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真崎守プロジェクト

60年代後半から70年代を全力疾走したマンガ家の記録。
真崎守ご本人とご家族の協力の元、全資料を整理しています。 日本のアニメや、マンガの土台を作る時期に…
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記事一覧

資料整理日記⑤

いずれ開催される真崎守原画展に向けて、カラー原画の確認作業を実施した。   カラー原画の多くは雑誌表紙で、清彗社発行の「だっくす」「ぱふ」とその後釜雑誌「ふゅーじょんぷろだくと」「Comic Box」(1978年~1982年)と、野草社発行の「80年代」(1980年~1988年)が中心となる。これに単行本やまんが作品雑誌掲載時のカラー扉絵等を加えると結構な枚数になり「これは(原画展が開催されれば)なかなかの規模になるかも」と心躍るものがある。   そして、今回驚いたことが2点

資料整理日記④

真崎守著「わたしの手塚治虫体験」という書籍がある(写真①) これは、手塚治虫死去の翌年1990年に出版され、(一)と銘打たれていたが(売れ行きが芳しくなかったせいか)続刊が出なかった本である。 虫プロ社員として手塚治虫を間近に見、それ以前から手塚漫画のヘビーな読み手であった真崎守が、手塚作品に対する考察と自身の人生を語った貴重な内容で、この「第一巻」では真崎守の幼少期から中学卒業までが書かれている。   真崎守は「ことば」を駆使する漫画家であり、自分のことも度々語っているもの

〈もり・まさき〉のデビュー作に魅せられて

 こちらの記事にコメントを書いたら、橘川さんから何か書かないかとリクエストがあったので、1回だけ書かせていただくことにした。14歳の読者だった時代からの思い出話なので、〈もり・まさき〉時代については敬称略としたが、その点、ご容赦いただきたい) 〈もり・まさき〉との遭遇 私が〈もり・まさき〉という名前に出会ったのは、確か昭和39(1964)年、東京オリンピックのあった年のことだ。場所は私が生まれ育った静岡県富士市市内の家から近い焼きそば店(現在も食堂として存続)。焼きそばやお

資料整理日記③

地獄狼が主役の作品群のうち唯一単行本化されたのが「ながれ者の系譜・地獄狼篇」(写真①、1973年、青林堂) これはヤングコミック1972年1月12日号~3月22日号に掲載された全6話に、旧作を修正した2話が加えられている。 その加えられた2作のうち一つが、漫画パンチ1969年8月13日号に掲載された「愛は死の臭い」という作品で、「THE OUTLAW IN THIS JUNGLE~」と冠された、地獄狼番外編3作の一作目」(写真②)   それで、今回確認された原稿を見ると、写真

峠あかね批評集(1)COM 1967年 2月号

峠あかね批評集(1) 真崎守は、1963年に手塚治虫の虫プロに入社。アニメ番組の制作進行などを担当した。また虫プロで発行していた「COM」の漫画投稿コーナー「ぐら・こん」で、峠あかねの名前で新人マンガ家の作品レビューを行っていた。真崎守プロジェクトでは、峠あかね名義の批評集をまとめていくことにした。 COM 1967年 2月号    映画の世界が、コメカミにシワ寄せて、「もはや言葉を失った…」などと気どって、一九六六年を回顧しながら失望している時だから、創作活動という

(PR)だから私は41歳年上の夫と暮らしています/恋池りも/『イコール』24年秋号掲載予定の原稿です。

『イコール』で、マンガの連載がはじまります。 ご期待ください。 連載開始・第一回 Age Gap Marriage Manga だから私は41歳年上の夫と暮らしています恋池りも 漫画の専門学校で知り合った先生と生徒が結婚。年齢差41歳の「年の差婚」。そしたら、あっという間に夫が認知症に。いろんなことがありすぎの夫婦のリアルな生活。 ●橘川● 真崎さんは、橘川の20代の時のメンターですが、10数年前に奥さんを紹介されてびっくりしました(笑)。個人的な興味もありますが、社

復刻1「なぞのヘソ島」

真崎守プロジェクトでは、過去の真崎さんの作品を復刻していきます。 第一弾は、1988年に発行された絵本「なぞのヘソ島」です。 なぞのヘソ島 橘川幸夫 (著), 真崎 守 (イラスト) 「なぞのヘソ島」は、1988年に橘川幸夫の物語と真崎守の絵で制作された絵本です。 2024年、マンガ、アニメの世界で活躍した真崎守の作品をまとめる「真崎守プロジェクト」がスタートし、復刻第一作として本書が刊行されました。 ▼あらすじ 「ヘソ島」は世界中のへそ曲がりの流刑地で、その子孫が生活

資料整理日記②

真崎守作品におけるお馴染みキャラクター・地獄狼 彼は単行本化されている作品だけでも下記に登場している。   ①ながれ者の系譜・地獄狼篇(1972年ヤングコミック連載+1969年と1970年の別誌短編) ②キバの紋章(1971年週刊少年マガジン連載) ③花と修羅(1973年週刊プレイボーイ連載) ④ナガレ(1970年週刊少年マガジン連載)   このうち地獄狼が主役なのは①だけで②~④では脇役なのだけれど 実はこれより前、1967~1969年に、地獄狼を主役にした「地獄狼無頼伝」

資料整理日記①

3月後半から、土日祝の日中を利用して、真崎守先生の原稿整理を細々と行っている。 雑誌や単行本に印刷された漫画作品に比べ、生原稿がその精密さや鮮やかさにおいて優っているのは論を待たない事実で、こればかりはいくら印刷技術が進歩してもどうしようもない。 だからこそ、現在においてなお「原画展」なる催しが特別な意味を持ち、輝きを放っているわけで、今回、縁あって真崎守プロジェクトで生原稿に触れられることになった幸運には、長年のファンとしてまさに感謝してもしきれない。   生原稿がそれだけ

原画整理日記

日曜日は、サラリーマンの最中さんが、朝から真崎さんの原画整理。ランチして、ダイソーにいってA3のファイルをあるだけ買った。 写植剥がれたり、汚れついたり、残念だが、なるべく現存保存したい。 ある程度整理できたら、真崎さんの古い関係者に会ってまわりたい。

なぞのヘソ島 AI動画。

真崎守(まさき・もり) 略歴  

本名・森柾(もり・まさき)  1941年3月10日 神奈川県横浜市に生まれる    1945年5月 横浜大空襲を体験、学童疎開で岐阜県高山市へ移る   1959年3月 岐阜県立斐太高校を卒業  1960年 貸本「街」の新人募集に応募した「雨の白い平行線」「暗い静かな夜」が入選し掲載される(PNは「もり・まさき」)。翌年7月まで5作掲載後、投稿を中断   1963年8月 上京し虫プロダクションに入社、TVアニメの演出や制作を担当する(「ジャングル大帝」「わんぱく探偵団」「佐武と