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体の贈り物/レベッカ・ブラウン、柴田元幸(訳)


レベッカ・ブラウン氏の短編小説
「体の贈り物」を拝読しました📖´-
(2024,12,29 読了)


10月に柴田元幸さんの朗読会 at本のあるところajiro へ行った際、柴田さん翻訳の新刊でレベッカ・ブラウン氏の「天国ではなく、どこかよそで」が販売されていました。


その中から数作を柴田さんが朗読してくださり、レベッカ・ブラウン氏の不思議な世界観に興味を持ち他の作品も拝読してみたいと思い購入したのが本書です。

本書は「天国ではなく、どこかよそで」とは全然雰囲気が違いました。
どちらかというと「天国ではなく、どこかよそで」の方がいつものレベッカ・ブラウン氏らしい作品のようです。


拝読し始めて少ししてからなんとなく違和感がありました。
恋人とのお話かなと思ったのですが、何かが違う。その違和感はなんだろうと思い、訳者あとがきを拝読してそういうことだったのかと納得しました。
あとがきから拝読してもネタバレするわけではありませんが、物語の中に説明的なものがほぼないので私はあとがきから拝読して結果良かったと思います。

とにかく読んでもらわないと魅力がわかってもらえない

「訳者あとがき」より


柴田さんがおっしゃるようにここで私が本書の概要をお伝えしてしまうと途端に魅力が半減してしまうように感じます。
著者の体験をもとに「死」と向き合うことがテーマとして描かれた物語とだけお伝えしておきましょう。
十篇の短編が収録されていてタイトルは「〜の贈り物」で統一されています。

誰かが死ぬと、いつもそこに穴がひとつできた。穴はいつも人々の真ん中にあった。


読了して改めて「体の贈り物」というタイトルが秀逸だなと思いました。
人は誰しもいずれ死ぬものと頭ではわかっていても、向き合うことはなかなか難しくて。目の前に「死」というものが現れてやっと向き合えるようになるのだと思います。見送る側も見送られる側も。


私が本書を拝読しながら浮かんできたのは「いのちの初夜/北條民雄」 でした。


これで私が届いて欲しいと思う方には本書の良さが伝わるのではないかと願いつつ……
うまく言えませんし、ありきたりなことしか言えませんが嗚咽しながら読了しました。哀しいけれど、この本に出逢えたことは本当に幸せなことだと思います。


レベッカ・ブラウン氏の作品、読みかけのものも早く拝読しよう。




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菜穂☽︎‪︎.*·̩͙‬
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