緒 真坂 itoguchi masaka

新刊は「通り雨のように/ミッキーの薬屋」他全13冊。NIIKEI文学賞ライトノベル部門審査員特別賞。USEN朗読文学大賞奨励賞受賞。ネットでは、amazon、めがね書林。リアルでは、中野ブロードウェイ3F、タコシェ。渋谷ヒカリエ8F、〇〇書店にてめがね書林にて販売。

緒 真坂 itoguchi masaka

新刊は「通り雨のように/ミッキーの薬屋」他全13冊。NIIKEI文学賞ライトノベル部門審査員特別賞。USEN朗読文学大賞奨励賞受賞。ネットでは、amazon、めがね書林。リアルでは、中野ブロードウェイ3F、タコシェ。渋谷ヒカリエ8F、〇〇書店にてめがね書林にて販売。

最近の記事

  • 固定された記事

「通り雨のように/ミッキーの薬屋」あとがき ~私的80年代、90年代~

 私の新刊「通り雨のように/ミッキーの薬屋」がめがね書林より発売されました。  68ページの小さな本です。  これはその本のあとがきです。  また、渋谷ヒカリエ8F、渋谷○○書店にて、7月14日(日)めがね書林が店番をしますので、私も付いていきます。新刊を並べ、そのときご購入いただいた方には、サインをします(12時~午後3時。時間にご注意ください)  ご都合のよろしいかたは、ぜひ、お越しください。  また当日、2冊お買い上げのかたには、プレゼントを用意してお待ちいたします。

    • エラリー・クイーンの悲劇⑪終を更新しました

       小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑪を更新しました。  第2話エラリー・クイーンの悲劇は、この⑪で終了です。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  (次回は、第3話が始まります) 「で、そのシノの話を真に受けたわけか?」  私はイッチに尋ねた。  「どういう意味だ?」 「まんまの意味です」 「本人の告白なのだから当然だ」  イッチは眉間にしわを寄せて、首を左右に振っていった。 「デイジーは、青酸カリで

      • 休日だったので、すごい行列。女子、カップル率が高い。それでもめげずに並ぶ

        〇月〇日  所用で、奥さんと表参道。i2 cafeへ。  休日だったので、すごい行列。女子、カップル率が高い。それでもめげずに並ぶ。  写真は、ダッチベイビーパンケーキ。 〇月〇日  旧江戸川乱歩邸は、豊島区西池袋にある。現在、修理中(江戸川乱歩の本名は平井太郎) 〇月〇日  配信で、リュック・ベンソン「ニキータ」を鑑賞。  レンタルビデオで観て、テレビ放送で観て、これで三度目だろうか。  基本スタイリッシュなアクション映画なのだが、ニキータをめぐる男二人の恋愛が、

        • エラリー・クイーンの悲劇⑩を更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑩を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  なぜだ、とおれは尋ねた。デイジーには、男がいたのだ、とシノはいった。おれたちの部屋には、固定電話にかかってきた男からのデイジーのメモが数枚、残っていた。ホテルの住所と部屋番号が書かれていた。男と連絡を取り合い、ホテルに泊まっていたのだった。おれは、デイジーを信頼していたからこそ、作詞・作曲のクレジットをデイジー

        • 固定された記事

        「通り雨のように/ミッキーの薬屋」あとがき ~私的80年代、90年代~

          エラリー・クイーンの悲劇⑨を更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑨を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  テラスに出ると、蒸気機関車の煙突から吐き出されたような入道雲が青空いっぱいに浮んでいた。利用者の姿はなかったが、私とイッチは、いちばん奥にあったテーブルについた。 「以前にもいいましたが、もし犯人が本当に返却をしたのだったら、自分の指紋を拭き取るし、DNA鑑定のことも広く知られていますから、凶器を捨てるか隠すか

          エラリー・クイーンの悲劇⑨を更新しました

          エラリー・クイーンの悲劇⑧を更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑧を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。 「そろそろやってくるころだと思っていました」  私は椅子からゆっくりと立ち上がると、笑顔でいった。  イッチは、意外そうな顔つきをした。 「だって、こないだの相互貸借の本、そろそろ返却期限ですからね」 「今日きたのは、じつはそのことなのです。本を取り寄せてもらう前にもいいましたが、その本を借りたのは、シノの事件の

          エラリー・クイーンの悲劇⑧を更新しました

          エラリー・クイーンの悲劇⑦更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑦を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  私は自宅に戻り、コンポにセットして、カセットテープを聴いていた。シノザキのデスクの引き出しのなかにあったカセットテープを持ってきていたのだ。もちろん、プリントアウトした紙の束も。  *  翌日、私は職場を休んで、昼間、イッチのアパートにいった。  イッチの住所は本人から聞いて知っていた。当然、イッチはいなか

