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#06 スキーリゾートの選び方①有名リゾートじゃないとホリデーを楽しめないのか?

もし皆さまにはすでに大好きなスキーリゾートがあって、そこに行くことを毎年楽しみにされているのであれば、リゾートの選び方について迷われることはないかもしれませんが、スキーリゾートに行った経験があまり無い方々にとって、どのリゾートを選べばよいかは重大なことです。

有名で評判の良いスキーリゾートを選べば無難ではありますが、ホリデーの目的によっては、有名だからといって最適であるとは限りません。

そこで今回から数回にわたって、リゾートの選び方について書いてみたいと思います。


1.日本の「有名スキーリゾート」

あまり知られていないかもしれませんが、日本には現時点では世界で2番目に多い400か所以上のスキー場があります。国内客のスキーホリデーのために滞在できる規模と設備を備えたスキーリゾートは、それらの10~15%程度であると言われています。

日本のスキー場は、ヨーロッパや平均的な北米のリゾートに比べて、「パウダー」と呼ばれる深い深雪がかなりの頻度で滑られることや、西洋にはない伝統文化や食事を楽しめることから、近年は海外のスキー客からも大変人気があり、毎年大勢の海外客が日本のリゾートに滞在しています。

ニセコが世界で有名になった理由は、リフトで行ける範囲でパウダーを滑られるから。
有名になった結果、世界中から投資が集まり、今でも高級ホテルの建設が続いています。
ニセコのスキー場内からのバックカントリーへのアクセスは、
写真にある全部で11か所ある「ゲート」からのみ許されています。
この「ニセコルール」についての賛否は、機会があれば取り上げてみます。


ただ、いくら日本ならではの文化や食事が楽しめるからといって、リゾートとして滞在を楽しめないところにわざわざ海外からお客様は来ません。

最低限、以下のような条件を満たしている、雪や斜面が良いだけではなく英語対応や富裕層対応もきちんとできるリゾートが選ばれます。

・長期滞在でも飽きない規模の斜面(コース数、リフト数、標高差)
・長期滞在でも飽きない数のレストランや施設
・年間降雪量が多く、良質の天然雪がある
・英語対応

わたしが働いていた海外のスキーホリデー会社では、そのレベルのリゾートだけを選んでお客様を送客していました。北から順番に以下の通りです。

・富良野
・ニセコユナイテッド
・キロロ
・ルスツ
・妙高
・野沢温泉
・白馬
・志賀高原

この他にも、本州の6か所の歴史的なスキーリゾートが独自に海外プロモーションのアライアンスを組んだ「マウント6」に加盟する6つのリゾートで、上のリストと重複している野沢温泉や妙高以外の2か所も加えます。

・山形蔵王
・草津温泉

これらのリゾートは世界的にも有名であると言えますし、前述の国内客からも選ばれたリゾートの中から、さらに「選ばれた」リゾートでもあります。

とある歴史のある温泉リゾートにある、創業300年の旅館
建物の風格、サービス、食事わたしが過去に訪れた宿の中で最強の宿でした。

当然、このリストにないリゾートでも素晴らしいリゾートはいくつもあると思いますが、お客様たちは毎年世界の有名リゾートでホリデーを過ごされる目の肥えた方々。そんな彼らがわざわざ日本に滑りに来る理由は、前述のとおりパウダーですので、必然的にパウダーを滑ることができて、英語対応もきちんとしたホテルやスキービレッジのあるリゾートだけが選ばれてしまいます。

したがって今回は上述のリゾートを「有名リゾート」として話を続けます。

2.有名スキーリゾートじゃないとホリデーを楽しめないのか?

これらの有名リゾートは、憧れのリゾートであるだけではなく、ホリデーを楽しむのに必要なもののほぼ全てがあるリゾートではありますが、当然、宿泊も食事もリフト券も高く、常に混んでいて、特にハイシーズン(クリスマスや年末年始や、中華圏の旧正月)は、どのホテルも満室で宿泊できないことも多いことから、これら有名リゾートでホリデーを楽しむには、半年~1年前から計画をして、それなりの金額をかける覚悟が必要かもしれません。

実はこれら有名リゾートほど人気のないセカンドクラス(失礼な呼び方ですが、有名リゾートとの区別のために使わせていただきます)のリゾートでも、斜面だけ見れば有名リゾートに引けをとらないリゾートや、人気ホテルがゲレンデに隣接しているようなリゾートもありますので、もしリゾートの知名度やブランドにこだわりがなければ、これらのセカンドクラスのリゾートの中からホリデーの目的にピッタリのリゾートを見つけられます。

そうすればハイシーズンでも予約ができて、しかも格安で質の高いスキーホリデーを満喫することができるかもしれません。

地方部、特に北海道や東北には、知られざる名スキー場が多く残っています。

3.目的に合わせて最適なリゾートを見つける

ただ、わたしがスキーホリデー会社に勤めていたころのお客様には、いくら良いリゾートだからといってもセカンドクラスのリゾートを勧めることは滅多にしませんでした。理由は、彼らは遠路はるばる日本に来るのですから、日本のトップクラスのリゾートを滑りたいのです。たとえ、もしかしたらセカンドクラスのリゾートの中で、彼らの滞在目的にピッタリのリゾートがあるかもしれなくても。つまり彼らは世界一と言われる日本のパウダーを滑ってみたくて、帰国後に「日本に行って、ニセコで世界一のパウダーを堪能してきた!」と友人知人に言いたいのです。

ところが、わたしが自分のホリデーのためのリゾートや、友人から頼まれてリゾートを探す際には、よくセカンドクラスのリゾートを選びます。理由は、その方が目的に合ったホリデーを楽しめる場合が多いからです。

では、「目的に合わせる」の「目的」とは、具体的にどんなものでしょうか。以下にいくつかの例をあげてみます。

最初の例では「ホテルの滞在を楽しみたい」が目的で、その必須条件もしくは選ぶ際の最優先事項が、太字の「素敵なホテル」です。

・ホテルの滞在を楽しみたい目的。
 →素敵なホテルがあるリゾートを選ぶと思います。

・観光やナイトライフを楽しみたい目的。
 →観光名所で飲食店も充実しているリゾートを選ぶと思います。

・滑ることが中心
 →滑って楽しい、滑りやすい斜面が多いリゾートを選ぶと思います。

・全国に散らばる親戚一同で集まる機会にしたい。
 →全国どこからでもアクセスの良いリゾートを選ぶと思います。

・限られた予算で、混んでいないリゾートでのんびり過ごしたい。
 →あまり知られていない穴場のスキー場を狙うと思います。

大人だけのホリデーならリゾート内の徒歩での移動も苦にならなく、アプレースキー(=滑った後のリゾートライフ)を楽めます。その場合はスキービレッジがあるリゾートが向いています。


次回は上の目的(ホテル重視、滑り重視など)の中から一つを選び、
具体的にどのようにリゾートを選ぶかについて書いてみたいと思います。


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