調理場という戦場 斉須政雄
そらちゃんがおすすめしていて、気になったので読んでみました〜。三國さんに続く、コート・ドール斉須さんの書籍です
毎日水をやるぐらいの手伝いをする。手を貸す足を貸すということはしない。やるのは、その人。邪魔もしなければ肩入れもしない、環境保全はするけど、それ以上はしない
ひとつひとつの工程を丁寧にクリアしていなければ、大切な料理を当たり前に作ることができない。大きなことだけやろうとしていても、ひとつずつの行動が伴わないといけない
辛抱強く思いやりを注いでいれば、フォンや子どもは、自分のほうから素直なすばらしさを発露してくれる
「教わった」と言っても具体的には、何も注意しないし、教えたなんて思ってない。常に、好きだからやっているという姿勢でお店にいる人だったから。「好きだから」という考え方で行動すれば、当たり前の日常で、みんなが楽しくやれる
アイデアが1だとしたら、アイデアを使えるか使えないかを見わけることに10ぐらいの力がいるような気がする。「アイデアを実用化できる生産ラインを作ること」には、100ぐらいの力を必要とすると感じる
「資本がないから事業が思わしくないという声をよく聞くが、資本がないからではなく、アイデアがないから。よいアイデアには国境がなく、よい製品に国境はない」本田宗一郎さんの書籍に書かれていた言葉
「料理人と仕事」という本を尊敬する人に薦められて読んだことがある。すばらしいなぁと思う。血液の言葉が詰まっている
人生に近道はない。まわり道をした人ほど多くのものを得て、滋養を含んだ人間性にたどりつく
日常的に努力をして、素材に対して理解と工夫を得たことが、個人の体系的な基礎をつくりあげる。基礎とは、「いかに密度の濃い仕事をして、素材の特性を理解しようとするか?」というところから生まれる
「正しい運転には、バックミラーが必要不可欠。批評家は批評するのが仕事だが、心理は一つ、レストランを満席にすること」
透明になるには、今の自分が持っているものから減らすものと捨てるものを選択しなければいけない。捨てられないものを引きずりながら、新しいものを手に入れるというムシのいい若者もいるが、「それでうまくいくことは、ないよ」と叩き込んでいる
何を言われたって、やってみないという手はない。客観的に言っていいことなのか悪いことなのかはわからないけど、やってみたいと思ったことを実行すれば、まがりなりにもその人なりの凹凸が出てくる
「斉須さんは、どうやって、こういうお店を作ったのですか?」と問われたら、「なにをやったか、よりも、『やらなかったこと』が今に至っていると思う」
仕事に対する姿勢や、後輩などを教育する姿勢についてとても参考になり、「コート・ドール」にも行きたくなってしまう書籍で、おすすめです