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あの日、ELLEGARDENの音楽があったから
音楽と出会うには、おおよそ文脈がある。兄弟が好きなアーティスト、映画やドラマで流れる主題歌、クラスメイトに借りたCD。聞いているうちに、好きなバンドが生まれて、なんとなくの系統ができていく。
私にとってELLEGARDENは、そのどれでもなかった。まるで突風のごとく。ある日ケーブルテレビの音楽チャンネルに流れる「Red Hot」に釘付けになった。一瞬にしてぐっさりと射抜かれてしまったのだ。
M
眠れない夜の隙間に聴きたい、the HIATUSの音楽
駆け抜ける日々の中では後悔さえも消え入りやすい。日常はできるだけ前向きに、やるべきことをこなしながら一定のテンポで進んでいく。不甲斐なさによる落胆も、心が絞られるような悔しさも、交わらなかった気持ちも、大人になればなるほど封じ込めるのが上手くなる。
30度近くあった気温がひゅんと下降し、夏の名残りと冬の気配が混ざり合う。普段は冷静さを装える心が妙に揺れ動くのは、ひんやりとした空気の中で、いつかの
Cメロを制すものはエモを制す説
突然ですが、Cメロはお好きですか。
えっ、Cメロってなに???
私も細かい定義はよくわかってないのだけど、最後のサビ(大サビ)に入る前の旋律とでも言ったらいいのでしょうか。AメロでもBメロでもない、突如変則的に登場するメロディですね。いまピンとこなくても、実際に曲を聞いたら「あぁ、あの部分ね!」と理解していただけるはず。
かねがね思っていました。
Cメロの効果すごいよな、と。
いい曲はA
BLUE ENCOUNT「ユメミグサ」が包んだ青春の情景
生きている中で、いくつもの「さよなら」が通り過ぎた。
前を向けよ。大人になれよ。どこからともなく聞こえてくる声に押し潰されそうになる。
次第に、未練や後悔はかっこ悪いものだと擦り込まれていったように思う。年齢を重ねるほど、経験を積むほど、見えないしがらみは強くなった。
人間は大人になるにつれ、なにも感じないフリがうまくなっていくようだ。それは、時に生きやすさにも繋がるのかもしれない。けれど、本
エモーショナルな夜明けが見せてくれた音楽との未来
午前3時40分、目覚ましが鳴る。
子どもたちを起こさないようにそーっとベッドを抜け出した。2階の寝室からリビングまで忍び足で階段を降りる。
しん、と静まったリビングは主役不在のステージのようだ。眠気覚ましに淹れたコーヒーのコポコポコポという音が緊張を溶かしていく。
10分前。YouTubeから届いたメールを確認して、テレビ内蔵のアプリをオンにした。
「ELLEGARDEN_OFFICIAL
BUMP OF CHICKENが歌う「強さ」と「強がり」の境界線
人の強さってなんだろう?
頭の隅にずっとありながら答えが出なかった問いだ。誰かの言葉で簡単に傷ついたり、誰かをむやみに傷つけたりしない強さを持った人間になりたかった。
なのに、そうあろうとすればするほど本当の自分を置き去りにしているように思えた。強さの意味を履き違えていた。
BUMP OF CHICKENの音楽と出会ったのは、そんな自分を持て余していた10代と20代の狭間だった。
うだる暑さ