メン獄『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』から得た知見
Excelをマウスなしで使いこなすのが最低条件。そう、上記引用のとおり、恐ろしい日常を送っているコンサルタントが記したのが本書である。
コンサルタントの何たるかもしらず、コンサルティング会社にまったく興味がなく、アナリストとコンサルタントの違いもわからない。それなのに友人に勧められるままに買ったら、あっという間に読んでしまった。いまのところ今年No.1の本である。
ここでは、校閲者の観点から、自分のビジネスに役立ちそうなところを引用し、考察を述べてみる。
ミスを減らすためには
このまま校閲者に当てはまる内容だ。たとえば素読みでは何をチェックするのか、JustRight!には何を期待するのか、機械の「校正結果」をどこまで検証して校正紙に記入するのか、目視でしか追えないミスは何か。そうしたことをきちんと言語化しておく(マニュアルを自分で作っておく)重要性が、やっと最近わかってきた。本書で言っているのは、まさにそういうことではないか。
校閲者の「集合知」をつくりたい
何か知りたいことがあればもちろんだが、そうではなくとも、会社や組織においては、ふだんからその問題に一番詳しい人に話を聞いておくというのは大事なことだ。
だが、フリーランスにはそれが難しい。
校閲者は、自分がしたミスを「二度と出さない」というだけではない。「他人のミスを自分のミスのように心に刻んで」経験を蓄積していくこともできる。
そこでわたしは、twitterで校正プロダクションや新聞社が「ミスの例」を出しているのを読んでは、自分のリストに溜めている。
だが、これをもっと広げられないだろうか。「他人のミスは自分の経験」なのだから、校正・校閲者が「自分の出したミス」を置いておき、メンバーならばそれを見ることのできるクローズドな空間。そういうのがあったらな、と最近せつに思う。
校正・校閲者コミュニティともいえるかもしれない。しかし、いろんな機能を持ち、同業者が悩みを相談できるといった、至れり尽くせりのコミュニティは自分には主宰できない。
「自分の出したミス」を置いておく会員制の場所、というだけの場所を作りたいのだけれど、どうしたらよいだろう。
そもそも、そんなことを考えているのが自分だけなのであれば、このコミュニティは成立しない。一度Twitterで校正者・校閲者に諮ってみようかな。賛同者が多かったら安価な会費制にしてやってみたい。
「気持ち悪さの勘」は言語化せよ
「気持ち悪さの勘を無視したが故の失敗を、誰もが経験したことがある」まさにそう。なんか変だな、と思いながらもそれをきちんと言語化せずに「気持ち悪さ」を抱えていると、それが時限爆弾だったことが後からわかる。
無論、自分にもある。会議の後や指示メールを読んだあと、小さい違和感を抱くことがあるが、大抵無視して仕事を進めてしまう。すると「そうじゃなかった」が発覚して大慌て!となってしまう。
これを繰り返さないためには、「違和感を掘り出して言語化しておく」ことがソリューションなのだ。覚えておかなくては。
自分が活躍できる場は自分で作る
組織に属さないフリーランスが自分を認めてもらうには、自分のスキルに合った得意先を探すしかない。だが、「下手な鉄砲を数撃っても」当たることはない。
「私が自信を持って活躍できる方法を人に伝わる言葉に」し、「自分がどういう人間であるのか、 何ができ何ができないのかを説明」して、「自然と勝てる場所へと 自分を誘導する」。
これはフリーランスには難しいのだろうか。そんなことはないはずだ。たとえば、ここnoteをクライアント候補が読んでくれたら、「久松はこういう仕事が得意なんだな」とわかってもらえるように書いていかねばならない。
営業をかけていくにしても「わたしはこういうことが得意です」と言語化して伝えなければ、選んでもらえることはないだろう。
というわけで、本書で得た最大の知見「ますますnoteで自己開示する」を毎日実行していくことにしようと決意を新たにした。