あの時の言葉が自分を守ってくれている
人生が大きく変わってしまった上司の言葉
人生には沢山の出会いがあります。そうした出会いによって、人生が変わるというのは、よくある話だと思います。いつか僕も、僕と出会ったことで、人生が良くなったと言われるような人間でありたいと思っています。
そんな事を思っていると、改めて、自分自身の発言や行動を慎重になる必要があると感じるのです。現在、僕の立場として、人に大きな影響を与えることが出来るような立場であるからです。父親としての立場でもあり、職場では上司としての立場であるからです。
自分で会社を経営して、十数年も経つというのに、未だにスタッフに対してどんな言葉を掛けていくのかは、悩みに悩むしすごく迷うものです。優しい言葉だけでもダメで厳しいばかりでもダメでなんです。それ以前に、言葉と行動に筋を通さなければなりません。そうしないと伝わるものも伝わらないからです。ただ、単純にこちらが一方的であってもいけない。そういうことを考慮していくと、言葉のひとつひとつに慎重にならざるを得ないのです。
それだけ、人の言葉で、人の人生を大きく左右させてしまうものだということが分かっているからです。
僕もある人の言葉によって、人生を大きく変えることが出来たひとりだからです。
ただそれは、決して前向きな言葉でもなく、信じているぞという厚い信頼のもとで生まれたような言葉でもありません。
あの時の僕には、まるで死の宣告のようなものでした。
それは、上司の言葉でした。今となっては、どういう意図で言ったのか確かめることはできません。ですが、僕はこの言葉で、どん底に突き落とされたような気持ちになったんです。
「成功するまでは、死んでも働け!!」
自分の価値が分からなくなった
料理の道を究めたいと決意をして、二十歳で就職してから、辛い修行時代を経験しました。ひどいいじめにも遭ったこともあったし、頭を殴られて病院に搬送されたこともありました。
それだけの辛くて苦しいことに耐えてきたからこそ、僕はどこか自信がありました。どんな困難であっても乗り越えられるような気がしていたんです。
だから、ひとつのお店を任せてくれるという良い条件で転職の誘いを頂けたときも、僕は何も怖くはありませんでした。
ですが、すぐに大きな壁に突き当たってしまったんです。これまで、料理の勉強は確かにしてきたけれど、経営の勉強は全く持ってしてきませんでした。一ヶ月もしないうちにあっという間に売り上げを落としてしまったのです。鳴り物入りで入社した気分はすぐにかき消されて、その会社の人達の態度も一変しました。これほどまでにあっさりと自信というものは失ってしまうのかと思うほど、自信を失くしてしまいました。
ニコニコとして優し人だと思っていた上司の態度も、変わり果ててしまったんです。毎日のように出来ていないと恫喝しては僕を責めてるようになりました。そして、非道的な無理難題を言うようになりました。最初は、反発していたのですが自信をなくしていたこともあって、言いくるめられるようになってしまったんです。いつからか、自分が全部悪いと思うようになって、全てを鵜呑みにして全てを受け入れてしまったのです。
その時に、「成功するまでは死んでも働け」と、言われました。
死人に口なしということもあって、何も成し得ていない人間には、上司に意見することや人権を主張することなんか出来ないという意味もありました。ゾンビのように無意識に働けということです。
お前なんかが死ぬ気になって働いたって足りないというのです。成功するまでは、例え死んだ後でも働くぐらいでいろというものでした。それは、死んだって構わないと言われているようでした。
もちろん休んでいる暇なんかありません。寝る時間でさえありませんでした。それでも上手くいかないものだから、こうした言葉が、どんどん僕を追い込むように積み上げられてしまったのでした。
「何も成し得ないお前なんかは、人として生きる価値もない」「成功できない人間は、誰かに使われないといけない。」「売り上げが作れないのは、人間的に魅力もなく人として問題があるからだ。」「大切な人も守れないんだろ、それでなんで笑えるか?」「男だろ根性だせよ。」「死んだって構わないから、やることやれよ。」「そんなことも出来ないのは、ゴミと同じだ。出来ないんだったら、使い捨ててやるよ。」
もう、こうなったら、上司の言葉なのか自分の言葉なのか、もう訳が分からなくなっていました。
当時の僕は言われるがままに、奴隷となって死ぬほどの努力をしました。ですが、結果を出すことは叶いませんでした。
だから、僕は死ぬことにしたんです。
僕は自分に価値がないことを証明してしまったのです。そうなると、生きている意味なんかありませんでした。
今となっては、あの言葉のおかげで
運が良かったのか、本心がまだ生きようとしていたのかは分かりません。ですが、こうして、僕は生きることが出来ています。
心配した家族が連れていってくれた病院での診断は、重度の鬱でした。心なんかとっくに壊れてしまっていたのも分かっていたけれど、決定されるとそれはそれでショックでした。
心の傷を癒すのには、かなりの月日を要しました。何度も、もとの自分に戻ろうと試みたのですが、結局のところ、完全に傷を失くすことは出来ませんでした。
未だに消えてくれない当時の上司の言葉やすぐに蘇ってくる情けない自分の姿。そうしたもに、僕はずっと人生に希望を見出すことが出来ませんでした。
だから、僕はずっとかき消すかのように、本当に沢山の言葉を求めるようになりました。
自分を鼓舞するような言葉、自分を大切に思えるような言葉、優しさを取り戻せるようなあたたかい言葉。
言葉の力を身に染みるほど、味わったからこそ、自分を救うのも言葉に違いないと信じることが出来たんです。
そこで、本当にたくさんの人の言葉に耳を傾けるうようになって、本当に良い言葉に出会うことが出来た。
僕にとって、人生を変えるほどの言葉にも出会えました。
今では格言として、いつも自分の心で唱えています。
それは、「だからこそできること」です。
これは、書道家の武田双雲さんの言葉なんです。
言葉のスペシャリストだからこそ、生まれたものかもそれません。いつまでの僕の心に刺さっています。
人というのは、愚かなものかもしれません。本当に大事なことは失くさないと気が付かないものだからです。
僕自身も、あの時の上司の言葉で自分を失くしてしまったから、自分の大切さを知り、言葉の重要性を学ぶことが出来たのです。
あの時に自分の価値を失くし、命まで絶とうとしたからこそ分かったんです。何気ない日常の中に幸せがあるのだということ。多くのことにかけがえのなさや尊さを感じるのです。感謝の気持ちでいっぱいにもなることが出来たのです。
かつては、最低最悪だった上司の言葉は、今となっては多くのことを僕に学ばせてくれる言葉となっています。
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メルシー