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【📰文系×医療🩺】「沈黙の臓器」肝臓のがんとは?

今回は、誰もが聞いたことあり、死に結びつきやすい病気「がん」について学んでいきます!

特に、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど自覚症状がないため、肝臓がんは気づかれにくいとされています。

この記事を通して、少しでも肝臓リテラシーを向上させていきましょう!

今回の医師国家試験の問題はこちら👇

疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。

a. 多発肝細胞癌 ー 経カテーテル的動脈化学塞栓術〈TACE〉
b. 胆石合併胆嚢癌 ー 腹腔鏡下胆嚢摘出術
c. 特発性門脈圧亢進症 ー 門脈内ステント留置
d. 膵管内乳頭粘液性腫瘍 ー 膵管ステント留置
e. 急性化膿性閉塞性胆管炎 ー 胆管切除術

がん(癌)とは?

がんとは遺伝子の変異が起き、細胞が際限なく増殖してしまう病気です。

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増殖した細胞が、腫れているように見えるから「悪性腫瘍(あくせいしゅよう)」とも呼ばれます。
通常、細胞分裂の過程で、細胞が増えすぎてしまった場合は、自ら細胞を死においやる「アポトーシス」という制御システムありますが、外部環境の変化でこの秩序が乱れると際限なく増殖してしまいます。

がんの発症部位は、全身の様々な場所があり、特に大腸、胃、肺、そして女性は乳房、男性は前立腺が多くなっています。

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がんが人を死に至らせるのは、肺や脳といった生命維持に必要な機能を持つ臓器に転移したときです。また、そのほかの臓器においても、がんの腫瘍により、本来果たす機能が低下し、生活の質が低下したり、合併症を誘引することもあります。

そのため、早期に発見し、転移する前に治療することが大切です。



肝細胞がんとは?

肝臓は、栄養分を使える物質に変換したり、アルコールなどの有毒物質を解毒したり、脂肪の乳化とタンパク質を分解をする胆汁を生成するなど、体に不可欠な臓器です。

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肝臓にできたがんでも、肝臓の細胞ががん化した「肝細胞がん」と、肝臓の中を通る胆管ががん化した「肝内胆管がん」があり、治療法が異なることから区別されています。

原因
肝細胞がんは、ウイルス性肝疾患を基礎疾患として持っている場合が約90%を占め、中でもC型肝炎の感染者からの発生例が多くを占めていました。長年の炎症により細胞が破壊と再生を繰り返している過程で変異してしまうということです。しかし、近年は抗ウイルス治療により、ウイルス性肝炎の感染者が減少しています。

その他の要因としては、多量飲酒、喫煙、アフラトキシン(カビから発生する毒素の一種)、肥満、糖尿病などがあります。

慢性肝炎やアルコールにより、組織の繊維化によって硬くなってしまう肝硬変の原因が、そのまま肝細胞がんのリスクになることがあります。

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肝細胞がん治療

初期には症状が自覚できないため発見が難しいと言われます。がんが進行すると倦怠感、浮腫、腹水、黄疸(おうだん:皮膚や白眼が黄色くなること)、腹部圧迫感、疼痛(とうつう:痛み)が現れます。

(黄疸について👇)

治療
進行段階によって治療は異なります。手術(肝切除)、穿刺(せんし)局所療法(ラジオ波焼灼療法・マイクロ波焼灼療法など)、肝動脈化学塞栓療法、薬物療法(分子標的薬治療)が中心となります。肝予備能やがんの進行具合により肝移植、放射線療法、肝動注化学療法が選択されることもあります。

①穿刺(せんし)局所療法
腹部超音波(エコー)やCT(X線)などの画像を見ながら体の外から直接腫瘍に特殊な針を刺し、局所的に治療を行う方法です。ラジオ波焼灼療法ではラジオ波、マイクロ波焼灼療法ではマイクロ波で熱を発生させ、腫瘍を熱凝固壊死させます。がんの小さく、数も少ない場合に行われます。

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②肝動脈化学塞栓療法(かんどうみゃくかがくそくせんりょうほう)
カテーテルという管の先端を肝動脈まで進め、がんを栄養している動脈から抗がん剤を注入し、さらにその動脈を塞栓(そくせん:血管の遮断)することで、がん細胞を壊死させる治療法です(TACEとも呼ばれます)。がんが多発してる場合に行われます。

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③薬物療法
がん腫瘍が栄養や酸素のために新たに血管を作る「血管新生」を抑える「分子標的薬」が中心になっています。近年ではがん細胞に対してリンパ球が攻撃できるようにする「免疫チェックポイント阻害薬」と分子標的薬の併用療法(アテゾリズマブ+ベバシズマブ療法)が使用されるようになってきました。

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ここで問題の選択肢aを見ていきます。

疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。

a. 多発肝細胞癌 ー 経カテーテル的動脈化学塞栓術〈TACE〉

肝細胞がんが多発している際は、動脈化学塞栓術(transcatheter arterial chemoembolization:TACE)が有効でした。

よって正しい選択肢となります。

おわりに

がんは人間の死因としてとても有名なので、怖いイメージを持つ人が多いと思います。このようなリスクにこそ、正しい知識や仕組み、治療法を知っていくことは、不安軽減につながります。

他の選択肢では、違う部位のがんが出てくると思うので、引き続き学んでいきます!

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