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#国際男性デー イベントに参加してみました
こちらは元バリキャリ(?)ワーママがキャリアブレイクしてプロ専業主婦(見習い)になった立場で、仕事や子育てについて気ままに語るnoteです。
note始めて気付けば1か月が経ったようですっかりペースが落ちてきましたが、今日も思うがままに書いていきます。
11月19日は国際男性デー
「国際男性デー(International Men's Day)」は、男性・男の子の心身の健康に目を向け、ジェンダー平等を促すことを趣旨として、1999年にトリニダード・トバゴで始まったとされる記念日です。
国際女性デー(3月8日)とは異なり、国連の定める記念日にはなっていませんが、世界各国で男性のジェンダー問題を考えるイベントなどが多く行われています。
国際女性デーはここ数年盛り上がりを見せてきているが、国際男性デーについて、私は今まで存在を知らなかった。
今回、以前よりお仕事でお世話になっていたXtalent社代表の上原さんがFacebookでこのイベントについて以下のような告知文を掲載されており、そこに共感を覚えたので参加してみることにした。
女性に「女性らしさ」なるものを求める固定観念があるのと同様に、男性には「男らしさ」が求められ、それは職場の空気感、上司の価値観だけでなく当事者の内面にも潜んでいるものです。これが従来の父親像から変わりたい、と思っている男性を苦しめているのではと感じているのです。
そしてこの問題は表裏一体で、結局このままじゃみんな生きづらいのでは??となるので、シンプルになんとかしたいと思ってます。
イベントのざっくり内容
登壇者はリクルートワークス研究所の筒井さん、元駐夫のジャーナリスト小西さん、Xtalent社の代表の上原さんという男性3名。
なお、研究員の筒井さんが今回のイベントでたくさん引用されていたのは男性性の専門家である多賀先生の調査・論文だった。その多賀先生のインタビュー記事も後で検索して読んでみたらとても面白かったのでぜひお時間がある方には読んで欲しい。
「男性らしさ」ってなんだろう?という問いかけから始まったこのイベントの前半では、”伝統的な男性らしさ”と”新たな男性らしさ”についての調査がいくつか紹介された。
伝統的な男性らしさとは、肉体的に強く、金銭的に稼いでいて、精神的に女性をリードして…のような役割期待であり、一方で近年は女性活躍・男女平等のもとでケアリング・マスキュリニティ(ケアをする男性性)が求められているという。
伝統的な男性らしさは「競争に勝つ」のような意識に基づくものであり、本人の意識的なものなのか無意識なものなのか、仕事でも野心的に働き配偶者よりも稼がなければというプレッシャーに晒されているというのだ。
昨今のジェンダー平等、女性活躍といった流れのなかで、家庭役割をもっと果たしたいと思っている男性の生きづらさや、配偶者に年収において負けてしまったときの敗北感、周囲の目みたいなものを含めた様々な調査や体験談が紹介された。
今回のイベントではとにかく共感ポイントが多かったため、感想を思うがままに書いてしまうととんでもなく長文になりそうな気がするので、個人的に深く頷いた2つの点について触れたい。
①新しい男性らしさ。それは役割の転換ではなく、役割の追加である。
イベントの最中に、参加者から以下のようなコメントが入った。
「役割の転換というよりは役割の追加ですね」
”伝統的な男性らしさ”から”新しい男性らしさ”へ。
伝統的な男性らしさを無くしていいよという空気感は社会からも当事者の内面からも抜けたようには到底思えない。仕事も頑張りつつ、家事育児も頑張ろうねという空気感はまさに役割の追加だろう。
ちなみにnoteでもこの男性性についてレポートをまとめていた方がいらっしゃった。
レポートの引用でも答えとなるようなものがあった。
仕事での競争意識が強い男性の方が家事育児の頻度も高くなる。
従来「女性の仕事」だとみなされてきた家事のようなケア役割が、今や「男性もすべき仕事」 と見なされるようになってきている。しかし、だからといって男性が職業労働を期待されなくなったわけではない。「仕事での成功」は、依然として男性アイデンティティを支える重要な要素であり続けている。
競争に勝つことが「男らしさ」と同一視される社会において、「男らしくありたい」と願う男性は、 競争意識も高いだろう。そして、そうした男性は、職業労働であろうが家事労働であろうが、「男がすべき」とみなされることならぬかりなく、むしろ積極的にこなそうとするだろう。家事が「男もすべき」仕事となった以上、家事をしないという選択肢はないし、他の男性たちに家事で負け たくない。あるいは、それほど家事をやっていなくても、少なくとも自分はしっかりと家事をやっていることにしておきたい。そうした気持ちが回答傾向に表れていることが考えられる。 いずれにせよ彼らは、かつて「女らしい」とみなされていた活動を、旧来の「男らしい」やり 方で遂行しているといえるのではないだろうか。
デキる男の人ほど、仕事も家庭も完璧にこなす自分になりたくて葛藤していることが伺える。まさに役割の追加が生じている。
②この壁を突破するキードライバーは何か?
