心がほっこりする日常を綴った作品
冬になり農業の仕事がなくなり、一月は自宅でゆっくりするぞ！と決めた私Miñoはもうすっかりインドア生活になってしまいました。（なんたって寒いし。）
そんな中で最近は、しみしみおでんのように心にじんわりと温かさが染み渡る映画だったり、
本だったりを欲しているようで、
気がつくとそんな作品ばかりをみていたのでした。
最近の私的なおすすめをご紹介。
バグダッド・カフェ / ドイツ映画
以前ネットフリックスで観たことがあった私の大好きなこちらの映画が、
なんと4K版として地元のミニシアターで上映されていると知り大慌てで観に行きました。
自分が生まれる前の作品なのに、色褪せるどころかすごく新しい。
4K版はディレクターがカットする前のシーンが入っており当時のものとは尺が少し長くなっている点も、館長さんである映画コラムニストの合木こずえさんが上映前丁寧に解説してくださりました。
スクリーンで観れるのも感動なのに、
初めて行った長野県の塩尻市というところにあるミニシアターが大変良かった。
こちらの映画館の名前は「東座」
なんと1922年に芝居小屋としてできたのが始めだそうで、1949年以降映画館として今もなお続いている老舗。
しっかりと映画と向き合っているという雰囲気の映画館で、平日でしたがレディースデイということもあり、マダム達や若い女性が多かったな。
なんと二号館ではピンク映画を上映しています。
館内に入ると、ふわりとお香のいい香りがしてきまして、斜めになっている座席の列の中から良さそうな場所を見つけて座ると、少し懐かしい匂いに包まれ、すごく落ち着きます。
シネコンにあるようなポップコーンやド派手な音響とかはないけれど、
余計なもの無しに、静かにじっくり映画と向き合える最高の空間でした。
さてこちらのバグダッドカフェですが、
私的しみしみポイントは3つ。
しみしみポイント１ 小さい舞台ながら大きな感情の揺れ動き
舞台はアメリカのバグダッドという砂漠地帯。
ガソリンスタンドと古びたモーテルとカフェしかないという絵的にかなりミニマルな中で、一見すると大きな出来事は起こらない風に見せかけ、
実は静けさの中に、どうしようもない人々の感情の描写だったり、日々の情景がすごくとてもリアルに伝わってくる。
色彩がレトロでとても色鮮やかなのもあり、シンプルだけれどそれぞれのシーンにスパイスがしっかり効いているイメージ。
この色使い大好きだなあ。
しみしみポイント２ キャラクターがとてもチャーミング
登場人物がみんな愛があり人間らしくてチャーミングなんです。
観終わったあとは、みんなのことが大好きになっていると思う。
私の思う人間らしさとは、
自分の感情に嘘をつかず、受け止められないことは無理にその場で取り繕うとせずに、感情が湧き出てきて泣いたっていいし、怒ったっていい。
そんな中で次はどう進もうか、自分なりに考えて生きていく。
そんな事を指すのかなと思います。
この映画に出てくるキャラクターは、
自分をそれぞれもっていて、例えばどうしようもないことが起こったときにちゃんと相手にもぶつかっていく。
ぶつかれるって相当な愛がないとできないなって私は感じるんです。
相手を傷つけるかもしれないし、嫌われるかもしれない。
けれどぶつかる事からしか得られない愛があるし、気づきがあるんじゃないかなって、この映画から感じたのでした。
しみしみポイント３ どんな状況でも楽しむこころ
何たってこの舞台はまず何もないんですね。
そんな砂漠の中で、このバグダッドカフェは唯一人々の集いの場所でもありオアシス。
同じメンツ、同じことの繰り返しの中でも、自分が楽しもうとする心をそれぞれ持っているのです。
もしも自分が同じ状況だったらどうするかな。
同じように日々を楽しむことができるだろうか。
けれどもしかすると、何もない方が工夫をするし、もっと頭じゃなく直感が働くのかもって思いました。
今の世の中は便利になりすぎているから、自分を他人の軸に当てはめてしまったり、自分を見失ったりしてしまいやすいと思います。
もっと野生的な直感を信じていきたいな。
どんな状況でも楽しもうと工夫していきたい。
でも、楽しめないときは無理しなくたってだいじょうぶ。
良いか悪いかじゃなくもっとニュートラルに生きていきたいな。
そんな風に、自分の生き方を見つめ直すきっかけにもしてくれたこちらの作品。
観たことのある方も多いと思いますが、
心がじわっとあたたかくなるので、寒い冬に良かったら観てみてください。
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