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boyの秋、ふんだりけったり。

boy(15歳息子)の秋。

部活しか、学校に用事がなかった中学3年生の
boyの、部活生活がおしまいになり、さて、
これからどうするんかな、と思ってはいたが
案外忙しそうなboyの秋である。

自称「外に出るタイプの引きこもり」
であるboyを、いろいろな場所に誘ってくれる
大人がいて、平日、boyは親が居なくても、
その人たちと外出することがある。
もちろん体調がよければの話だが。

先日も、卵を販売しているひとの、
鶏小屋のお掃除をお願いされ、2時間ほど
結構な重労働をし、

「腰がしんだ」

と帰ってきた。報酬はなく、次の日すごく
咳こんでいた。

またある日は、さつまいもを掘るのを
手伝って欲しい、と言われたboyは、いく、
と言って出かけたのだが、また、

「腰がしんだ」

と帰ってきた。がんばりすぎたようだ。
その日はさすがに、いもがもらえるだろう、
と思っていた。
しかし、いもは一本ももらえず
代わりに、掘りたての落花生を少しもらって
帰ってきたのだが、boyは落花生は
一粒食べたらしんでおしまいになるほどの、
重度のピーナッツアレルギーなので、
結果的に報酬はなしだ。

その話を聞いた夫が、

「おまえ。闇バイト、させられとるんか?」

と言ったので、

「報酬がないんだから、バイトでもない」

とboyはふてくされて言った。夫は、

「なら地下労働者やな、ふぉっふぉっ」

とわらったので、気の毒だった。

昨日は、玄関から

「ギャアア!」

とboyの叫び声。boyは干物を作るための
干し網を手に、固まっていた。

「まじかー。まじかー。」

と繰り返している。見ると、3日前にboyが
仕込んで干していた、魚の干物が、全て
無くなっている。たしか6匹くらい
あったはずだが。
何ものかの獣が、玄関先に干していた
干物の網をかみちぎって、
全てかっさらっていったようだ。

かわいそうなboy。
boyの秋は、ふんだりけったり。
おまけに秋は、始まったばかりだというのに、もう終わりの予感がする。

こたつを出した。
これからは、さむいさむいという日々。
boyはコーヒーがすきになった。

まあ、がっかりするな、boyよ。
報われなかった事ほど、記憶に残るんだから。



ダラさま
イラスト使わせていただきました。
ありがとうございました!

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