【📰文系×医療🩺】あざができやすい?血が止まらない?病気の合図かも!
「最近気づいたらあざができてる」
そんな経験ありませんか?
これは血管が壊れやすくなっている、または血管が壊れた際にふさぐ機能が弱っている証拠かもしれません。
今回はそんな「出血傾向」について学んでいきます!
医師国家試験の問題は前回と同様です!
病態や疾患と欠乏が疑われる微量元素やビタミンとの組合せで正しいのはどれか。
a. 匙状爪 ー 銅
b. 味覚異常 ー 亜鉛
c. 出血傾向 ー ビタミンA
d. ペラグラ ー ビタミンB2
e. 骨軟化症 ー ビタミンC
選択肢a、bの解説はこちら👇
出血傾向とは?
「出血傾向」とは、「血が止まりにくい」または「少しの怪我でも出血しやすい」状態のことです。
どこから出血するかによって症状は異なります。
皮膚の近くで出血をした場合「青あざ」「皮下出血」。また、鼻血や歯磨きにより歯茎の出血が起きやすくなります。
胃や腸から出血した場合「吐血(血を吐くこと)」「下血(げけつ:肛門から血が出ること)」「黒色便(血生臭い真っ黒な便)」。
頭蓋内出血の場合、吐気、めまい、激しい頭痛、項部硬直、意識障害、麻痺、視力障害、感覚障害。
などになります。
傷がふさがるメカニズム
出血傾向の原因を理解するには、まず傷ができた際に、血がそれ以上出ないようにするための働きである「血液凝固」を知る必要があります。
「一次止血」
血管が破れると傷口部分の血管が少し縮み、血液が出ていかないようにします。同時に、血管内皮から放出されたフォン・ヴィレブランド因子というたんぱく質などによって、血液の成分である「血小板」が傷口に集まり、ふたをします。
「二次止血」
一次止血でできた血小板血栓は丈夫ではないため、補強するための二次止血では、血液中の凝固因子といわれる10種類以上のたんぱく質が順番に働きます。そして最終的に「フィブリン」という繊維状の頑丈なたんぱく質が傷をふさいでくれます。これを私たちは「かさぶた」と呼んでいます。
出血傾向の原因
出血傾向の原因は大きく3種類あります。
①血小板の形や働き・数に問題がある
②凝固因子の数や働きに問題がある
③血管の壁に問題がある
一つ一つ見ていきましょう。
①血小板の形や働き・数に問題がある
血小板が少ない、または正常に働かない場合は、一次止血が行われず、出血が止まらなくなってしまいます。
血小板は、赤血球や白血球と同じように骨髄から作られる造血幹細胞から作られます。
この造血幹細胞が傷ついたいたり癌化してしまう、再生不良貧血や急性白血病、骨髄異形成症候群、がんの転移、抗がん剤によって血小板数も減少してしまいます。
また、血小板が作られても自分で破壊してしまう特発性血小板減少性紫斑病や全身性エリテマトーデスという難病もあります。
生まれつき血小板数が少ない血小板無力症という病気もあります。
②凝固因子の数や働きに問題がある
二次止血に使用する凝固因子に異常があることも原因となります。
止血に使われる10以上の凝固因子の内ほとんどが肝臓で作られるため、肝臓が機能しない肝硬変・劇症肝炎・急性肝不全や、因子を合成する際に必要なビタミンKが欠乏している場合などがあります。
また、生まれつき凝固因子が不足している血友病もあります。
③血管の壁に問題がある
血小板や凝固因子が正常に働いても、血管壁がもろい、もしくは収縮がうまく行われず、止血がうまくできないこともあります。
特に治療は必要ない加齢による「老人性紫斑」から、副腎皮質ホルモンが過剰分泌されるクッシング病、生まれつき血管が拡張してしまうオスラー病まであります。
ここで問題をおさらいしていきます。
病態や疾患と欠乏が疑われる微量元素やビタミンとの組合せで正しいのはどれか。
c. 出血傾向 ー ビタミンA
出血傾向で欠乏が疑われるのは、凝固因子の合成に必要なビタミンKなので、選択肢cは誤りとなります。
ビタミンKを多くとるには?
ビタミンKはさまざまな食品中に広く含まれており、ビタミンK2は腸内細菌によっても合成されることから、健常人では不足することは稀です。
しかし、新生児では腸内細菌からのビタミンK2供給が少ないため、ビタミンK欠乏による新生児メレナ(消化管出血)や特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)を起こすことがあります。
ビタミンKは植物性のビタミンK1(フィロキノン)と微生物によるビタミンK2(メナキノン類)に分かれますが、ビタミンK2は特に納豆に多いことで有名です。
摂取上限はなく、野菜や豆、肉、卵を取っていれば問題はないです。
おわりに
出血傾向はその症状からも気づきやすく、重大な病気のシグナルとなっている可能性はあるので、知識を付けてすぐに医者に診てもらうのがいいと思います。
特に女性は生理と下血を混同してしまいがちなので、少し注意してもらえると嬉しいです。
今回も読んでいただきありがとうございました!
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