イベントが進むにつれて、後半では参加者からこのようなコメントも挙がった。
「葛藤や生きづらさが存在するのは理解できた。この壁を突破するにはどうしたらよいのだろうか?」
イベント内では、ここで明確な答えを出そうというよりも、引き続き皆で考え続けていきましょうという終わり方になったが、個人的には紹介されたアンケート結果にその答えの一端がある気がした。
![](https://assets.st-note.com/img/1732090703-3lZJAXO5deHQ8MCiKTYU1uzE.png?width=1200)
「男らしさ」を求められる職場で昇進を果たした意思決定層の生存者バイアスが、中間管理職から一般社員に対する過度なプレッシャーに繋がっている可能性が考えられる。
ご覧のとおり、男性らしさの固定概念がポジティブ、ネガティブに働いているかという主旨の質問に対し、各項目の割合が経営者とそれ以外で全く異なっているのだ。平たくいえば、経営層だけが「男らしいっていいよね!」となっていて、マネージャー以下の層は従来の男らしさに苦しみを感じているという大きな溝が生じている。
なお、イベント内で紹介された調査ではこの”男性らしさ”という概念自体、全く意識的にも行動的にも認識していない層も一定いるようだ。そのような状態では、葛藤を感じている層との乖離は広がる一方だろう。
イベント途中、筒井さんより「日本は政策も制度も進んでいる。不足しているのは社会規範(空気感)だ」という言葉があった。
私自身は「女性らしさ」の呪縛みたいなものはあまり感じてこなかったが、ここでいう男性らしさの要素が強めな「自分らしさ」の呪縛のようなものはずっと感じてきた気がしている。幼い頃から負けず嫌いだったので、勝てない勝負は一切しない代わりに、「勝てそう」「出来そう」だと思ったものは全てやり切る私が自分であると思ってきた。
なので、幾らワーママ向けの制度や仕組みが整ったとしても、周囲の優しさ(庇護的な優しさ)は受入れたくないと思っていたし、自分がやれると思ったものに対しては何とかしてやる方法を考える意識、それがもたらす壁の方がよっぽど高かった。
いくら制度が整っても「助けが必要な人のための制度はあるよ。俺たち(生存競争で勝ち残ってきた人材)は使わないけどね」という空気感が残っている限り、男性らしさ(競争意識の強い人間)の呪縛がある人の生きづらさは解消されないだろう。
この壁を突破する方法に戻るが、個人的には数十年前とは異なる多重役割社会の実態、そのなかで一定の層が感じている葛藤の認知を高めることが重要なのではないかと感じている。
幼少期からの刷り込みや一つ前の世代からの影響を受けたなかで形成された価値観と、近年付加され続けている期待役割の狭間で多重役割による負荷が集中しているのではないかという、まさに私自身のここ数年の関心テーマの領域と重なる部分が多かった。
とても真面目な話になったが、引き続きこの問題の解決策について(プロ専業主婦見習いとして?)考えていきたい。
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