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秋のきものさんぽ〜武相荘に、白洲正子の足あとを訪ねて

散歩が気持ちいい季節になりました。

ずっと行ってみたかった町田の「旧白洲邸・武相荘」へ。

ここは白洲次郎と、白洲正子が暮らした場所なのです。

バス通りから坂を上がっていくと、こんもりした緑に抱かれた邸宅があり、街の喧騒が嘘のように静かな時が流れています。

到着したのがお昼どきだったので、まずは敷地内のレストランで食事を。

平日の正午前でしたが、既に行列ができていました。

いただいたのは、白洲次郎が愛したという海老カレー。

キャベツの千切りが添えられており、ここにカレーをかけて食べるのが、次郎さんのお気に入りだったそう。

お手洗いに、芹沢銈介の暖簾がかかっていました。縄のれん文

食事の後は、茅葺き屋根のミュージアムへ。

もとは農家だった家を改築した建物の中に、夫妻ゆかりの品々が展示されているのです。

今は秋の企画展が開催されていて、書簡や食器類などをたっぷり見ることができます。

中でも目を奪われたのは、正子さんが着ていたであろう、素朴で味わい深い着物たち。
そして、正子さんが実際に執筆していたという母屋北側の書斎です。
本棚に囲まれた小さな隠れ家みたいなスペース。
たとえばこんな絣に紬地の帯を締めて、『かくれ里』や『十一面観音巡礼』を執筆されたのかな……としばらくうっとり想像を巡らせました。

正子さんが暮らした場所を訪ねるのに、どの着物で行こうかな……と考えて、母の大島紬に、アンティークのめがね織の帯を合わせてみました。

ミュージアムの方が「お着物、素敵ですね」と声をかけてくださり、白洲夫妻の暮らしぶりなど教えてくださって、楽しいひととき。

寒くなってきたので、山ぶどうのかごも冬支度。
ちょうどハロウィンの時期だったので、かぼちゃのブローチを。

自然豊かな散策路を一周し、深呼吸して帰路につきます。

折に触れて訪れたい場所が、またひとつ増えました。

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髙橋三保子
読んでいただきありがとうございます! ほっとひと息つけるお茶のような文章を目指しています。 よかったら、またお越しくださいね。