“正五角形”に親しんでおこう!
かつて、3月初旬のまだ寒い頃、なかなか合格の連絡が来ない生徒に、
「サクラ咲いてるよね?」
とメールしたら、
「え、桜もう咲いてます??」
と、素っ頓狂な返答が…
もしかしたら、今の子たちは
「サクラサク=合格」
という“隠喩”を知らないのでしょうか??(隠喩との認識さえないのですが…)
“桜の花弁”もそうですが、
「ウメの花弁、オクラの実の断面、ヒトデ、…」
と、
「自然界には“正五角形”が結構ある!」
ことに着目して色々調べてみると面白いと思いますよ、例えば
「小学生の自由研究のテーマ」
等として。
そんな
「正五角形」
を題材とした数学の問題は、高校入試レベルでは色々と方向性が考えられますが、
「角度を求める問題」
であれば小学生にも解けることから、取り組んだことのある人も多いことでしょう。
中学入試レベルだと、
「今年(2024年)の西大和学園中の問題」
あたりが妥当なところでしょう。
しかしながら、
「今年の他の中学入試問題」
で、なかなかオモシロイ出題がありましたので、トライしてみてください。
「答えを出すだけ」
であれば正解者も結構いることでしょうが、「それを導く論理をしっかりと説明できるか」
が、今回取り上げた一番の理由です。
高校入試にトライする受験生であっても、それほど時間をかけられない状況の中で、果たしてどこまで解ききれるでしょうか。
【問題】
正五角形ABCDEがあり、その内部に辺CDを1辺とする正方形CDFGをつくる。
また、線分ADを1辺とする正方形ADHIを、点Eを内部に含むようにつくる。
線分AEと線分FIの交点をJとするとき、∠AJIの大きさを求めよ。
【解説】
この条件設定であれば、まずは
“回転合同”
の方向性で考えていくと思います。
しかし、いくら考えても埒があかないため、方向性の転換を迫られることになります。
そうなると、
「いかに補助線を引くか」
がカギとなってきます。
また、正解の補助線を引けたとしても、
「正解にたどり着く筋道につなげられるか」
も、大切ですね。
正解を導く補助線は、
「線分AC」
となりますが、
「3点C,F,Iが同一直線上にある」
という論理を説明できないのであれば、
「単なる“当てずっぽうの正解”」
でしかありません。
その論理をちゃんと説明できる前提で、∴∠AJI=99゜
と求まりますね。
(2024灘中・改題)