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【読書感想】世界最高峰の研究者たちが教えるストレス解消法/田中 はじめ

「世界最高峰の研究者たちが教えるストレス解消法」こちらの本、読みました。

メンタルヘルス関連の本は今回で22冊目です。
これまでのメンタルヘルス関連の記事は以下マガジンにまとめています。


本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

ハーバード大学、スタンフォード大学などで効果が実証されたストレスの減らし方!
現代社会に生きている人は、いつもストレスにさらされています。
テクノロジーが発達し、仕事でもプライベートでもいつでも連絡が取れる状況です。
起きてる時間のほとんどがスイッチオンの状況です。これではストレスが溜まるのは当たり前です。
こんな時代の私たちにとってストレスをコントールするこをは必要不可欠です。
本書では、世界の最新の研究をもとに、ストレスを軽減する方法や、メンタルヘルスに効く方法、人はなぜストレスを感じてしまうのかなどを紹介しています。
また本書に掲載しているものをすべて実践する必要はありません。無理のない範囲でしてみてください。
一つでも実践していただければ、ストレスが軽くなることは間違いありません。

こんな感じの本です。

1つのトピックが2~3ページにまとめられていて、1つのトピックの流れは「導入」→「研究データの解説」→「締め」といった感じの構成です。
※後ほどいくつか引用しますが、「導入」部分は割愛して「研究データの解説」以降を引用する予定です

この感じは、私がよく記事にしている内藤 誼人さんの構成に似ているなと思いました。
取り扱っているテーマにも近いものがあります。

「読みやすさ」と「研究データによる納得感」があり、良さげでした。

著者情報

本書の著者である「田中 はじめ」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。

いくつか引用と感想

ストレスでジャンクフードを食べてしまう理由

米国コロラド大学のリサ・マーシャルらの研究で、ジャンクフードが腸内細菌を破壊し、腸と脳をつなぐ複雑な経路を通じて、脳内化学物質に影響を与えて不安が大きくなることがわかりました。ジャンフードが健康食品でないことは誰でも知っています。しかも、体重増加にも大きく影響をしています。
以前の研究では、高脂肪食を与えられたラットが、神経炎症と不安行動の増加を示すことも発見されています。すべての脂肪が悪いわけではなく、魚、オリーブオイル、ナッツ、種子に含まれるような健康的な脂肪は抗炎症作用があり、脳に良いとことが証明されています。しかし、ジャンクフードに含まれる飽和脂肪酸を取りすぎると、短期的に不安が高まり、将来的に脳が不安になりやすくなってしまうのです。

この研究の結果から、ピザやフライドポテトなどのファストフードはできるだけ避けたほうがよいといえるでしょう。
せめて、ハンバーガーを食べるときなどは、トマトやアボカドのスライス、玉ねぎなどの野菜を追加するようにしましょう。
他の研究によると、良い脂肪は悪い脂肪を打ち消すことができるみたいなので、どうしてもジャンクフードが食べたくなってしまったときは、野菜も必ず取るようにしてくださいね。

今回の引用で紹介されている研究データを読むと、思った以上にジャンクフードの悪影響は大きそうだなと思いました。

ストレスが溜まると、ついドカ食いしてしまいます。
しかも刺激が強い食べものを選んでしまいがちで、ジャンクフードはその筆頭ですね。
このジャンクフードが悪循環の始まりな気がします。

「ストレスが溜まる」→「ジャンクフードを食べる」→「不安が大きくなる」→「ストレスが溜まる」→「ジャンクフードを食べる」…の繰り返しになりそうです。
この繰り返しによって体重も増えていくんだろうなと。

この悪循環から抜け出すために、なるべくファストフードを食べない。
もしくは妥協点としてファストフードに野菜を追加する。
こういった対策が今回の引用には書かれています。

ただ、このあたりの対策で悪循環を抜け出すのは難しい気がしました。
個人的には、そもそもストレスをなるべく溜めないことを目指したいなと思いました。それも難しいですけど。

少し脱線しますが、OCR処理した今回の引用文をチェックしたところ「脳に良いとことが証明されています」の部分に誤植を発見しました。
誤植だとは思うのですが、引用文は原文のままの方が良さそうだなと思ったのでそのままとしました。

