谷中ぎんざ食べ歩き
暑さが何より苦手なので、この夏はエアコン環境に閉じこもってばかりいた。だが台風で若干涼しくなっているいま、近場まで遊びにいってみたい。
というわけで谷中ぎんざでミニ弾丸ツアーをしてきた。
まず現地までの行き方だ。千代田線も使えるけれど、JR山手線の日暮里駅から歩いてみた。
駅を降りたらボランティアガイドが
日暮里駅は驚くほど大きいターミナル駅である。迷わないように出口に到達しないといけない。とはいえ、「谷中」と書いてある方へと進むとだけ覚えておけば、間違った出口に出ることはないだろう。
出口の階段を上がるとすぐ、「ボランティアガイド」というプレートを首から提げた人がいる。この辺は寺院も多いので、一度は案内を受けて巡ってみたい。
でも今日の目的は食べ歩きだ。ひとりで歩いていこう。
ゆるい坂を登ると、有名な「夕焼けだんだん」が見えてきた。この階段をくだると谷中ぎんざである。
その手前に1軒のせんべい屋がある。せんべい好きとしては、ここを外すわけにはいかない。有名な「谷中せんべい 信泉堂」だ。
谷中せんべい 信泉堂
ありがたいことに1枚売りをしてくれるので、食べ歩き用に買っていこう。
まず、自分があらゆるせんべいの中で一番好きな「ごま」。そして食感が好みだと見た「ピーナッツ」。2枚で(たぶん)320円くらいだった。
早速ピーナッツの袋を開ける。せんべいの全面にピーナツがまぶしてあって、噛じるとカリッと音がする。一番好きなやつじゃん! お供には、家からもってきたノンアルチューハイを開けた。うん、なかなか合う。
谷中銀座カヌレ パパン
階段手前にカヌレの店が佇んでいる。ここも有名な店である。
あまり人が並んでいないので、今だ!と店内へ。ショーケースを見ながら「プレーン」「クラシック」「レモンケーキ」そして、パパン特製「デリカヌレ(甘くない、食事としてのカヌレ)」から、「ブーダンノワール」を選ぶ。4つで1050円だった。
「ノワール」は「黒い」。だが「ブーダン」て何だっけ?と調べたら「腸詰めソーセージ」だという。たしかにソーセージの味がする。ワインと合わせると最高らしい。今日はノンアルチューハイだけれど、次は店内でワインと一緒に味わおうっと。
hitotema(ひとてま)
夕焼けだんだんをくだるとすぐにパン屋がある。パンに目がないわたしは、吸い込まれるように入ってしまう。いろんなブログやYouTubeで紹介されている新しいお店だ。
明日のランチにしようと、「ひとてま」かけたパンを選ぶ。調理パンと甘いパン、ひとつずつにしよう。調理パンは「バジルベーコン」にした。わたしはバジルもベーコンも大好きなのでこれしかない。そしてもうひとつ、甘いパンは、エンガディーナのように胡桃がのっている品を選んだ(名称と価格は忘れてしまった、残念)。
ここで、大事にパンをリュックにしまっておく。
肉のすずき
「谷中ぎんざ」の看板をくぐる前なのに、すでに3軒も立ち寄ってしまった。さて、夕焼けだんだんを降りきって看板の下を通り過ぎたら、いよいよ谷中ぎんざの中核だ。
ここまで、せんべい(しょっぱい)→カヌレ(甘い)と食べたので、次は塩味が欲しくなる。有名なメンチカツがあったはず、と歩いていると、あったあった。
そう、「元気メンチカツ」、これだ。行列もできていないので、このタイミングでゲットするしかないと注文した。「いま食べますか?」と聞かれて、当然「はい」。230円だったかな。
早速、熱々のメンチをほおばる。玉ねぎの甘みが好きなら言うことなしの味だ。
なんといっても、食べ歩きでお腹にたまる揚げ物があると嬉しい。もちろんノンアルチューハイにぴったりだった。
しっぽや
谷中はネコが多いという。谷中ぎんざには、店の軒上にネコがいる店もいくつもあるらしいが、本日はそこまで見られなかった。土曜日で人が多かったせいもある。
ともかく、何かネコにちなんだものも食べたいと思っていたら、ちょうどよい。焼ドーナツ屋がある。
谷中紹介には必ずといっていいほど登場する店だ。しょっぱいせんべい→甘いカヌレ→しょっぱいメンチときて、次は「甘い」の番だからちょうどよい。
どれにするか少し迷ったが、「きゃめる(塩キャラメル味)」を選んだ。ここまで食べたものは、メンチカツ以外はすべて糖質で、今日は糖質三昧だ。まぁ、たまにはそういう日もあってよいだろう。
アトリエ・ド・フロレンティーナ
もうお腹いっぱい。あしたの分のパンも買った。今日はここまでにしようと思ったが、どうしても行っておかねばならない店をまだ発見していなかった。もう一度、谷中ぎんざの店の看板を1軒1軒チェックしながらゆっくり歩く。
すると……あった! 焼き菓子フリークとしては必至のフロランタン専門店、「アトリエ・ド・フロレンティーナ」である。実はここのフロランタンを数品、オンラインショップで取り寄せたこともあるのだ。
路面に商品が並べてあるのではなく、引き戸を開けてから入るお店だ。上品で、なぜか少し「和」の感じがする。
商品を選ぶのは迷わなかった。焼き菓子好きとしては、全種類のフロランタンをひとつずつ買うことにすでに決めていたのだ。
「プレーン」「焼きリンゴ」「塩キャラメル」「ソバの実と黒胡麻」「アールグレイ」「夏塩」「オランジェ」「ココア&ヘーゼル」と9種類を会計してもらうと、1000円ちょっとだった。
明日からのおやつ用に買ったのだが、ひとつだけ、いま食べちゃおう。まずはプレーンだな。
小さいけれど味が濃くて、上にのってるアーモンドのカリッとした食感もよい。ああ、ちょうどこういうフロランタンが食べたかった。
谷中ぎんざなら、自宅からさほど遠くはない。これからもフロランタンのためにだけ、ここに来ることもできる。夜眠るときにも思い出し、幸せな気持ちで眠りにつくことができた。