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村上宗隆のホームランを見て引きこもりから脱出した

2021年9月。
テレビを点けた瞬間、ヤクルトの村上宗隆選手のホームランが映った。
ボールは綺麗な放物線を描いてスタンドに入っていった。
スタンドの観客たちの割れんばかりの歓声が耳にこびり付いて離れない。
村上選手はスタンドを指差しながらダイヤモンドを1周する。
その光景を見たとき目が離せなかった。
目がちかちかとして、心臓が波打つのが分かった。
「ぜっっったい!生で観る!!!」
心の中で叫んだ。

「消えたいんです。」
スクールカウンセラーにそう相談した頃のこと。
当時、高校2年生で引きこもり、不登校、家から出るのは病院へ行くときだけ。
14時くらいに起床し、明け方5時頃に就寝するというお手本のような昼夜逆転生活を送り、食べる物は部屋にあるお菓子。
お風呂には2週間に1回くらいの頻度で入っていた。
起きている時間はずっとスマホを触っていたが、何時間も触っていたらさすがにスマホにも飽きて、自分の部屋のテレビを点けた。
そこに映っていたのが野球の試合だった。
村上選手のホームランを見た後、私は1年ぶりに自ら部屋を出た。
そしてお風呂に入って、外に出た。
パジャマ姿で。
世界が輝いてみえた。

私は野球、以前にスポーツに全く興味がなかった。
もっと言うと、小学生の頃は野球の試合の延長で金曜ロードショーが見られなくなったことが多かったため、嫌なスポーツというイメージが離れてなかった。
小学生の私は金曜ロードショーのドラえもんが見たかった。
そんな方いらっしゃいませんか?

野球のルールは全く分からないし、チームが12チームあることも知らなかった。
知ってる事といえば、阪神ファンの父の影響で阪神の選手の名前を何人か知っているくらい。
そんな私が一瞬にして野球に魅了された、
村上宗隆のホームラン。

村上選手のホームランを観てから私はヤクルトスワローズのことをたくさん調べた。

特に私がヤクルトスワローズに魅了されるようになる要因となった1羽の鳥がいる。
つば九郎だ。
つば九郎を初めて見たのはyoutubeでドアラと椅子取りゲームをしている動画。
「かわいいー!!」
と思ったのも束の間。
椅子取りゲームでズルをした。
可愛い見た目に毒舌な筆談。
そのギャップにすっかり虜になった。
でも、守備に着く選手達を送り出す姿と引退する選手に送るビデオメッセージとアメブロ。
その選手愛に見事に沼った私。
現在、スマホにはつば九郎がぶら下がってます。

また、応援歌も良かった...
耳に残るんですよ、これが。
聞いたことのない方はYouTubeでぜひ。


こうしてスワローズにずぶずぶと浸かり、精神的にはハッピーな日々が続いた。
でも、通っている高校では卒業までの単位が取れないことが分かり、通信制高校への転入が決まった。
当時の私は社会不安障害の悪化によって電車に乗れず、不登校になっていた。
電車に乗ると過呼吸と動悸でいっぱいになる。
電車に乗れないままじゃ、高校が変わっても同じことの繰り返しだ。
その思いはあったが、電車には怖くて乗れない。
そういう時は神宮球場へ行くことを想像した。
大阪から東京まで、新幹線で約2時間半。
たかが7駅くらい乗れないと神宮球場に行けないぞ!!
と自分に言い聞かせながら電車に乗る練習をし続けた。
その結果、高校を卒業することができた。
スワローズ万歳!!

こうしてスワローズに沼った私ですが
まだ1度も神宮球場に行ったことがない...
なんならヤクルトの試合を生で観たことすらありません、はい。
これでヤクルトファンと言えるのか?
と疑問に思いながら応援し続けてます。



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