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周辺

夏も終わり、もぬけのから、身体は、カラカラに乾いて、刺激的な過去が、今の邪魔をして、システマチックなものに磔にされ、些細な事が痛いのよ、と、語る君の詭弁、機械的な街で撮り続ける写真、怠惰に連動する秋雨前線や、台風に抵抗する堤防、うつろう世界の狭間で、別れ話を翻訳して、量子もつれが云々と語りかける物理学的な狂騒、レジスタンスが打倒するファシズムや、統計学的な共依存の恐怖に震えたり、幼気な君たちを、救済するとかと強制的に迫るだけの、愛憎の正体や、蝉蛻を終えた蝉たちも、自転車に踏まれ、ぺちゃんこになっているのに、悲しくないのは、なんでだろうと、悩む子供たち、立場を利用して、出し抜く大人たちや、退廃的な受信を繰り返す電波塔の役目たる、ボードレールの梅毒、不感症に苦しむ髪の長い女性、無重力の最中、境目もなく、出たり入ったりして、別れた途端に、誰かの所有物になってしまった君たち、隔てるものばかりが、今を占有して、自らの領域だとかと、うるさいだけだから、森の中で、馬たちの蹄鉄を外す君の後ろ姿や、服用する真理の錠剤、あらゆる普遍性を駆逐する戦闘機が飛び交う音、偶像崇拝の鼓動、ラクシュミーと遊ぶ私には、災いですら、賑わいにすぎず、償いなんてものは、必要なく、度重なる憎しみも、途端に回収され、ゴミ処理場に捨ててしまい、死んでからが、スタートであるから、また、会えるねと、悲しむ事は無く、生を満喫し、永続する命の先々では、確かな思いを巻き込み、漂う愛だけが、今の栄養に変わり、愛とは、認識し、感じる事でしか、わからず、変わらないものである愛や、そこで、求めるだけの、ひとりよがりな愛に騙されずに、愛するという事を、認識し続け、つたない愛にすら、気付けるように、鍛錬する。

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