          エラリー・クイーンの悲劇⑦更新しました

          買いたい本を買っているだけなのだが、集まった本たちは、その人の宇宙をかたち作る

          〇月〇日  配信で、映画「イエスタデイ」を観た。  ビートルズが急にこの世界から消えてしまったという設定の物語。  その中で、もっとも美しいシーンが、この後に。 〇月〇日 買いたい本を買っているだけなのだが、集まった本たちは、その人の宇宙をかたち作る。

          買いたい本を買っているだけなのだが、集まった本たちは、その人の宇宙をかたち作る

          新宿で、カプチーノラーメンを食した

          〇月〇日  新宿で、カプチーノラーメンを食した。何だかおしゃれ。美味。 〇月〇日  神保町の古書店で、1969年の「少年サンデー」を買った。「女の子はHか!?」という特集があった。小学生の男女が討論した記事。司会は阿部進さん。ご存じのかたもいるかと思うが、カバゴンというあだ名で親しまれた教育評論家だ。 「人間てのは男と、女しかいないでしょう。だから、好きになることが、たいせつだと思うの」と女の子が発言している。  藤子不二雄「ウメ星デンカ」、水木しげる「河童の三平」、白

          新宿で、カプチーノラーメンを食した

          エラリー・クイーンの悲劇⑥更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑥を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  社内は、清潔で明るく、いくつかの部署がパーテーションで仕切られていた。  社員は黙々とパソコンのキーボードを叩いていた。  私は応接室に通された。十分ほど待たされて、太った体形を大いに持て余すようにタクがやってきた。私をチラリと見て、顔の表情が曇った。 「どこかでお会いしましたか?」  タクは首を軽くひねったが

          エラリー・クイーンの悲劇⑥更新しました

          エラリー・クイーンの悲劇⑤更新しました

            小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑤を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  他館からイッチが依頼した海外小説が届いた。さすがにピークのときは、予約の数だけで、百件を越えていた本だ。  本の表紙や背表紙の痛みがひどい。  私はあちこち点検してみたが、人間を殴ったことによる損壊があるようには思えなかった。もちろん、血痕などもついていない。  もしこの本が凶器だったとしても、指紋の特定から

          エラリー・クイーンの悲劇⑤更新しました

          エラリー・クイーンの悲劇④更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇④を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  シノザキが住んでいたのは、新宿にあるアパートだった。新宿だからといって、家賃の高い住宅ばかりを想像してはいけない。  築何十年の老朽化したアパートだってあるのだ。シノザキが住んでいたのは、そういうアパートだった。  私は二階建ての木造モルタル造りのアパートの前に立ち止まり、深呼吸を一つしてから、共有玄関の敷居を

          エラリー・クイーンの悲劇④更新しました

          鳥描きの橘さんが人物の絵を描くのは珍しいのではないだろうか。

          〇月〇日  神保町、シェア型書店、SOLIDAに行って、ウミネコ文庫「ウミネコ童話集二」を購入。すずらん通りにある、PASSAGEにはよく行っていたのだが、SOLIDAはそれほどではない。できたばかりだし。どんなお店が入っているのかな、とさっと流す程度。  きれいな表紙。描いたのは橘鶫さん。  「ウミネコ童話集二」には私の童話が収録されている。「ブラック・ビューティー」というタイトルで、私の挿絵も橘鶫さん。  橘さんが描く作中のママと烏の絵がとても美しい。  鳥描きの橘さん

          鳥描きの橘さんが人物の絵を描くのは珍しいのではないだろうか。

          エラリー・クイーンの悲劇③更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇③を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  知り合ったころ、私は、イッチのいたロックバンドをよく知っている、と話した。FAIR WEATHER。好きなバンドだった、と。 「ずいぶん前のことです。有名になったのは、たまたま運がよかっただけです」  イッチはいった。  インディーズのバンドで、メジャーデビューの話もあったが、結局その前に解散した。 「西新宿に

          エラリー・クイーンの悲劇③更新しました

          エラリー・クイーンの悲劇②更新しました

          小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇②を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  図書館の近くに店は狭いが、おいしいパスタを食べさせる店があった。夫婦二人だけで経営している。  昼食時はいつも混んでいるが、きょうは日曜日で、近隣の会社はほとんどが休みだったため、すんなりとテーブルにつくことができた。こんな日はいいことがあるような気がする。  私は、その店のガーリックがたっぷり入ったパスタが好き

          エラリー・クイーンの悲劇②更新しました

          妻くんエピソード3つ

          〇月〇日    電車の中で、パンダの画像を見つけた。  妻くんはパンダが好きなので、スクショして、その画像をLineで送った。  妻くんから「ぱん」と返信が送られてきた。 「だ」と私は返事を送った。   〇月〇日    妻くんがトレーナーに首を突っ込んで、顔の半分を出していた。 「大人は判ってくれない」と私は言った。 「なに、それ」 「トリュフォーの映画」  妻くんは数秒考えて、言った。 「というより、あなたは判ってくれない」  なんでだよ~。 〇月〇日    朝、出勤前、

          妻くんエピソード3つ