みどりふぐ

以前は海外スキー客誘致とサイクルツーリズムの専門家として仕事をしておりました。 観光業やスキー場をとりまく環境が少しでも良くなることを願って、思ったことや感じたことや多くの方に知ってもらいたいことを気が向いたときに書いていきます。

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最近の記事

#11 スキーリゾートで働く人たちの資格制度は、誰のためにあるのか②

ホテルやスキー学校が、実績を増やしたり実力を付けたりすること以外でブランド力を高める方法の一つに、中立的な第三者から良い評価を受けられる「資格制度」や「認証制度」があるということを前回お話ししました。 5.「資格」と「免許」 どう違うかスキーホリデー業界で資格制度や認証制度を利用しているのは主にホテルやスキー学校で、施設そのものが優良施設の認証を受けたり、レストランにソムリエ、スキー学校にISIA(国際スキー教師連盟)インストラクターなどの高度な資格を有したスタッフを抱える

    • #10 スキーリゾートで働く人たちの資格制度は、誰のためにあるのか①

      今回は元々は「スキー場の選び方の続き」を予定していたのですが、少しモヤっとしたことがありましたので、予定を変更して、このモヤモヤを忘れないうちに書いておきたいと思います。 業界内やマーケティングの専門用語が出てくる、あまり一般のお客様向きではないマニアックな内容になりますし、しかも長くなるので3回に分けますが、どうかご容赦願います。 1.本当の顧客は誰か 「豆腐の製造卸売事業者の顧客は誰か?」 ビジネススクールに通っていたとき、講師と私の意見は割れました。 最終的に豆

      • #09 リフト1日券が1万円越えのスキー場の出現は、スキーホリデー産業にどのような影響を与えるか

        前回の続きです。 今回のリフト1日券が1万円以上なったこのスキー場の値上げは、急激かつ強引に見えたかもしれませんが、日本に400ヵ所以上あると言われるスキー場の8割近くが赤字(その多くが公営)と言われていますので、実は「1万円が高い」のではなく「スキー自体が実際の価値より安く思われていた」なのかもしれません。 1.この値上げがスキーホリデー産業全体にどのような影響を与えるかスキー場業界全体への影響をポジティブとネガティブの両方で考えてみますと、以下のようになるのではないで

        • #08 リフト1日券が1万円越えのスキー場の顧客は誰なのか

          日本のスキーリゾートのリフト料金は、海外のスキーリゾートに比べると安いことで有名なのですが、2023-24シーズン、とうとう日本でも1日券が1万円以上するスキー場が現れました。 ちなみにニセコではありません。日本で最も海外に近いリゾートと言われているニセコでさえ、年々少しずつ値上げをしていても、2023-24シーズンの全山共通1日券はまだ9,500円ですので、そのスキー場は一気に日本で最もリフト券1日券の高いスキー場となりました。 海外の高級リゾートのほとんどは1日券の値

        • #11 スキーリゾートで働く人たちの資格制度は、誰のためにあるのか②

        • #10 スキーリゾートで働く人たちの資格制度は、誰のためにあるのか①

        • #09 リフト1日券が1万円越えのスキー場の出現は、スキーホリデー産業にどのような影響を与えるか

        • #08 リフト1日券が1万円越えのスキー場の顧客は誰なのか

          #07 スキーリゾートの選び方② 評判ではなく滑りやすさでスキーリゾートを選んでみる

          前回は、有名リゾートはなんでも上質なものがそろっているので、スキーホリデーの目的地としては良い選択だが、実は目的によって有名リゾートではなくても十分に楽しめる場合があるということを、いくつかの例をあげて説明いたしました。 今回はその続きで、いくつか挙げた例の中の「滑って楽しい、滑りやすい斜面が多いリゾート」、つまり斜面の良し悪しで滞在するリゾートを選ぶ場合について、詳しく掘り下げてみたいと思います。 1.「滑りやすい斜面」とは?斜面を選ぶ場合に限らずですが、この場合の「楽

          #07 スキーリゾートの選び方② 評判ではなく滑りやすさでスキーリゾートを選んでみる

          #06 スキーリゾートの選び方①有名リゾートじゃないとホリデーを楽しめないのか?

