多摩デザイン大学「教育デザイン」 上田 壮一さん
昨年通った多摩美術大学が、期間限定「多摩デザイン大学 / Tama Design University」を開校しているので、受講しています。
この問いを頭に置きつつ、学んでいこうと思います。
「我々は新しい世界をどうデザインできるのか?」
我々は今、環境をはじめとした様々な課題や、テクノロジーによる急減な変化と向き合っています。その状況の中でどうデザインするかの前に、何をデザインしていくべきなのかを問い直していくことが重要ではと考えました。
▼講義詳細
多摩美術大学が、誰もが参加できる“デザインの大学”を期間限定開校。50の新たなデザイン領域を知る、講義プログラム公開
東京ミッドタウン・デザインハブ第94回企画展「Tama Design University」12月1日(水)〜12月26日(日) 会期中は講義プログラムを毎日開催。聴講無料。
▼講義一覧HP
■テーマ
教育デザイン「社会・環境への無関心を好奇心に変える教育デザインとは?」
Think the Earth という活動をされていて、社会・環境問題を「自分ごと」として創造的に行動できる人や社会を増やしたい!という想いがあるそうです。
2001年創業以来、30以上のプロジェクトを行う中で、
行動のプロセスは感じる、気づく→知る→心が動く→行動したくなる なのですが、
心が動かなければ、身体も動かない。
と気づき、人は、強い共感にならないと、自分ごとになって行動しないので、心を動かすことを大事にしている、とのことです。
学びのココロ(プレ・エデュケーション、プレ・ラーニング)は、いつ起動するのか?との問いに対しては、
きっかけと目的が大事。意欲があれば知識もスキルも自分で学べる時代。優れたコンテンツには膨大な学びが織り込まれている。とおっしゃっていました。
あることを詳しく学びたいと思ったらそのことについての本を書けばいい
池澤夏樹さん
ということで、Think the Earthで17冊の本をつくったそうです。
(その発想がすごいですが・・)
最初の本が、20世紀の人類の愚行を100枚の写真で構成した写真集。
▼本一覧
全国の小・中・高等学校45,000校に寄贈しているとのこと。
知識は今の時代、いくらでも手に入るので、知識というよりはきっかけが与えられるような本を目指しているとのこと。素敵ですね。
本だけでなく、実際のプロジェクトも、「みずのがっこう」「宙のがっこう」での各種ワークショップ・スポーツプログラム・ツアーや、「グリーンパワースクール」(再生可能エネルギー教育プロジェクトで、最終的には、子供たちが未来のエネルギー戦略発表会を行ったり)など盛り沢山。
Think the Earth HPより
いまは、「SDGs for School」のプロジェクトに一番力をいれているそうで、
中高生対象(+先生)に、ボルネオスタディツアーで、こころとからだで学ぶことを行っているそう。現地で体感で学ぶのが、一番ですよね!
様々な活動を行っていく中で、学びの現場に変革がおきつつあるようで、
広島叡智学園 のご紹介がありました。
この中高学校は、公立で平屋、職員室はフリーアドレス、言語は英語で全寮制、国際バカロレア認定となんだかすごい学校のようです。
紹介ビデオを見ると、実際にはバイリンガル授業のようでした。最初に英語で発表してもらうことによって、言語の壁を取っ払うといっていました。
グループワークの授業が多く、主体性を持たせるようにし、国際的な人材のコミュニティを、広島から広げていきたいそうです。
次に、岡山県真庭市立落合学校のみんなで考える桃太郎の事例。
もともとは、博報堂の方が作ったコピーに、谷本先生が衝撃を受けたところから、一緒に授業をつくることになったそうなのですが、実際に先生と社会がつながると・・・強い学び合いが起き、双方ともに刺激的だったとおっしゃっていました。
道徳教育×クリエイティブ の可能性を感じたとのこと。
<発見した気づき>
どちらも、コミュニケーション・デザインのプロフェッショナル
広告=10~15秒で勝負
高いコミュニケーション速度でできるだけ多くの人に
メッセージを届けるデザイン
学校=50分単位の授業が舞台
他者や自分との対話を通じた、生徒の内発的な気づきをデザイン
生徒の人生に返す
1 あなた以外の登場人物のことを考えているか?
2 複数の選択肢を準備しているか
3 あなたの言葉で発信しよう
ほかにも、好き!からはじめるSDGsや、地域のアクションブック、奄美大島のブルースクール(バリ島 グリーンスクールに習って)や、みらいをつくるソーシャルアクションフェス 超文化祭の事例などご紹介いただきました。
■所感
こんなにも学びにSDGsが溶け込んでいる事例を知るのは初めてでした!子供たちに自発的に興味を持ってもらう、学んでもらう仕掛けがたくさんあり、クリエイティブ・デザインの力ってすごいなーと思いました。
桃太郎の事例、中高生のときに学んでみたかった。。!
桃太郎が、鬼を退治するまでにたくさんの分岐点があるんですよね。その分岐点を自分なりに考えたら、どんな結論になっていたのでしょうか。
ほかの物語でも応用できますね^^