意地悪な目線かもしれませんが、誤植らしきものを見つけると若干テンションが上がります。

通勤時間がメンタルヘルスにつながる場合もある

米国ラトガース大学のクリスティ・L・マカルパインの研究で、実は通勤時間がメンタルヘルスに役立っていることがわかったのです。
通勤時間は、仕事と家庭の両方から解放され、仕事で疲れた体と心を回復するための時間で、精神的に家庭にギアを切り替えるために必要な時間であるということがわかりました。
リモートワークの移行にともない、多くの人は通勤という、仕事とプライベートのギアを切り替える機会を失ってしまったのです。精神的にギアチェンジする方法がないと、人は役割の曖昧さを感じ、ストレスにつながります。また、精神的に仕事から離れないと、常に頭が仕事モードのままになってしまい燃え尽き症候群に陥る可能性もあります。
米国ウェイン州立大学のマシュー・ピシュチェクの研究で、80人の大学職員の1週間の通勤について調査しました。朝夕にアンケートを実施し、通勤の特徴、通勤中に「仕事から離れて」リラックスしたか、帰宅時に精神的に疲れを感じたかなどを尋ねました。
この調査に参加した大学職員のほとんどが、通勤の時間を利用して、仕事から家庭へ精神的にうまく移行することができたと報告をしています。

たとえば、リモートワークの人は、仕事の始まりと終わりを示すために15分間の散歩など、回復と移行のための習慣をつけることによって、通勤と同じ効果が得られる可能性があります。仕事とプライベートの境界線を設けることはメンタルヘルスにとってとても重要なことです。
どうも、人間はいつまでもスイッチがオンの状況になっていると精神的に疲れてしまうようです。仕事とプライベートの切り替えスイッチになる時間が人間には必要みたいなのです。

通勤がない方がメンタルヘルス的には良いかなと思っていたのですが、どうやらそうでもないようです。
個人的にはリモートワーク主体になってからストレスが軽減した感覚があります。
仕事とプライベートの切り替えがうまく出来ているのかもしれません。
…とも思いましたが、リモートワークによって仕事とプライベートの境界が曖昧になっている気がしています。

ただ、通勤していた頃も仕事とプライベートの境界が曖昧だった気がします。
仕事が終わって電車で帰っている時間は解放感もありましたが、一旦仕事から離れたタイミングで浮かぶアイデアや引っかかりも多くあります。

そういった通勤中に浮かんだ事柄を、家に着いてからメモしたり調べたり。
自分の場合は、通勤時間による切り替えがあまり機能していなかったのかもしれません。

ただ、先ほども触れましたがリモートワーク主体になってストレスが軽減した感覚はあります。
これはきっと、リモートワークになってシンプルに通勤の大変さが無くなった影響かもなと。

ちなみに、今回引用した研究データに通勤手段の記述がなかったのが気になりました。
想像になりますが、満員電車だとさすがにメンタルヘルスには繋がらない気がしています。

車で通勤している人や、座れるくらいの電車での通勤なら、今回の引用に書かれているような効果が見込めそうだなと思いました。

発酵食品を食べるとメンタルヘルスに良い

アイルランドにあるAPCマイクロバイオーム研究所のキルステン・バーディングらの研究所で、発酵食品を4週間多く食べるだけでストレスや不安が軽減されることがわかったのです。キルステン・バーディングらは18~59歳の健康な45人を募集しました。半数以上が女性です。参加者は2つのグループに分けられました。1つのグループには、栄養士が考えた発酵食品の摂取量を増やす食事を4週間取ってもらいました。もう1つのグループには、特に発酵食品などを考えずに普通のメニューの食事をしてもらいました。
その結果、発酵食品の摂取量を増やしたグループでストレスや不安が軽減されたのです。また、その結果は、参加者が食事をどれだけ厳密に守ったのかが、ストレスレベルとの間に相関がありました。つまり、きちんと発酵食品を摂取した人は、ストレスや不安の軽減の度合が大きかったのです。
興味深いことに、睡眠の質も大幅に改善されることも明らかになったのです。
発酵食品を食べると、食品に含まれる微生物によって腸内環境が整えられます。この研究のような食事は、腸内環境が整えられ、メンタルヘルスの改善につながることがわかったのです。

納豆を毎日食べている身としては嬉しいデータなので引用してみました。
ダイエット目的で食べ始めた納豆に、メンタルヘルスの改善や睡眠の質の改善が見込めるのはラッキーでした。

実は今回の引用に続く形で発酵食品を何個か挙げているのですが、長くなってしまうため割愛しました。
代わりに発酵食品一覧が載っているサイトをリンクしておきます。

私も発酵食品一覧を確認しましたが、割と好きなものが多かったです(キムチ、ヨーグルト、チーズなど)。
なので、もう少し発酵食品を食べる量を増やしても良さそうだなと思いました。
メンタルヘルスや睡眠の質に良い影響を与えるようですし、毎日納豆を食べる習慣も続けつつ。

おわりに

ということで「世界最高峰の研究者たちが教えるストレス解消法」に関してアレコレ書いてみました。

今回の記事で引用したのは、

  • ストレスでジャンクフードを食べてしまう理由

  • 通勤時間がメンタルヘルスにつながる場合もある

  • 発酵食品を食べるとメンタルヘルスに良い

の3つでした。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

「メンタルヘルス」関連の読書感想をマガジンにまとめています。
こちらも良ければぜひ。


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