久松紀子/校閲ジャーナリスト/翻訳校閲・校閲/英語学習参考書執筆
新型コロナウイルス感染症の後遺症について経験談をまとめました。症状は軽いけれども1年経っても治療中。たぶん一生治療が必要。
品性のある文章、礼を逸してない文章、誤解を生まない文章を書くために日々精進。実用書の校閲者・翻訳校閲者として他人の文章を読むが、一番気になるのが「誤り」ではなく、「ノイズなく相手に伝わる文章」であるかということ。このノイズというのが「下品」な箇所、「失礼」と取られかねない箇所、「誤解」を生みかねない箇所であると思っている。
校正・校閲・翻訳校閲についての情報、思っていること、書籍から得た知見などをまとめています。
ことばを商売とする人、とくに翻訳者向けにライティングのコツを書いていきます。ことばがビジネス道具だからこそ、うっかりして雑に使ってしまうこともあるし、翻訳では無意識でやっているのに記事のライティングではスルーしてしまうこともあるはず。そんなちょっとしたことを書いていきます。
読書の感想や読後感、得られた知見を述べた投稿をまとめています。
2023年の初め、「よし、note365日連続投稿達成を狙おう!」と目標を立てた。 元々、何かを継続するのが苦手な性(たち)である。3日坊主どころか1日でやめてしまったことも諸々あって数え切れない。近年のことで覚えているだけでも、イタリア語学習、美術の学習、絵を描くこと、英語のリスニング、1日1時間読書など、多々ありすぎる。 だが、一昨年10月で、出版社に常駐して切れ目なく仕事をもらう生活をやめた。それ以来、自分で仕事をとってきては毎日家で仕事をする、真の意味でのフリー
今年の正月、「おせち料理のお取り寄せ」なるものをしてみた。3段重で10,800円というベルーナの商品だ。 毎年、元日は高齢の母のところで過ごすことになっている。3年くらい前までは、「最低限だけど」と黒豆を煮てくれていたりしたが、さすがに去年からは「もう無理」と、すべてスーパーで買ってきたものを重箱に詰めるだけになっていた。 しかし、正月に集うといっても母、自分、娘と女3人だけである。スーパーで売っている量の黒豆や栗きんとんを食べきるには何日もかかる。次からはお取り寄せ
1 新規得意先開拓 年末に、興味をもった求人を見つけたのでアプローチした。数日後にたぶんトライアルが送られてくると予測。 2 翻訳校閲講座開催 ずっと待ってもらっているので、今年は開催しなければ。まだ何もできてないけれど、アイディア出しの時間をとって構成を決める。ChatGPTをツールとして使って役立てられないか模索中。 3 人文書の翻訳校閲増加 昨年はホラーSFが多かった。一冊だけ人文書があり、校閲しててとても楽しかった。回ってくる本を選べる立場にはないけれど、もっと人
みなさま、明けましておめでとうございます。今日は、(昨日書きそびれた)2023年のまとめを書いておきます。こんな年でした。 ◇仕事 英語教材/模試校正:大量(売上の約半分) 英語学習本校正:2冊 英語学習者の添削:20人分✕16回コース 翻訳書校閲:10冊 翻訳校閲セミナー講師:6回 産業翻訳校閲:数十万ワード 仕事を(少しでも)した日:たぶん340日ほど ◇学習 放送大学:4講座 セミナー出席:3回 読書:たぶん60冊ほど 英語学習:たぶん350日ほど ◇健康 スト
今年は、年の近い翻訳者友人ふたりの訃報が同じ月に届くこととなった。 ひとりは、翻訳会社に勤務していたときの先輩である。彼はわたしが入社したあとすぐ辞めて、フリーの翻訳者になった。英・日・西の3か国語で特許をメインとして翻訳している人だった。 数回、一緒に飲みに行ったし、ご自宅にうかがったこともある。わたしが行くと「いい酒あけよう」と、とっておきの一ノ蔵を出してくれた。二十年前のわたしは酒がいくらでも飲めたし、彼もそうだった。一本何千円もする日本酒を、二人ともぱかぱか飲ん
2023年もいよいよお終いというところで、noteのダッシュボードを開けてみた。「ビュー(読まれた数)」も「スキ」もダントツだったのがこの投稿である。 ある翻訳会社が開催する翻訳グランプリ(実態は大規模なトライアル)で優勝すると、1年間で200万円の仕事がもらえる。レートは、翻訳8~10円/ワード、チェック1300円/時、MTPE1900円/時。詳しくは ↓ のリンクを見てほしいが、優勝者はこの「賞」を獲得したということになる。 AI、とくにChatGPTの登場、発展
このところ新たな仕事の打診がなく、今年は久しぶりに「仕事のない年末年始」になるかと覚悟していた。家の片付けやPC整理、放送大学の視聴等、仕事以外にしなければならないことは溜まっているので「仕方ない。年末は雑事をして送ろう」と覚悟していた。 ところが3日前の夕方、別々の取引先から、ほぼ同じ時間にぼん!ぼん!と大きい仕事が立て続けに来た。 1社はいわゆる「年またぎゲラ」。年末にゲラが出たので著訳者か校正者が担当する慣習をこう呼んでいる。もちろん編集者が見ることもあるが、編集
