見出し画像

【詩】月陽

堕落した生活の中で青白い月を見た

青白い月に擦り寄る薄黒い雲を見た

やがて透き通った青は塗り潰される

それはまるで当たり前のようで
それでいて日常と異なるような
不思議な、不思議な感覚でした

霜柱はもう見られなくなり
河川敷には桜が咲き乱れる

私は生きているのでしょうか
満ちていく月よ教えて下さい
私は、死んだ心地であります

満潮に舞い踊り
干潮に干上がる
情けない魚のように

左の頬に
枯れた涙

まだ潤いはあるのですね
潮が引く前に
心を決めて踊りましょう
星屑と共に踊りましょう

波が引き切ってしまう前に
大海の底を目指して泳ごう

乾いた砂漠に置き去りにされぬように
残る微かな潤いが完全に失われる前に

私の住処は
私が決める

優雅に
美麗に

穢れた十字架を刻むのはもう御免です。

いいなと思ったら応援しよう!