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【行動経済学入門】ジャムの法則:購買行動に与える影響

こんにちは。micです。

私が行動経済学に興味を持ったのは、マーケティングの仕事をしている中で、消費者の行動や意思決定がどのように形成されるのかを深く理解したいと思ったからです。

日々の業務で、顧客の心理や行動パターンが売上に与える影響を実感する中で、単なる数字やデータだけではなく、人間の感情や直感がどれほど重要であるかを理解し始めたからです。

行動経済学は、従来の経済学が想定する「常に合理的な人間」とは異なり、実際の人間行動をよりリアルに反映しています。

以前に行動経済学の基本的な特徴や理論をご紹介しました。
(まだご覧になっていない方は、ぜひ見てもらえると嬉しいです。)

皆さんは、たくさんの選択肢があると嬉しくなる反面、どれを選べばいいか迷ってしまった経験はありませんか?

この現象、実は行動経済学で「ジャムの法則」として知られています。

今回は、このジャムの法則について深掘りし、ビジネスへの応用や注意点についても考えてみましょう。

※この記事は Perplexity をベースに調査・執筆しています。


ジャムの法則とは?

ジャムの法則は、選択肢が多すぎると逆に選択が難しくなり、購買行動が抑制されるという心理現象を指します。この法則は「選択のパラドックス」や「決定回避の法則」とも呼ばれています。

ジャムの試食販売

この法則の名前の由来となったのは、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授らが行った実験です。

  • スーパーマーケットでジャムの試食販売を実施

  • 6種類のジャムと24種類のジャムを別々に販売

結果は以下の通りになりました。

  • 24種類のジャム:多くの人が試食に立ち寄ったが、購入率はわずか3%

  • 6種類のジャム:試食者は少なかったが、購入率は30%に達した

この実験結果は、選択肢が少ない方が購入率が高くなることを明確に示しました。

なぜ選択肢が多いと決断が難しくなるのか?

人間の心理には、以下のような傾向があります。

  1. 比較・検討のストレス:選択肢が多いと、それぞれを比較・検討する必要があり、精神的な負担が増加します。

  2. 機会損失への恐れ:「もしかしたら、他のものを選んだ方が良かったかも」という後悔の念が生じやすくなります。

  3. 完璧主義:最適な選択をしたいという欲求が強くなり、決断を躊躇してしまいます。

  4. 認知的オーバーロード:情報が多すぎて、脳が処理しきれなくなります。

ビジネスへの応用

ジャムの法則を考慮したマーケティング戦略には、以下のようなものがあります。

  1. 商品のカテゴリー化
    例:アパレルショップで、「カジュアル」「フォーマル」「スポーツ」などのカテゴリーを設ける

  2. おすすめ商品の提示
    例:Amazonの「この商品を見た人はこんな商品も見ています」機能

  3. 購入ガイドの作成
    例:カメラ店で、用途別に最適な機種を紹介するガイドを用意する

  4. レビュー・評価システムの導入
    例:楽天市場の星評価システム

  5. 選択肢を適切な数に絞り込む
    例:スターバックスのドリンクメニューは、カスタマイズオプションが多いものの、基本的なメニュー数は比較的少ない

選択肢を絞らない方が良いケース

しかし、ジャムの法則が常に適用されるわけではありません。
選択肢を多く提供することが効果的なケースもあります。

  1. 顧客の多様なニーズに対応する場合
    例:ユニクロのカラーバリエーション豊富なベーシックアイテム

  2. 商品特性上、バリエーションが重要な場合
    例:ゴディバのチョコレート詰め合わせ

  3. 専門性の高い商品やサービスの場合
    例:プロ向けカメラ機材店の豊富な品揃え

  4. ブランドの強みが多様性にある場合
    例:コストコの「トレジャーハント」的な買い物体験

  5. 長期的な顧客関係を構築する場合
    例:Amazonプライムの多様なサービス展開

選択肢が多い場合の工夫

選択肢を多く提供する場合でも、アイディア次第で顧客の選択をサポートできます。

  • 効果的なカテゴリー分け:商品を適切にグループ化し、顧客が必要な商品を見つけやすくする

  • 検索機能の充実:詳細な検索条件を設定できるようにする

  • おすすめ商品の提示:AIを活用したパーソナライズド推薦システムの導入

  • 比較機能の提供:複数の商品を簡単に比較できるツールを用意する

  • 段階的な選択プロセス:大きな分類から徐々に絞り込んでいくプロセスを設計する

まとめ

いかがでしょうか。

ジャムの法則は、消費者心理を理解し、効果的なマーケティング戦略を立てる上で重要な概念です。

しかし、単純に「選択肢は少ないほうが良い」と解釈するのは危険です。

ビジネスの性質、顧客のニーズ、商品の特性などを総合的に考慮し、適切な選択肢の数を検討することが重要です。

また、選択肢が多い場合でも、効果的な提示方法や選択支援ツールを用意することで、顧客の決断を助けることができます。

最終的には、顧客にとって価値のある選択肢を適切に提供し、スムーズな意思決定をサポートすることが、ビジネスの成功につながるでしょう。


今後も皆様のお役に立てる情報を発信して参りますので、フォローしていただけますと励みになります。

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mic | エンジニア×Webライター
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