          もし皆さまにはすでに大好きなスキーリゾートがあって、そこに行くことを毎年楽しみにされているのであれば、リゾートの選び方について迷われることはないかもしれませんが、スキーリゾートに行った経験があまり無い方々にとって、どのリゾートを選べばよいかは重大なことです。 有名で評判の良いスキーリゾートを選べば無難ではありますが、ホリデーの目的によっては、有名だからといって最適であるとは限りません。 そこで今回から数回にわたって、リゾートの選び方について書いてみたいと思います。 1.

          #06 スキーリゾートの選び方①有名リゾートじゃないとホリデーを楽しめないのか?

          #05 スキー用具は購入すべきか、レンタルの方が良いか①

          前回の「スキーレッスン」の中で、用具のレンタルについて少し触れましたので、今回は用具は購入すべきか、それともレンタルの方が良いかについて、もう少し詳しく書きます。 結論から申し上げますと、年に数日しかスキーを滑らない人のほとんどはレンタルの方が便利だと思います。これを言ってしまうとスキーメーカーやショップの方に怒られてしまうかもしれませんが。 ただ、皆さまの中にはレンタルに対して「カッコ悪い」とか「質が悪い」と思われている方もいらっしゃると思いますし、購入して所有した方が

          #05 スキー用具は購入すべきか、レンタルの方が良いか①

          #04 スキーレッスンのススメ② スキーレッスンの選び方

          スキーレッスンについての、前回からの続きです。 3.日本は昔、滑りが上手であればインストラクターが務まる国だった前回は、レッスンを受けることによる雪の上でのメリットを中心に書きましたが、メリットは雪の上だけではありません。 インストラクターは地元を熟知した住民でもありますので、 ホリデー/滞在をさらに楽しむための、ランチやディナー、 どのレストランのどのメニューがおススメかも教えてくれます。 これに対する反論として以前は: 「インストラクターに『地元の美味しいお店を教

          #04 スキーレッスンのススメ② スキーレッスンの選び方

          #03 スキーレッスンのススメ①レッスンのメリット

          過去の記事はちょっと固くて壮大なトピックが多かったので、 少し小さなトピック「スキーレッスン」を、 今回と次回の2回に分けて取り上げたいと思います。 1.スキーレッスンは、お客様に「何」を提供するのか? まず、みなさんは、 スキーレッスンを受ける人たちはどんな人たちだと思いますか。 レッスンは、スキーが下手な人が受けるものなのでしょうか。 みなさんは 「私はそこそこ滑れるから、レッスンなんて必要ない」 とか 「初心者みたいでカッコ悪い」 とか思われるでしょうか。 レッ

          #03 スキーレッスンのススメ①レッスンのメリット

          02#「スキーホリデー専門家」が、スキーリゾートに来ている他のファミリーを見て思うこと(後編)

          まず、みなさまは「スキーホリデー」と聞くと、 どんなイメージが湧きますか? 人それぞれ想像するものが微妙に異なると思いますが、 おそらく共通しているものは: ・楽しいもの ・非日常で特別なもの ・普段よりちょっと贅沢なもの ・余裕のあるもの きっとこのあたりではないでしょうか。 前回で説明いたしましたスキーホリデー会社は、お客様のご要望と目的に合わせた「楽しく」「非日常で」「いつもよりも少し贅沢な」「余裕のある」スキーホリデーを販売しております。 日本人の感覚では、

          02#「スキーホリデー専門家」が、スキーリゾートに来ている他のファミリーを見て思うこと(後編)

          #01「スキーホリデー専門家」が、スキーリゾートに来ている他のファミリーを見て思うこと(前編)

          わたしはしばらくの間、海外にある「スキーホリデー会社」にて、「スキーホリデー専門家」として仕事をしておりました。正式な肩書は、その会社の日本支店長でした。 「スキーホリデー」って何?と多くの方は思われるでしょう。 普通の方々には馴染みのないものなので、ピンとこないかもしれませんが、「スキーホリデー」とは、数日から数十日の休暇をスキー場で過ごすことで、スキーをするためだけにリゾートに滞在するというより、スキーのできるリゾートに滞在して、スキーだけではない休暇を楽しむというニ

          #01「スキーホリデー専門家」が、スキーリゾートに来ている他のファミリーを見て思うこと(前編)