『障がい者雇用の新たなフロンティア』を読んで(読書録)
私は、自分や家族や身近な友人が "障がい者" であったとしても/なったとしても、いきいきと暮らせる社会であってほしいと願っています。
障がい者雇用のパイオニアであるNPO法人代表が、「障がい者福祉のあるべき姿を多くの人に知ってもらいたい」との決意で書いた本書。賛否両論のある「雇用代行ビジネス」にも踏み込んでいます。
一人でも多くの方に読んでいただけると嬉しいです。
※発売から1か月間はKindleで99円とお求め安くなっています。
概要
タイトル:障がい者雇用の新たなフロンティア:「障がい者と共に働く」社会課題解決の実践
著者:那部智史
本書の「はじめに」に著者の決意が述べられています。
本書は、2部構成です。
第1部は、障がい者雇用の実態をデータを用いながら概観し、障がい者雇用や農福連携における課題を指摘するとともに、著者が運営するNPO法人AlonAlonでの取り組みを紹介しています。
第2部は、「社会課題をビジネスで解決する」取り組みを障がい分野で実践している方たちとの対談形式となっています。
気づきと感想
全国で平均したときに生活保護の受給額に満たない状況は、人間らしい生活を送ることが困難ということだと思います。この状況が長年変わっていないことに暗澹たる思いがします。
私は、誰かの役に立つことは生きる上での喜びになると考えているので、たとえ販売目的の商品ではなく、社員に配布されたり食堂で消費されたりする野菜であったとしても、それほど批判する必要はないのではと考えていました。
ただ、「事業で使わない野菜の収穫に人件費をかける」という切り口で捉えると確かに社員同士、同じ仕事仲間だという意識を醸成するのは難しくなるというのも納得です。やはりビジネス面で会社に貢献する仕事であることの意義は大切なのだなと考えが変わりました。
第2部では、私自身が大好きでよく購入している「久遠チョコレート」の夏目代表、ぜんち共済という障害のある方向けの生命保険を提供する会社の代表、特例子会社の社長という様々な立場の方の理念と実践を知ることができました。
このような素晴らしい活動をしている会社がもっと増えると、誰しもが安心して自分らしく生きられる社会に近づくのではないかと思います。
参考サイト
ではでは。