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歪な愛に、スピッツの癒しを【1122いいふうふ感想】

 朝起きたら、俳優の岡田将生さんと女優の高畑充希さんが結婚していた。

 特別どちらの方が推しという訳じゃないけれど、岡田将生さんが目の前に現れたら即一目惚れすると思うし。高畑充希さんが同じ電車に乗っていたら、きっと目で追うはず。

 お二人とも、顔面が麗しいのは間違いない。ただ、私はそれ以上に岡田さん、高畑さんの演技が好きである。

 岡田さんのことは、これまで「ああイケメンだなぁ」としか思っていなかった。理由はおそらく、顔が綺麗すぎたんだと思う。

 私は少し垂れ目だったり、どこか顔が崩れている部分に「愛しさ」を感じる。芸能人で言うと、市原隼人さん、伊藤英明さん、錦戸亮さんのような垂れ目で、笑うと顔が崩れるパターン。

 ちょっと目を離すと、何をしでかすかわからない雰囲気の男に対して「放って置けない」と感じてしまう。向こうは私のことなんて、完全に放置プレイだというのに。

 私からすると、彼=岡田将生はあまりにも顔が整いすぎていた。シュッとしたクールさ、どことなく漂う品行方正な雰囲気も「私なんかが、どうせ好きになっても……」と思ってしまう。

 単刀直入に言うと、岡田将生がいい男すぎたのである。

 そんな彼に興味を感じたのは、映画「銀魂」で桂小太郎役を演じた時のこと。

 地球外生物の「エリザベス」という巨大なアヒルもどきのペットを従える、長髪のクールなイケメンを演じる岡田将生に、胸キュンする。

↑ワーナーブラザーズ公式チャンネルより

↑マイナビニュースより

 この長髪姿が、あまりにも美しくて度肝を抜かれた。私はロン毛フェチという訳ではなく、どちらかといえば海猿の伊藤英明的な「短髪」が好みである。

↑ロン毛フェチといったら、本田すのうさんがふと思い浮かぶ。

 そんな私ですら、髪を靡かせて颯爽を歩く桂小太郎に惹かれた。

 岡田さんって、漫画チックな役ですら真面目に演じきってくれる役者さんなんだ。

 ここにきて、岡田将生さんに親近感が9割増す。それから少しずつ、岡田将生さんが出演されているとドラマを見るようになった気がする。

 最近だと、マックの「ひとくちチュロス」のCMで、なめらかなダンスも披露している。

 それも、かなりナチュラルに踊り始めるので驚く。踊りは、何気にハイレベル。なのに、ダンスが上手い男特有の「俺、踊り上手いんだぜ(ドヤ顔)」感が微塵も感じられない。

 このさりげなさ。引き出しの多さ。そして、人の良さそうな雰囲気。

 彼の踊りをみて思った。彼なら、落ち込んだ時も「ほら」と言って、くにゃくにゃ踊って励ましてくれそう。彼の踊りを見て「もうやだぁ、何してんの」と笑う私。

 そんな私を見て、ふふっと笑う岡田将生。彼は、少し得意げな表情をしている。私も「踊れるんだね」とは、あえて突っ込まない。彼の得意げな様子を、そっと見守る時間が楽しい。なんだか、恋が始まる予感がした。

 これはもう、好きになる要素しかない。

 高畑充希さんは、心の中をつぶやく時のセリフがめちゃくちゃ上手い方だと思う。変に感情を込めすぎずに、かといって棒読みでもなく。あくまで、ぽつりぽつりと。本当に心の内を明かすような呟き方をするので、ドラマのリアリティが増していく。

 小顔でめちゃくちゃ顔も整っているのに、日常のどこかにひょっこり顔を出しそうな「普通っぽさ」も魅力だと感じる。

 どのドラマにもすっと溶け込むし、本当にこんな感じの女性いそうだなぁを見事に演じ切ってくれるので、安心してドラマを視聴できる。

 まさか、この2人が結婚するとは想像しておらず。2人とも好きだけど、一緒になるとは考えていなかった。

 朝携帯を見ると、2人がタキシードとウエディングドレスを着て見つめあっている写真がTLから流れてきた。

 えっ、2人は付き合ってたの?

