第七官界彷徨/尾崎翠
尾崎翠さんの長編小説
「第七官界彷徨」を拝読しました📖´-
(2024,10,5 読了)
LINEオープンチャット読書会すみれ内で開催された「異色作家シリーズ」の課題作のため拝読。
尾崎翠さんは一時期母がハマっており話は聴いていましたが、私は本書が初読です。ちなみに本書は母棚から拝借しました。
七つめの感覚である第七官(人間の五官と第六感を超えた感覚)に響くような詩を書きたいと願っている少女が主人公です。
田舎暮らしをしていた主人公は、都会で共同生活をしている兄弟と従兄弟のいる下宿先に炊事係として同居することになります。分裂心理の研究をしている長兄、蘚の研究をしている次兄、音楽受験生の従兄弟の3人がまぁなんともクセが強い。そんな3人に囲まれて右往左往しながらもマイペースな主人公の少女もなかなかの強者のように思えました。
とくに何か事件が起きたりするわけではないのだけれど、一風変わった日常はある意味刺激的でした。
柔らかい文体にも関わらず頭の中ではずっと肥しの匂いが付き纏うようにも感じたり。
一読したくらいではこの作品の本当の良さは味わえていないような気がします。
尾崎翠さんの造語も多く独特な作品。意味わからんけどなんか面白くてクセになるような。
私の拙い言葉ではなんと表現していいのかわかりませんが……
物理的、哲学的のようにも感じるけどロマンス的な文学のようにも感じるし。
とにかくホントようわからんというのが本音です。ようわからんからこそその奥底にあるものをもっと味わいたと思えるのです。
尾崎翠さんに影響を受けた作家が多いのも納得。
どことなく稲垣足穂氏の作品と近いかなと。
少し間空けて母棚にある尾崎翠さんの作品を少しずつ拝読してみようと思います。
初読の作家作品を拝読する度に言っている気がしますが、世の中にはまだまだ私の知らない面白い作家がたくさんいる!と思うのでした。
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