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気持ちよく人を動かす

無敗営業を書いた、高橋さんの新作が出て書店でも売り切れがでる大人気書籍なので、気になって読んでみました!

「ロジックだけでは人は動かない」
いくら理屈で正しいことを言っても、相手がこちらの言う通りに動いてくれるとは限らない。

ダニエル・ピンク氏によると、人は仕事時間の役4割以上を「誰かに動いてもらうための活動」に充てている。
共に創るディスカッション」によって人は気持ちよく動いてくれる。

気持ちよく動いてもらう7つのスキル
1.想定する力
2.段取りする力
3.理解を深める力
4.見える化する力
5.思い込みを外す力
6.軸を動かす力
7.巻き込む力

双方向のコミュニケーションを段取りする
5分 この場の趣旨を確認し、売上アップ施策一覧のポイントを簡潔に伝える
10分 部長がどういうことを考えているか聞く
10分 自分の意見と部長の意見における共通点・相違点を整理し、必要に応じて追加資料を出す
5分 今後に向けてのアクションをまとめる

相手と一緒に考えるモードになること。一方的に説得したいわけではなく、共によい未来を創りたいと思っていることを理解してもらう必要がある。

・相手をいきなり説得しようとせずに、深く理解することに集中する(「関係性の壁」を乗り越える)
・相手の話をビジュアルでまとめたものを見せることで、場を前進させる(「情報整理の壁」を乗り越える)
・相手の中にある思い込みの正体を突き止め、「なるほと、そう考えればいいのか」という発見を促す(「思い込みの壁」を乗り越える)
・今回の意思決定に対して「どういう判断基準で考えるべきか」を提示している(「損得勘定の壁」を乗り越える)

壁の対応策
関係性の壁」に対しては、いきなり製品説明に入らず、業務上のお悩みを聞くことで、お客様を理解することが大切
情報整理の壁」は、課題を網羅的に確認し、優先順位をすり合わせることが必要になってくる。
思い込みの壁」に対しては、過去のマイナス体験を聞いたうえで、それとは異なることを示す。
本格的に検討いただく段階に進んだら、充実したサポート体制を説明したうえで、投資対効果を示すことで、「損得勘定の壁」を乗り越える。
壁が洗い出せなかったり、対策が思いつかなかったら、放置しない。

気を許してないので動きなくない「関係性の壁
「よく分からない相手に対して警戒している」
「なんとなく、そのまま説得されたくない」
「気を許してないので、行動するのを控えている」
提示している内容への賛否とは関係なく、相手と自分との関係性が原因となって起こっている抵抗
相手の心の中にあることをすっきりと吐き出してもらうのに加えて、こちらからも率直な自己開示が必要

商談時に、切り札として取っておきたい追加情報をどうしても先に見られたくなければ、ファイルや資料を物理的に分けておく。情報を出すタイミングをコントロールできる。

「関係性の壁」を超えるうえでは、まずはこちらから耳を傾け、相手のことを理解すべき。「自分のことをわかってくれている」と相手が感じてくれるかどうかがひとつの目安

アクティブ・リスニングの3つの要件
1.自己一致
聞き手の気持ちに嘘がなく純粋な状態
2.無条件の肯定的関心
否定や評価をせずに相手を受け入れる。相手の存在を尊重して大切にする。という姿勢
3.共感的理解
相手と感情を共感し、相手の立場に立って、同じ視点で物事を捉える

対人関係について学べる教訓
「相手について自分はこういうことを知っている・わかっている」という認識は、実は正しくないかもしれない。「自分の知らない何かが他にあるのではないか」と考え、自分にまだ見えていないことを真摯に問いかける姿勢があってこそ、相手に対する理解を深めることができる。

使用頻度が高い図解の基本6パターン
1.比較 A ↔︎ B
2.変化 A → B
3.プロセス A → B → C
4.ポジション ABCD
5.マトリックス ABC/XYZ
6.列挙 A , B , C

適した図解がどうしても思いつかない場合の「最終手段」を持っておくことが、図解を使う際の「安心材料」になる

思い込みを外す力」とは、先入観や固定概念による「思い込みの壁」があるとき、思い込みの原因を特定して、認知の枠組みを再定義(リフレーミング)するスキル
「システム1」は速い思考
直感や過去の経験に基づき、日常生活で大半の意思決定を素早くしている。
「システム2」は遅い思考
慎重に考えるときの脳の動き。2つのコップにピッタリの量を注ぐとき、集中力が必要となる。

「健全に疑う」姿勢を持つ
1.情報や経験が偏っていないか?
年次やキャリアを重ねると、特定の情報や経験の積み増されているので「偏り」からくる思い込みが働きやすくなる
2.前提や情報が抜けていないか?
「論理の飛躍」普通は、こうするものでしょうや、常識から考えるとこうだなど、思い込みが働いている
3.達成や実現のプレッシャーがかかっていないか?
「なんとしてもやり遂げなければ」という気持ちが強いほど、思い込みにはまりやすい

人は「他人に説得されるより自分に説得されたい」人の心理には「コミットメントと一貫性」という原理がある

交渉の基本概念
BATNA Best Alternative to Nagotiated Agreement
合意が出来なかった場合の最善策、次善策
ZOPA Zero of Possible Agreement
合意可能な領域
1.相手の情報を徹底的に調べる
2.自分のBATNAに関する情報は明かさない
3.なるべくよいBATNAを持っておく
4.ZOPAの範囲を広げる

例えば40で交渉開始すれば、妥協して半分の水準でいいですよと言われて20になる

共に動くための「合言葉」をつくる
巻き込む力」は、決めたアクションが着実に遂行されるよう、相手と一体になって推進していくスキル
何回も繰り返し登場する言葉に焦点を当てる。登場回数の多い言葉をキーワードにする。「合言葉」をつくったときに、その合言葉が「流行る」ことが大事。色々な人が口にし、記憶からなかなか消えないことが大事

「愛される心配性」というキャラクター設定
周囲からポジティブな目で見てもらいつつ、要所ではきっちり細かく確認していく。最後の「詰め」は抜かってはならない。徹底した「巻き込み力」によって、共に創るディスカッションは実を結ぶ

ハーバード大学 ロバート・キーガン教授
人間が生涯かけてどのように成長していくか扱う学問領域として「成人発達理論」を提唱
自己中心(10%)
自分の欲求を満たす/自分の役割や仕事のみ関心を持つ
他者依存(70%)
組織の不文律や既存の慣習、他者基準での意思決定に従う
自己主導(20%)
他者の価値観を理解したうえでの自己模範を大切にする
自己変容(1%未満)
他者の価値観を取り入れる持続的な自己変容取り入れて相互発達
「共に創るディスカッション」は、自己主導段階の入口。フラットに相手と議論するスタンスを持っていると、見える景色が違ってくる

営業で使うだけでなく、組織やリーダーシップ論でも役に立つ内容が多く書かれていて、とても参考になります。事例でトーク集などもあり、より深く相手との合意のヒントや、壁の越え方のヒントが多く書かれていて、営業だけでなく経営者やリーダーにもおすすめの1冊です。



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