 「聞いてないんだけど」

 正直、テレビで顔しか知らない癖に、馴れ馴れしいことを思ってしまった。

 テレビで眺めていると、画面に映ってる人を「知り合い」「友達」だと思ってしまう。子役の子に至っては、全員親戚の子だと思っている。芦田愛菜ちゃんも、鈴木福くんも。すっかり大きくなったね。おばちゃんは嬉しいよ。

 メディアの力は残酷だ。あっという間に演者と視聴者の距離をグッと縮めてしまう。それはテレビに限らず、Xやnoteにも似たようなものを感じている。忘れがちな距離感だけれども、日々意識しておきたい。

 顔見知りでもなんでもない2人だけれども。気になる2人が結婚したきっかけが「1122いいふうふ」というドラマと知り、視聴せずにはいられなかった。

 まだ最後まで見た訳ではなく、現時点では6話までしか見ていない。主題歌はスピッツで爽やかだし、2人が醸し出す雰囲気もほっこり癒し系だ。けれど、ドラマのテーマは重い。

 ドラマを見る前に、この物語が「不倫をする夫と、女風を利用する妻の話」という部分までは認識していた。その時点で、一体何をどう感動すればいいのか。

 そもそも、不倫する男とかあり得ないし。それを容認する妻とか意味がわからない。この作品は、流石に感情移入できないのではないか、と思っていた。

 その思いは、いい意味で裏切られた。夫の不倫を認めるまでの「嫁」の心の内について丁寧な描写があるので、スッと物語の世界へ入っていきやすい。

 その一方で、夫側の感情の揺れ方があまりにも「リアルな男」すぎて。素敵な旦那さんというよりも、「ああ、こういう人。いるいる」という感じで見てしまった。

 ドラマといえば、理想の男が出てくる印象がある。私は今45歳なので、思春期の頃は月9=木村拓哉さん全盛期だった。あの頃、女子の憧れを見事に演じていたキムタクに対し、世の女性たちはみんな夢中だった気がする。

↑過去にキムタクの「あすなろ抱き」について執筆しました。

 あれから歳月が過ぎ、ドラマは理想よりも「リアル」を求めるように。世の中のバブルが弾け、夢よりも現実に目を向ける人が増えていった。そんな世の中になったからこそ、魔法にかかる女子が減ってきたのだろうか。

 今でも、山崎賢人さんや松坂桃李さん、岡田将生さんなどの国宝級イケメン俳優は少なくない。昔と変わったのは、そんな彼らが理想の男ではなく、「どこにでもいる、普通の男」を演じるようになったところだろうか。

 岡田将生さんを初めて見た頃、まず先に浮かんだのは俳優の柏原崇さん。次に、平岡祐太さん。いずれの方も色が白くて、男性な顔立ちが特徴の国宝級イケメン。

 まず岡田将生さんの顔を見て思ったのは、ああ正統派だなぁと。きっと、汚れた役とか受けなさそう。超絶イケメンの岡田将生さんが理想の男を演じたら、それはもう全国の女子が疼くに違いないだろうし。そう思ってた気がする。

 それがですね。岡田将生さん、全国の「どこにでもいそうな、男たち」を演じるのが本当に巧みでして。他のドラマを見る度に、度肝抜かれちゃう。

↑ネットフリックスより。大豆田とわ子良かったよねぇぇ。

 岡田将生さんは、愛すべきダメンズ感を出すのがめちゃくちゃ上手い。腹立つことも言うのにクシャッと笑うと憎めないし。

 1122に関しては「まぁ、しゃーないか」と屈託なく笑う高畑充希もたまらなく可愛い。

 気持ちが昂った所で、エンディングのスピッツが流れる。スピッツ公式サイトによると、この歌は「i-O(修理のうた)」という曲らしい。

新アルバム『ひみつスタジオ』収録曲「i-O(修理のうた)」が、6月14日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信されるドラマ『1122 いいふうふ』(全7話)の主題歌に決定いたしました。

スピッツ公式サイトより

 他人同士の2人が一緒になると、綻びもでるし、時には歪な感情を抱いてしまうことも。どんな感情も、優しい草野マサムネさんの歌声が優しく包み込んでくれる。

 視聴後は、不思議と優しい気持ちになれる。パートナーのことも、子どもに対しても。もう一度向き合おう。優しくなろう。そう思える、素晴らしいドラマだ。

 Amazonプライムで視聴できるので、気になる方はぜひチェックしてみて欲しい。

⭐︎この記事を書いた人

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 【フリーライター】
フリーライター。マイナビウーマン、うれぴあ総研mimot、女子SPA!、arwebなどのメディアで執筆中 。

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