ランチのアッコちゃん、3時のアッコちゃん/柚木麻子
柚木麻子さんの「アッコちゃん」シリーズ第二弾、「3時のアッコちゃん」を先に拝読し、第一弾の「ランチのアッコちゃん」をすっかり忘れてしまっていたので続けて再読しました。
どちらも、悩める女子たちが主人公となっている4話を収めた短編集。
前半2話はアッコちゃんが色濃く関係していて、後半2話はエキストラ的な位置でチラッとアッコちゃんが出てきます。
アッコちゃんとは、40代半ばのガタイのいいサバサバしたお節介女子。
圧が凄くて始めはみんな引いてしまいますが、段々とアッコちゃんの言動の奥にある優しさに触れ、悩める女子たちの心が絆(ほだ)されていくのです。
アッコちゃんがお節介する際に大体体が喜ぶような食を通して何かを気づかせてくれるのもまた素敵。
「暑い時に冷たいものばかり食べるとよくないわよ。余計疲れて、集中力が下がるわ。今がよくても九月になった時にがくっと疲れが出るわよ。」
(表題作「3時のアッコちゃん」より)
「人は何にお金を払うか?それは想像力とプロの手間とサプライズになの。」
(表題作「3時のアッコちゃん」より)
アッコちゃんの言葉は、読者にも刺さるものが多いのではないでしょうか。
ここに上げた以外にもハッとさせられるセリフがたくさん。
悩める女子たちの気持ちが痛いほど分かるからこそ、アッコちゃんの言葉が心に刺さるのだと思います。
アッコちゃんが活躍しない後半2話は、悩める女子が色んな経験を通して自分たちで気付いていくようなお話。
これもまた共感できるところが多く、こうやって気付きながら自分も日々成長していかないとなと思いました。
心が疲れている人を食を通して癒していく小説といえば、私がすぐ浮かぶのは古内一絵さんの「マカンマラン」シリーズ。
こちらも、心身ともに喜ぶような食を通してシャールさんが人々を癒していくお話。
どことなく「マカンマラン」シリーズと「アッコちゃん」シリーズは通ずるものがあるなと思っていたら、どちらも2015年に第一弾が発売されてました。
何たる偶然。。。?
2015年前後は、世間みんなが少しお疲れ気味だったのと同時に、食を見直さないとという流れになっていたのかしら。。。
その頃の私は、多分ピークで人生に疲れていた時。
何をやっても上手くいかず、日々ギリギリの生活でした。
そんな時に「アッコちゃん」シリーズや「マカンマラン」シリーズに出会っていれば。。。とも思いますが、出会わなくても乗り越えた私が今ここにいる。
そして、乗り越えた後で「アッコちゃん」シリーズや、「マカンマラン」シリーズに出会ったということに大きな意味があるように思えます。
多分、私がアッコちゃんやシャールさんのような存在になっていかなければなのかなと、この感想を書きながら突然頭に浮かんできました。
先ずは身体の喜ぶ食について勉強せねば!
本から得れるメッセージって、本当に計り知れないですね。
そして、今児童書にハマりつつある私ですが。。。
「アッコちゃん」シリーズに実在する児童書がチラチラ出てくるので、読みたい本リストがまた膨らみました。
あとは出てくる食べ物も美味しそうで、お腹も膨らみそうです😱
クリスマスプディングも食べたいし。
大阪のちょぼ焼きも食べたいし。
読書する度に色んなものが膨らみ、へこんでいくのは財布👛だけです🤣
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