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応援マガジン 「 俺が “note” で見つけた天才たち 」

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この人「間違いなく天才!」と心奪われた記事を中心に掲載しています。 ※判断基準はmatsyaの独断と偏見にまみれています。
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#小説

すべての「何かを作ろうとしている人たち」に

すべての「何かを作ろうとしている人たち」に

文学研究者という職業なのか趣味なのか分からないような作業に従事し始めたのは博士課程に在籍してた頃のことでした。その時僕は20代の後半になったばかりで、研究とは何か新しいものを見つけるための作業だと思っていました。

30代に入った頃、ふと大きな虚脱感に襲われました。村上春樹がかつて、『ダンス・ダンス・ダンス』の中で、雑文書きの仕事を「文化的雪かき」というふうに表現していて、研究者として「さあこれか

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「スズキ」 宮沢賢治の彼方へ(再)

「スズキ」 宮沢賢治の彼方へ(再)

 短編「スズキ」は、全力で書いた短編である。以前、noteに書いた、「『スズキ』 宮沢賢治の彼方へ」は、メイキングのつもりで書いた。noteのその文章は、発表するまで推敲を繰り返し、けっこう気張って書いた。だが、読者が少ないようなので、再掲載します。
 作中に出てくる、ぎょうざ耳の男には、モデルがいる。でも、それはまたべつの話である。

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 私が中・短編集『ス

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カバが消えた(再)

カバが消えた(再)

 「アナログガール」(櫻門書房)という本を出した。私の中・短編小説を集めた本である。そのなかの「コクー」という小説に、カバという登場人物がいる。小説は、100パーセント、フィクションである。ただ、このカバという名前は、実在の人物から拝借した。当時勤めていた職場のアルバイトの名前である。その理由を以前、noteに書いた。感謝のつもりだった。
 だが、読者が少ないようなので、再掲載します。

    

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instagram上にて投稿をしていた
「なにもかもが、ふっと、わからなくなっても」
本日最終を迎えました!

https://www.instagram.com/ushijimayouth/?hl=ja

読んでやっても良いぜという方、
ぜひよろしくお願いします!

間

ねーえ、あのね、何か話したいことがあるわけではないの。でもただ、話がしたいだけなの。寒いね、とか、お腹空いたね、とか、あ、あそこに猫がいるよ、とか。そんな、手に届く、目に見えるようなことを。どうでもいいことを、しゃべっていたいの。

ねーえ、あのね、何か伝えたいことがあって書くわけではないの。ただ、文字が見ていたいだけなの。何かを見ていたいだけなの。天国は雲の上のどのへんにあるんだろうとか、来世に

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