都内でときどき足を運ぶ界隈で、小一時間ほど時間調整をする必要があった。 カフェに入るか。 いつも行く廉価コーヒーチェーンに身体を向けようとして、今日はいつもと違うことをしようと考えた。 近くに、テラスの付いたベーカリーがあることを思い出したのだ。そうだ、大崎清夏『目をあけてごらん、離陸するから』の短編「ヘミングウェイたち」が、カフェのテラス席を選んで座る話だった。変に自意識過剰なところがある自分は、これまでカフェのテラスに行ったことがない。けれど、今日はそれをやってみ
ここで何度か書いてきたけれど、わたしはコロナ後遺症患者である。超軽症の部類だろうけれど。 症状は微熱と頭痛で、よく言われる味覚・嗅覚障害や倦怠感はない。 興味ある方(同じく後遺症をもつ方?)は下にリンクを張っておくのでどうぞ。EAT(Bスポット)治療について知りたい方には、ひとつの例を提供できると思う。 コロナ罹患から1年4か月が経ち、EAT治療には1年以上通っている。 当初は週に1回受けていたが、いまは2週間に1回の頻度となった。 この秋から調子よい日が続き、
今日は翻訳者のライティングの話をする。有料、無料を問わず「原稿を書く」翻訳者に読んでほしい。 翻訳者は毎日PCに向かい、8時間のあいだ文字を打ち続けている。いつもは翻訳をしているが、たまに無料媒体(JAT「翻訳者の目線」等)や、有料媒体(業界誌等)に寄稿する話が来たりすることもあるだろう。 そんなとき「毎日文字を書いて生計を立てているのだから、書くことには慣れている」と考える。翻訳者が書く原稿はふつう、自分や翻訳のことで、ネタとしてよく知っている内容であるから当然だ。
小学生の頃までは家にクリスマスツリーを飾って、「サンタさん」が来るのを楽しみにしていた。昭和40年代から50年代前半のことである。 チキンはというと、コンビニもマクドナルドも、KFCも自宅近辺にはまだなかった。食卓には、最寄りのスーパーで母が買ってくる鶏の骨付きもも肉をフライパンで焼いた「ローストチキン」が置かれていた。クリスマス以外には登場しないメニューだったので、「クリスマスはローストチキンを食べるもの」と思っていた。 骨付きチキンと格闘したあとは、お楽しみのケーキ
先日、こんなような文言があった。 This means we can save 1,400 cubic meters of water. 当社はこうして1,400立法cmの水を節約できます。 あー、単位が間違ってるよね。cm(センチメートル)じゃなくてm(メートル)でしょ、というのは、翻訳者なら見た瞬間気づくと思う。 そして、この翻訳にはもうひとつ間違いがある。こちらは校正者なら気付いたと思うが、「立法」ではなく「立方」である。 つまり、これだけの短い文に、「翻
先日の投稿 ↓ の続き。 「見る」の次は、心理的な機能を考えてみよう。 心理面で校正に必要なのは注意力である。これに異を唱える人はいないだろう。そして、注意力を高めればミスは減るように思える。 しかし、そもそも「注意力」とは何だろう。心理学では、「注意力」とは、脳の認知機能をある部分に集めて、他の範囲への認知をその分薄めることをいう。 つまり、注意力を高めるというのは、太陽光を凸レンズで集めて発火させるように、「その一点」だけに集中することである。逆にいうと、その
通訳者の作者と同じ職業に就いている「はるか」を描いた小説。 冒頭に、主人公の年令について記述があり、自分と同年代ということがわかる。同感するところも多いだろうと思ったとおり、すぐに本の中に入ることができた。 わたしは翻訳エージェントに長く務めていたので、翻訳や翻訳業界のことはそこそこ知っている。だが、通訳という仕事は近い領域のようでいて、実はほとんど知らない。知り合いも少なく話を聞く機会もあまりない。自分には遠い世界だとは思っていたが、驚きの連続だった。 読んで
銀座・松屋で12月29日まで開催されているコウペンちゃん原画展に行ってきた。 予約時間制ではなく待ち時間や行列を覚悟して行ったが、平日の午前中だったせいか、わりとすぐ入れた。 2017年、るるてあ氏が「出勤してえらい!」の吹き出しと共にTwitterに投稿した「コウテイペンギンの赤ちゃん」のキャラクターがコウペンちゃん。いまや大人気、いや、どこででも見かけるようになった。日本のキャラクターで知名度ベスト10に入るのではなかろうか。 原画展ははじめてだった。ひとつひとつ
7~8年前に母が帯状疱疹になった。幸い軽くてすみ、発疹は首だけで他には広がらなかった。顔には発症せず目にも影響がなかったのは幸運だったのだろう。とはいえ、軽いとはいってもひどく痛がっていた。 母とわたしは体質がそっくりだ。ということは、自分もいつ帯状疱疹を発症するかわからない。しかもわたしは15年ほど前にストレスで免疫ががた落ちした時期に口唇ヘルペスを繰り返した。ということは、免疫低下で発症する帯状疱疹もあぶないな、とずっと思っていた。 ワクチンが開発されたことは知って