ヒッピーの「消えるコミューン」
アメリカを旅していたとき、現地で知り合った年配の男性から、1970年代にヒッピーたちの間で広まっていた不思議な話を聞いた。それは、カリフォルニアの山奥に「消えるコミューン」があったというものだった。
その男性は当時若く、ヒッピーの文化に心酔していた。髪を伸ばし、仲間たちとキャンピングカーでアメリカ中を放浪しながら、自由を求めて生きていた。そんな生活の中で、彼らはたびたび噂を耳にしていた。山奥にある特定の場所に行くと、そこに「誰でも迎え入れてくれる」コミューンがあるというのだ