で、ここに書いておきます。)

書いてみたことで、何かがサッパリとした、自分の中から本心を掘り出せたような気がして、とても良いことができた。
本音を掘り出すのは勇気がいるのだが、「本当に何がしたいのか」と考えてみることは楽しかった。

そして、気づいたことに、「あぁ。私がやりたいことのほとんどって、お金があればできることじゃないな。」と思った。
そのことに気付けたのがとても良かった。友だちを新たに作ることも、やりたいことを仕事にすることも、あと”今の友達と笑って記念撮影をする”ことも精神状態が良い自分と友達で撮りたいから、それはお金では買えない。

だから、私の「やりたいこと」ってあまりお金が掛からないことだ。本当は。と分かった。
お金は必要ではあるが、一番ではないということ。自分が求めているものがそんな人間らしいことで良かったと思うと同時に、この本の著者の「人生で一番大切なことは思い出作り。」という考え方に、やはり大いに同意である。
その価値観を強化できていることがこの本を通して嬉しい。
私は一人で作業することが大好きでもあるが、こんなに人の存在も自分の人生にとって大事なのだなと思えて、そこを教えてもらえて良かった。

引き続き、「DIE WITH ZERO」を読んでいきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?