高校生の頃のわたしが「倫理」の授業と夏目漱石「こころ」に出会って導かれたもの。
色々なことがあり、わたしは普通高校をほんのちょっとで退学していて、通信制高校に入学している。
それと同時に、その学習を支援してくれるサポート校にも入ることに。
そこは自由が許される分、自分のケツは自分で拭けよ、ってかんじで ちょっと大学に近いものがあった。
サボろうと思えばいくらでもサボれちゃうけど、自分に全部返ってくる。
かといって勉強大好き!とかじゃなかったわたしは
ほどほどに授業を受け、バイトをして、
趣味もあって好きなひともいたりいなかったりして、高校生らしい生活をしていた。
わたしにはすごく合っていた…とおもう。
なんというか…いろいろなことを自分で決めることができたから。
ただ、目標みたいなものは全然見つからないし、
わたしは何がしたいんだ、何になりたいんだ…って
ふと立ちはだかる壁みたいなのを横目に見ては、
無視して、漠然とした不安を抱えて…を繰り返す日々でもあって。
そんなとき、ほぼ同時に2つのものとわたしは出会う。
倫理の授業と、夏目漱石の「こころ」という作品に。
倫理の授業の中では、「哲学」と「心理学」という学問の存在を知る。
ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどの名前・考えを知り
ユングやフロイトの話を聞いて
なんっっって面白いんだ!!と、思う。
初めて、授業が…勉強が楽しいとおもった、もっと聞きたい、知りたいと思った。
人の心や人生、命や時間について考えることが、学問としてあるのか、って。
むちゃくちゃ面白くて、これなら一生考えられるよ!とおもった。
そして国語の授業の中で、夏目漱石の「こころ」とも出会う。
これも、ちょー衝撃だった。
慣れない文体なのに、なんだかどんどん読み進めてしまう。
教科書の中には一部しか掲載されていなくて、
気になって気になって、学校帰りに古本屋に立ち寄り、すぐに読み始めた。
わたしはそれまで小説とか積極的に読むタイプでもなかったし、
ハリーポッターとかの児童書は読んでいたけど、漫画のほうが好きだったから。
こんなに小説に引き込まれたのは初めてで。
読書への扉を開いてもらったのは、確実にこのときだ。
どちらとの出逢いも共通して、
わたしの気持ちを
「人のこころってなんだろう?」
「心の動きって不思議だな、おもしろいな」
というところに帰着させた。
今となっては割とどんな人とも話せるし、
いわゆるコミュ力は普通程度にあるほうだとおもうんだけど、、
中学生の頃いじめられた経験だとか、
自分の家庭がちょっといびつだなー、と感じていたこととか
そういう自身の経験とも重なって
この傷を癒す方法や、どうして?の答えが
もしかしたらそこにあるかもしれない、と考えるようになったことも、大きく影響してるとおもう。
あー、心理学…勉強してみたいかも。
という感じで
わたしの興味のベクトルは、心理学へ導かれたのだった。
何をしたいのか、何をしたらいいのかわからずにいたわたしの視界が
このときから少し、晴れはじめる。